2018年12月2日

846. まだあった直直デッドセクション 多分これが最後(関東地方)熊谷貨物ターミナル

まだあった直直デッドセクション 多分これが最後

秩父鉄道三ヶ尻線の一部(熊谷貨物ターミナル駅~三ヶ尻駅間)3.86kmは、完全廃止となった。
関東各地の、他事業者線の接続箇所を色々廻った。この記事は、まとめてある。
以下の記事参照
再掲

定義:直流セクションインシュレーター2基で挟んだトロリ線が、無電圧もしくは加圧切替できる設備
デッドなセクションがあるもの

1.JR東日本 栗橋変電所の項
177. JR東日本 栗橋変電所(直流)とその周辺 ブログリンク 2014年
JR東日本 東北本線と東武鉄道 日光線の間の直直デッドセクション 常用
特急スペーシア・日光・きぬがわの運行で使用
特徴:無加圧区間を東武側で き電可能な形式

2.小田急電鉄 松田変電所の項
210. 小田急電鉄 松田変電所(直流)と御殿場線連絡線 直直デッドセクション ブログリンク 2014年
小田急線とJR東海 御殿場線の間の連絡線の直直デッドセクション 常用
小田急線特急あさぎり号での運用
特徴:無加圧区間を小田急線の き電で加圧可能

3.小田急電鉄・箱根登山鉄道 湯本変電所の項
435. 小田急電・鉄箱根登山鉄 箱根登山鉄道 湯本変電所(直流)ブログリンク 2015年
小田急線と箱根登山鉄道の間の連絡線の直直デッドセクション 常用
箱根登山鉄道電車の入生田検車区への移動で使用 
特徴:1500V⇔600V異電圧区分 かつては、小田原駅まで登山鉄道が運行していた

4.西武鉄道 多磨変電所の項
478. 西武鉄道 多摩川線 武蔵境駅 直直デッドセクションと多磨変電所 ブログリンク 2016年
西武鉄道 多摩川線とJR東日本 中央本線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
西武鉄道 多摩川線の車両を武蔵丘車両検修場での検修時に使用、また中古車両・新型車両の授受に使用(甲種輸送)
特徴:多摩川線の車両を武蔵丘車両検修場での検修時使用するときは、武蔵野線の連絡線も使用する 次 項参照

5.この記事は単独で掲載
504. JR東日本 武蔵野線 西武鉄道 池袋線 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
西武鉄道 新宿線とJR東日本 武蔵野線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
西武鉄道 多摩川線の車両を武蔵丘車両検修場での検修時に使用、また中古車両・新型車両の授受に使用(甲種輸送)
特徴:JR東日本側にエアーセクションがあり断路器での き電区分が行える

6.この記事は単独で掲載
585. 上信電鉄 高崎駅 JR線との連絡線 直直デッドセクション ブログリンク 2017年
上信電鉄とJR東日本 高崎線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
中古車両・新型車両?の授受に使用(甲種輸送)
特徴:無加圧部分の間隔が短い

7.JR東海 三島変電所の項
605. JR東海 三島変電所と伊豆箱根鉄道 駿豆線 連絡線 ブログリンク 2017年
伊豆箱根鉄道 駿豆線とJR東海 東海道本線の連絡線の直直デッドセクション 常用
特急踊り子号の運用と伊豆箱根鉄道 大雄山線の車両の大場工場への移動で使用
特徴:東海道本線 三島駅にホーム中ほどから連絡線が分岐している

8.この記事は単独で掲載
657.  西武秩父・お花畑 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
西武鉄道西武秩父線と秩父鉄道秩父本線の連絡線の直直デッドセクション 常用
秩父鉄道秩父本線の長瀞駅・三峰口駅との直通連絡線
特徴:1989年に運用開始 2つの直直デッドセクションがある

9.この記事は単独で掲載(定義が微妙…)
658. 東武鉄道・秩父鉄道・JR東日本(八高線・電化) 寄居駅 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年 
東武鉄道東上線と秩父鉄道秩父線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
東武鉄道東上線車両の検査および転配のための回送が行われる(羽生駅経由)
特徴:直直デッドセクションの範囲が大きい。東武側から無加圧部分に き電できる。常時東武側き電 

10.この記事は単独で掲載
659. JR東日本・秩父鉄道 熊谷駅 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年
秩父鉄道秩父本線とJR東日本高崎線の連絡線の直直デッドセクション 常用外
運用は無い、かつて直通列車の運行が行われていた。また貨物の授受もあったがこちらは熊谷貨物ターミナルで対応されている
特徴:連絡線の秩父本線側にもう一箇所セクションがあり、秩父鉄道側から き電されている

11.この記事は単独で掲載
708. 富士急 大月駅 JR東日本 連絡線 直直デッドセクションとその周辺 ブログリンク 2018年
富士急大月線とJR中央本線の連絡線の直直デッドセクション 常用
河口湖発のJR東日本 特別快速、季節列車の運行
特徴:直直デッドセクションを真横で見られる

このまとめた後の関東地方以外1か所、関東地方で1か所判明している。
以下の引用
引用終わり

熊谷貨物ターミナルは、秩父本線とJR東日本高崎線の接続点である。但し貨物等で人的行き来は無い。
JR東日本との接続点は、熊谷駅の休止(ほとんど廃止)状態の直直デッドセクションが有名である。(上述記事参照:659. JR東日本・秩父鉄道 熊谷駅 連絡線の直直デッドセクション ブログリンク 2017年)

熊谷貨物ターミナルは、長さ約4kmの広大な敷地に、JR貨物側と秩父鉄道側に区別された配線になっている。籠原駅からは約1.7km、熊谷駅からは、約6km

度々引用させていただいている配線略図.netさんの配線図を分析。


配線略図.netから引用 一部改変
Wikipediaの記事によると、熊谷貨物ターミナル駅は、JR貨物と秩父鉄道が運営しているとのこと。上図 高崎線が中央分断の上の部分
細線がJR貨物
太線が秩父鉄道
の管轄であろう。
高崎線の下り線が、分断している下はJR東日本が管轄であろう。

そこで直直デッドセクションの推定位置は、2か所
秩父鉄道の熊谷貨物ターミナル入口
高崎線下り線のアンダーパス の下シーサスクロッシングの秩父鉄道側
と踏んだ。


まずは、籠原駅から秩父鉄道三ヶ尻線を辿る。
途中 籠原変電所を経由

その前に
籠原駅地絡事故の、その後について
449. JR東日本 籠原駅 地絡 火災 事故 原因  ブログリンク

この地絡事故の早期検出にはき電保護パックの設置が必要である。
228. JR東日本 王子交流変電所(直流併設) き電保護パックについて解説 ブログリンク

籠原駅の電留線架線柱には、新しくき電保護パックが取り付けられていた。
コンクリ架線柱にき電保護パック

鉄構にき電保護パックからの検出線が繋がる ボルトは新しい

両側の架線柱にき電保護パック

さらにき電保護パック

鉄構に検出線がボルトでボンド

このように多連で設置されている例は、他所にもある。

552. JR東日本 き電保護パック 設備状況  ブログリンク

車両基地や、大規模変電所のき電線が架設されている場所で、大電流が流れている場所の地絡検出を積極的に行うように設備されている。

籠原変電所その後
籠原駅 地絡事故で大電流を流し続けた籠原変電所のき電線引き出し部に改良が見られた。
キュービクル型の断路器が設置されている。

170. JR東日本 籠(篭)原変電所(直流)ブログリンク

建屋からのき電線引き出し口 事故前
事故後 個別切替が迅速にできるようキュービクル型の断路器が設備された
いよいよ
秩父鉄道 三ヶ尻線 
熊谷貨物ターミナル 秩父鉄道側 
三ヶ尻駅(貨物)からの三ヶ尻線と
三ヶ尻変電所からのき電線

電車線区分標と区分断路器 三ヶ尻側最終 き電分岐装置

この断路器で、熊谷貨物ターミナル側を区分 電車線区分標がある

熊谷貨物ターミナルと三ヶ尻線のき電区分は、エアーセクション
残念ながら直直セクションもセクションも無い

熊谷貨物ターミナル側 き電分岐装置
先の断路器を開放するとこちら側は、無加圧となる。
き電線は、続く

左 三ヶ尻変電所からのき電線は、一端跨線橋を潜るためケーブル化される
熊谷貨物貨物ターミナル 秩父側 入口直近
この部分にも、
残念ながら直直セクションもセクションも無い

左 三ヶ尻変電所からのき電線は、一端跨線橋を潜りこの部分で架空線となる
入口

熊谷貨物ターミナル 秩父側 入口



き電線は、構内架線に分岐接続される

き電線は、構内架線に分岐接続される

奥 三ヶ尻駅側 貨物ヤード秩父鉄道側


最終的に、き電線は、JR側の出口付近で引き止められ、き電線分岐装置で架線に供給される
これ以降は、き電線は張られていない
 
最終き電線引き止めコンクリ柱
これで秩父側の入口付近には、エアーセクションはあったが直直デッドセクションは、無いことが
確定した。


直直デッドセクションがあると思われる、JR東との接続線 中心部分の線路
最手前の鉄構にき電線とき電線分岐装置
拡大 線路間に標識がある さらに上の線路は脱線ポイントらしき側線

きっとこのような標識が付けられているのだろう(寄居駅 例示)


JR東との接続点 遠望 右に架線終端標識JR貨物側の標識
左架線柱に架線引き止め
GoogleEarthより上記部分の画像
高崎線アンダーパスにクロッシング
秩父鉄道側 車止めとその上 JR東日本との連絡線
その下 JR貨物 架線は、左 架線柱まで

画像を詳しく解析 気が付きましたか?
架線吊架線に碍子の割り入れ
その下のトロリ線に、セクションインシュレーター 2つ

拡大
直直デッドセクションがありました。左 電車線区分標
これが、秩父鉄道とJR東日本とのき電区分となる
直直デッドセクションは、重量があるのでこの架線柱の下に取り付けられていると思われる


熊谷貨物ターミナルき電区分
籠原変電所からの専用き電線21,22Hでターミナル内はき電

籠原変電所 き電線引き出し鉄構
熊谷貨物基地上下

籠原変電所 き電線引き出し鉄構
熊貨タ方面上下 上記と同じき電線

熊谷貨物ターミナルのJR東日本側には、直直デッドセクションがある。実際のJR貨物 電気機関車の秩父鉄道構内乗り入れは、構内線のき電線の電源容量で、想定されていないようだが、ミステリー列車等の特別列車なら、この直直デッドセクションを跨いでの運行ができるかもしれない。

多分これが、関東地方での記事にした最終の直直デッドセクションとなる。
関東地方 直直デッドセクションcomplete  
秩父鉄道巡りで約30㎞歩いた。これくらいは序の口。車を持ってないのでしょうがない。


参考文献
出典:
配線略図.netアドレスhttps://www.haisenryakuzu.net/




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