内房線の大貫変電所に回生電力貯蔵装置が設置されたとの、JR東日本の報道発表があったので見に行く
Wikipediaの気象庁地磁気観測所の項目には、鹿野山にある建設省国土地理院の測地観測所で行っている地磁気観測に影響を及ぼさないよう、内房線(房総西線)電化の際に、直直デッドセクションを設け、変電所間隔を短くして地磁気観測に影響を及ぼさないように対応したとの記載がある。実際のところ2014年に調査した際には、直直デッドセクション(トロリ線の間にセクションインシュレーターを挟んだもの)は、見つけることができなかった。
今般 大貫変電所に回生電力貯蔵装置が設置されて運用開始しているという報道があったので、ひょっとして直直デッドセクションをトロリ線に、挟んでき電区分を厳密に区切って測定しているかも?!という予測が働いたが、結局のところ空振りであった。以前のままのエアーセクションでき電区分が行われていた。
それを記事にするあたりついでに、直直デッドセクションの記事を今までの掲載記事から選択して総集編としてまとめ記事をUpする。直直デッドセクションがあっても、当方の記事では、変電所の記事にまぎれてしまっているので今回炙り出してみた。
定義:直流セクションインシュレーター2基で挟んだトロリ線が、無電圧もしくは加圧切替できる設備
デッドなセクションがあるもの
1.JR東日本 栗橋変電所の項
177. JR東日本 栗橋変電所(直流)とその周辺 ブログリンク 2014年
JR東日本 東北本線と東武鉄道 日光線の間の直直デッドセクション 常用
特急スペーシア・日光・きぬがわの運行で使用
特徴:無加圧区間を東武側で き電可能な形式
2.小田急電鉄 松田変電所の項
210. 小田急電鉄 松田変電所(直流)と御殿場線連絡線 直直デッドセクション ブログリンク 2014年
小田急線とJR東海 御殿場線の間の連絡線の直直デッドセクション 常用
小田急線特急あさぎり号での運用
特徴:無加圧区間を小田急線の き電で加圧可能
3.小田急電鉄・箱根登山鉄道 湯本変電所の項
435. 小田急電・鉄箱根登山鉄 箱根登山鉄道 湯本変電所(直流)ブログリンク 2015年
小田急線と箱根登山鉄道の間の連絡線の直直デッドセクション 常用
箱根登山鉄道電車の入生田検車区への移動で使用
特徴:1500V⇔600V異電圧区分 かつては、小田原駅まで登山鉄道が運行していた
4.西武鉄道 多磨変電所の項
478. 西武鉄道 多摩川線 武蔵境駅 直直デッドセクションと多磨変電所 ブログリンク 2016年
西武鉄道 多摩川線とJR東日本 中央本線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
西武鉄道 多摩川線の車両を武蔵丘車両検修場での検修時に使用、また中古車両・新型車両の授受に使用(甲種輸送)
特徴:多摩川線の車両を武蔵丘車両検修場での検修時使用するときは、武蔵野線の連絡線も使用する 次 項参照
5.この記事は単独で掲載
504. JR東日本 武蔵野線 西武鉄道 池袋線 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
西武鉄道 新宿線とJR東日本 武蔵野線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
西武鉄道 多摩川線の車両を武蔵丘車両検修場での検修時に使用、また中古車両・新型車両の授受に使用(甲種輸送)
特徴:JR東日本側にエアーセクションがあり断路器での き電区分が行える
6.この記事は単独で掲載
585. 上信電鉄 高崎駅 JR線との連絡線 直直デッドセクション ブログリンク 2017年
上信電鉄とJR東日本 高崎線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
中古車両・新型車両?の授受に使用(甲種輸送)
特徴:無加圧部分の間隔が短い
7.JR東海 三島変電所の項
605. JR東海 三島変電所と伊豆箱根鉄道 駿豆線 連絡線 ブログリンク 2017年
伊豆箱根鉄道 駿豆線とJR東海 東海道本線の連絡線の直直デッドセクション 常用
特急踊り子号の運用と伊豆箱根鉄道 大雄山線の車両の大場工場への移動で使用
特徴:東海道本線 三島駅にホーム中ほどから連絡線が分岐している
8.この記事は単独で掲載
657. 西武秩父・お花畑 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
西武鉄道西武秩父線と秩父鉄道秩父本線の連絡線の直直デッドセクション 常用
秩父鉄道秩父本線の長瀞駅・三峰口駅との直通連絡線
特徴:1989年に運用開始 2つの直直デッドセクションがある
9.この記事は単独で掲載(定義が微妙…)
658. 東武鉄道・秩父鉄道・JR東日本(八高線・電化) 寄居駅 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
東武鉄道東上線と秩父鉄道秩父線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
東武鉄道東上線車両の検査および転配のための回送が行われる(羽生駅経由)
特徴:直直デッドセクションの範囲が大きい。東武側から無加圧部分に き電できる。常時東武側き電
10.この記事は単独で掲載
659. JR東日本・秩父鉄道 熊谷駅 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
秩父鉄道秩父本線とJR東日本高崎線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
運用は無い、かつて直通列車の運行が行われていた。また貨物の授受もあったがこちらは熊谷貨物ターミナルで対応されている
特徴:連絡線の秩父本線側にもう一箇所セクションがあり、秩父鉄道側から き電されている
11.この記事は単独で掲載
708. 富士急 大月駅 JR東日本 連絡線 直直デッドセクションとその周辺 ブログリンク 2018年
富士急大月線とJR中央本線の連絡線の直直デッドセクション 常用
河口湖発のJR東日本 特別快速、季節列車の運行
特徴:直直デッドセクションを真横で見られる
変電設備から見た富山地鉄本線、立山線の危機 マイナビニュース 杉山淳一氏の記事を読んで
1509. 変電設備から見た富山地鉄本線、立山線の危機 マイナビニュース 杉山淳一氏の記事を読んで
富山地鉄本線の一部、立山線の廃止が取り沙汰されている。地鉄側は自治体の支援がなければ今年11月にも国へ廃止届を提出とのこと。 富山地鉄の廃線危機、行政の対応が遅すぎ! 必要なら「まずは残せ」 マイナビニュース 掲載日 2025/08/09 08:...
人気の投稿
-
JR東日本 架空送電線 経路 一覧(関東地方以北) JR架空送電線網 275㎸,154kV,66kV,33kV,77kV(JR東海) 国鉄時代から自営架空送電線網を持っていた。現存しているJR東日本の架空送電線網の鉄塔位置を地図上にUpした。JR東日本 ...
-
JR東日本 在来線 全変電所大全 306箇所 路線別 2021年度時点 2023年 変電所1カ所増加 表を作り替えた。下が最新版 1327. JR東日本 在来線 全変電所大全 307箇所 路線別 完成 新型コロナウイルス感染症下の不要不急の外出ができないので、今まで...
-
黒磯駅 交直地上切替 直流加圧事故 黒磯駅 デッドセクションで検索していたら黒磯駅での事故がひっかかった。 産経新聞ニュース ソース どうやら黒磯駅で交流印加架線に直流を加圧してE721系をお釈迦にしたそうだ。 産経新聞ソース リンク切れの恐れ...
-
前振り 昨年から取り掛かっていたが、とうとう60周年に間に合わなかった。変電所、き電区分所、補助き電区分所の変遷はリストになっていたが、どうしてこの位置にあり、どのような理由で変電設備が成り立っているかの理由を調査し始めたら奥が深く泥沼に入ってしまった。 ...
-
武蔵境交流変電所 842. JR東日本 武蔵境交流変電所 再訪 追加 ブログリンク 以下に武蔵境交流変電所22㎸、66㎸ C-GIS設備の内容の記載あり 1312. JR東日本 国分寺変電所・吉祥寺変電所66㎸化 送電網強化 グーグルマッ...
-
当ブログの検索結果をGoogle Analysesで見ていたらタイき電、一括き電の検索が多かったので記事をUpした。(手持ちの文献があったので、とりあえずUp) JR東日本は、現在上下線別分割き電で一部上下線タイき電を行っている。過去に国分寺付近で技研が上下線一括き電の実験...
-
変電所 き電区分所 補助き電区分所 グーグル マイマップリンク 上記 グーグルマイマップ(リンク)について ベースは、富士川以北 北海道までの電鉄系 変電所 位置(き電区分所・補助き電区分所・変圧ポスト・タイポスト・区分開閉等を含む)に新幹線の...
-
大成ビル 大成ビルは、グーグルマップで表示名が表示されない 大成ビル 大宮でググルと建築計画の看板のブログと建築実績表がヒットする。 大成ビル建築計画のお知らせ リンク 名 称 (仮称)大成ビル新築工事 所在地 さいたま市大宮区大成町三丁目9...
-
新宿交流変電所 グーグルマップでは、表示名が出ない。外観は歴とした変電所である。変電所の銘板がない。 アプローチ:新宿駅 容易 外観は見学できる。 接続されている地中ケーブルの22kV・66kV送電線も見られる。き電線も見られる。埼京線方面は、西武新宿線新宿駅の...
-
過去に逗子線 逗子フライホイールポスト(F/P)をの記事を書いたが、どうやら切り離されて運用停止となった。 1073. 京浜急行電鉄 逗子線 逗子フライホイールポスト(F/P)とその前身 瀬戸 フライホイール・flywheel(F/W) 2021年6月記事 逗子型2号機(横...