三軒茶屋変電所
当初の新玉川線の設備計画には大橋変電所の次は桜新町変電所が設定されていた。しかし将来的に輸送量増大時には中間の三軒茶屋附近,および瀬田開口部附近に新変電所またはき電区分所を増設することで建設が始まった。 最近の事故で三軒茶屋変電所があることが判明した。100年史を読むと2008年に運開している。
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この国土交通省の図で新大橋変電所は72D方式(エアーセクションで挟まれたデッドセクションを設ける)三軒茶屋変電所はTき電方式であることが判る。
受電:22kV 近隣のキャロットタワー地下にTEPCOの変電所があるのでそこからの供給か
もしれない
き電:シリコン整流器S種定格150%2時間 12パルス整流器、直流高速度真空遮断器採用
シリコン整流器の容量については資料がないが3,000kW×2台が適当な値であろう
Tき電 72D方式(中間にデッドセクションを挟む)ではない。
新大橋変電所から1.8㎞、新桜町変電所から2.9㎞
変電所の部分はコンコース階(B1F)の赤の部分
キャロットタウン及び世田谷線への連絡通路を設けるため駅舎が当初の形から変更されている。カラー部分の構内図が現在の三軒茶屋駅で乗客が入れる場所を示す。この三軒茶屋駅将来の変電所増設に備えるためか乗務員の会議室は設けられていた。
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三軒茶屋駅天井からケーブルが垂下してケーブルラックにクリートで固定されてトンネル部に伸びる 下り線側 どうやらこの上が三軒茶屋変電所のようだ。手前下り線、奥上り線 |
インピーダンスボンドにつながる帰線325㎟×5条
2008年の表示なので運開した時からのケーブル |
ケーブルラックは奥まで伸びる |
線条の間に標識がある |
上り線側も同様に帰線が325㎟のケーブル5条でケーブルラックに固定され下り線と同様な方向に伸びる |
インピーダンスボンドにつながる帰線325㎟×5条 |
帰線収容のケーブルラックが下に下がっているようだ。 |
帰線ケーブルの先には容器に収容されたインピーダンスボンドがある。右〇部分 線条にはケーブル固定ボンドの痕が見える(左〇部分) |
左は帰線が垂下しているが、右にき電線325㎟が3条 複合架線のき電吊架線325㎟つながっている。ケーブル1条で約700A 3条だから約2,000Aが流せる |
接続部拡大 下り線側 |
上り線側 き電線が上部穴から降りてくる。 どうやら三軒茶屋変電所はTき電でき電が行われているようだ |
複合き電線のき電吊架線325㎟につながる |
隔壁が金属板で耐震強化されているので上部に重量物が乗っている すなわち三軒茶屋変電所はホーム上にある B2F |
隔壁の上はドアがある B1F |
世田谷通り出口の階段部にドアがある。位置的には変電所がある方向 |
三軒茶屋変電所は以前 直流高速度真空遮断器の破損事故を起こしている。
1252. 東京急行 田園都市線(新玉川線)停電事故 推定 三軒茶屋変電所があった
2022/10/20の記事であるがその時点で当ブログは画像から直流高速度真空遮断器の真空バルブの破損と判断している。
Tき電なので断路器で当該直流高速度真空遮断器を切り離せば運行再開は隣接変電所からの送電で電車の運行はできた。また上り 用賀駅~二子玉川駅間 、下り高津駅~溝の口駅間 に停車した電車が有ったが、用賀駅~二子玉川駅間 、高津駅~溝の口駅間ともに新桜町変電所と高津変電所から送電を行なえば駅までは動かせた。
田園都市線三軒茶屋変電所内 電気設備故障の原因調査結果について2022/12/19
これは直流高速度真空遮断器の真空バルブの破損 つまり1500V用の直流高速度遮断器の気中開閉部を真空バルブに交換したコンパクト版を遮断器盤から引き出した状態(プラグインタイプ)変電所のブレーカーともいえる。 |
参考資料
新玉川線建設史
変電所一般 き電変電シリーズ:日本鉄道電気技術協会編