秩父鉄道 2018/12/03は、秩父夜祭だ 短期間出現する直吊架線方式
秩父夜祭 架線切り離し撮影ツアー 2023年12月3日実施
引用 秩父鉄道では、秩父夜祭開催時に、屋台通過のため御花畑駅近くの架線を切り離す全国的にも珍しい作業をしています。祭事開催時の列車運休中には立ち入ることができない御花畑駅ホームで、貴重な架線切り離しと秩父夜祭の屋台通過を見学および撮影できるツアーを開催いたします。
引用終わり
ヒント3
この夜祭は、秩父鉄道としても細心の注意を払う、イベントが発生する。
旅客の安全は、最大限の優先事項だが、運行上の最大限のイベントがある。
それは、夜祭の約3時間くらいの間 架線が途絶する区間が発生するからだ。
今年は平日の12月3日が夜祭となるが、その期間を挟んだ1週間くらい 架線を細工するイベントが発生する。
通常期の状態 ヒント1
西武秩父方 影森方 シンプルカテナリー式 架線柱がやけに頑丈な作り |
秩父方 御花畑駅近傍 シンプルカテナリー式 架線柱がやけに頑丈な作り |
御花畑駅 西武秩父方の踏切を挟んだ両端の架線柱は、頑丈な作りとなっている。 よく見るとトロリ線がこの踏切を挟んで、両端に接続部位がある。
ヒント2
19時50分ごろから22時30分ごろ まで秩父と影森駅間で運行が停止する。 |
高い幟 |
秩父観光協会 Webから引用 |
賢明な読者の皆さんは、お判りだろうか
笠鉾2基と屋台4基の山車が、秩父鉄道の踏切を通過する際に、架線が邪魔になるので、一時的に撤去されるのだ。
秩父夜祭の前から下準備を行い、夜祭前後までは直吊架線方式をこの部分は採る。通常時は、先の画像で示したシンプルカテナリー式で運用されている。
直吊架線方式となる(吊架線を設けず、トロリ線のみを直接吊したもの) |
この部分は、ほかにも仕掛けがあったのだが、前回の直直デッドセクション調査時。理由が判らなかったのであえて取り上げなかったのだ。
御花畑駅を挟んで両端に、西武秩父・影森方はセクションインシュレーター。秩父寄りはエアーセクションでき電区分。そしてこのき電区分された部分(トロリ線・き電線)は接地することができる。
つまり、トロリ線を加工する際(シンプルカテナリー⇔直接吊架)、撤去時 工事が安全に施工できるよう接地型断路器で当該区間を接地することが可能となる。
影森折り返し、秩父折り返しは、接地区間に影響なく運行できるよう工夫されていた。
それでは、見てみよう
西武秩父方・影森方
左 西武秩父への渡り線 直直デッドセクションが先にある 本線からの分岐 分岐線上にセクションインシュレーター 本線にセクションインシュレター 右の接地型断路器で手前方を接地できる 西武秩父方にき電線が延びているが、接地側のき電線と繋がる |
本線渡り線上のセクションインシュレーター |
接地断路器側の結線 右 架線柱の真ん中が接地可能なき電線 両端が、秩父変電所・武州中川変電所間のき電線 |
接地断路器の裏 き電線3本は、ジャンパ線で均圧化されているが、この架線柱から秩父寄りは真ん中のき電線は、接地可能となる |
薄暮の接地断路器 |
秩父方 手前御花畑方 との間でエアーセクション |
奥 秩父駅 先のセクションインシュレーターからこの部分は 架線が接地することができる |
上記の裏 奥御花畑駅 |
き電線3本のうち真ん中は、接地可能なき電線 両端は、秩父変電所・武州中川変電所間のき電線 |
両端は、秩父変電所・武州中川変電所間のき電線なので均圧化のためボンド |
秩父変電所 引き込みき電線部 奥 野上変電所方 3本のき電線 ジャンパ線で均圧化 手前 武州中川変電所方 両端がき電線 ジャンパ線で均圧化 真ん中 御花畑駅 西武秩父方・影森方にある接地断路器で接地可能となる。 なぜ、3本が均圧化されてないのが疑問であったが夜祭のイベントで氷解した |
秩父変電所 き電線 送出部 |
御花畑駅の西武秩父方・影森方がエアーセクションとならなかったのは、単にスペースが取れなかったため。
それでは、工夫を見てみよう
それでは、工夫を見てみよう
この部分左は、トロリ線でテンションを保っているため外してもテンションを保つ工夫 この接続部か右が恒久的な架線構成 |
トロリ線でテンションを保っているため外してもテンションを保つ工夫 別角度 |
トロリ線でテンションを保っているため外してもテンションを保つ工夫 |
架線柱は、踏切を挟んだ部分の支持力が失われても自立するよう強固に作られている。 この間に、補強用のケーブルは、入れられない |
トロリ線を保持する仮設ハンガ金具 |
架線 取り外し用 梯子 4箇所同時で行うのであろう |
トロリ線を部分的に外す冶具 右のトロリ線を外しても上の碍子で保持できる |
拡大 トロリ線をU字に曲げ重ね合わせる構造 両端のボルトに傷がないので、この部分は固定利用 真ん中の2本のボルトで取り外しを行う |
別 角度 |
下から見上げた冶具 |
別の冶具 |
なかなかの歴代の冶具のようだ 右のボルトには、抜け防止の割ピンが施工されている |
地下鉄などの剛体架線の場合 防水壁を閉鎖する場合は剛体架線ごと取り外すが、秩父鉄道の場合は、創意工夫でトロリ線ごと取り外す。
今夜は、超満員の観客の内 何人がこの工夫に気ずくであろうか?