磐越西線のき電系統は、かなり歪な き電系統で構成されている。
現状
灰色 :喜多方ー会津若松SS方送り 18.3㎞ 大体平坦群青色:会津若松SSー翁島き電区分所 22.9㎞ 会津若松に向かって下り勾配
薄黄色:翁島き電区分所ー上戸SS 12.7㎞ 大体 平坦
橙色 :上戸SSー郡山SS 24.5㎞ 猪苗代湖に向かって上り勾配
今回 喜多方ー会津若松間 非電化(電化取りやめ)の話題が出てきた。
福島民友新聞 みんゆうNet 記事 8/4
福島民友新聞 会津若松-喜多方間「非電力化」 磐越西線でJR東日本が計画
記事一部引用
JRは来年度から架線や電柱、配電線などを順次、撤去していく計画。JRは、非電力化によって自然災害で架線が切れて運休するのを防止できるほか、修繕費用などの削減につながるとする。
記事一部引用
JRは来年度から架線や電柱、配電線などを順次、撤去していく計画。JRは、非電力化によって自然災害で架線が切れて運休するのを防止できるほか、修繕費用などの削減につながるとする。
引用終わり
河北新報 記事 8/14
記事一部引用
JR東日本が、福島県の磐越西線喜多方-会津若松間(16・6キロ)の非電化を計画していることが分かった。
引用終わり
読売新聞オンライン 記事 8/24
記事一部引用
JR東日本仙台支社によると、計画では対象区間の架線などを撤去し、電車の代わりにエンジンで走行する気動車を走らせる。コロナ禍で利用客が落ち込む中、電力設備の管理費を抑えるほか、風雪などに伴う倒木で架線が切断され、列車の運行に支障が出ることも防ぐ。
引用終わり
喜多方ー会津若松間は、会津若松変電所がき電を行っている現状であるが非電化となると、交流電化区間の特徴とするスコット結線変圧器の変電所直下の異相き電区分(デッドセクション)で会津若松変電所は、変電所直下のデッドセクションから会津若松間1.6㎞をき電、異相区分で翁島き電区分所まで22.9㎞き電となる。
一般的に交流電化区間でスコット結線変圧器でき電する場合、異相区分であるM座、T座両方が均等に利用されないと、不平衡問題で、給電側の送電線に不平衡が生じる。不平衡度合いは法律で決まっており、交流式電気鉄道では電気設備技術基準第55条及び同基準解釈第260条に基づき、連続2時間の平均負荷で三相交流電圧不平衡率 が3%以下にするよう規定されている。
現状でも、喜多方ー会津若松間の交流電車本数が少なくなっており、会津若松変電所はこの不平衡率が維持できていない可能性がある。
喜多方ー会津若松間を非電化とする場合
1. 不等辺スコット結線変圧器を会津若松変電所に導入 翁島き電区分所ー会津若松変電所を片座き電対応 新しく不等辺スコット結線変圧器を導入しなければならない。
2. 会津若松変電所、翁島き電区分所を廃止、上戸変電所で会津若松方、郡山方を受け持ちき電を行う。この場合 上戸変電所ー会津若松間36.2㎞ 上戸変電所ー郡山変電所間24.5㎞を受け持つことになる。翁島き電区分所は、補助き電区分所への降格で残る可能性もある。
BT電化区間で30㎞のき電範囲は、異常に長いわけではない。
の2点が考えられる。
もともと、上戸変電所ー郡山変電所間は、通常ある き電区分所が無い状態で運用されている。
一番費用が掛からないのが上戸変電所1か所で会津若松ー郡山間をき電する方法であろう。
単線区間のダイヤを改正し、上戸変電所を頂点として上下線の列車運用を考え、片座で回生電力を運用する方法を採れば、上戸変電所の容量を増やさなくとも可能かもしれない。
但し、変電所異相区分間の電力有効利用を行うRPC方式を上戸変電所設備化は、対費用効果面から受け入れられないであろう。
郡山変電所
上戸変電所
翁島き電区分所
会津若松変電所