JR東日本 藤代変電所・我孫子変電所 定点観察
新デッドセクション標識の行方 不等辺スコット結線変圧器稼動
とうとう藤代変電所の不等辺スコット結線変圧器が稼動した。 これで過去に存在した単相変圧器 2台の並列接続による受電側の不平衡状態も解消されるはずだ。
牛久き電区分所のRPCも思う存分 機能を発揮できるはずである。長い道のりであった。
藤代変電所に不平衡補償装置を納入 日新電機 Webカタログ
藤代変電所への不等辺スコット結線変圧器の導入は、その導入初期から順に見てきた。
以下 本ブログで取り上げた順に引用する。
藤代変電所は、常磐線へのき電であり、三相の内二相を使用した単相変圧器が2台設備されている。過去 まだ牛久き電区分所に設置された区分き電区間の電力融通装置RPCが稼動していない時点では、2台設置された三相の内二相を使用した単相変圧器のうち1台を交互に使用していた。受電電源は変電所間の分岐であった。
その後、牛久き電区分所のRPCが稼動し始めると、土浦方からの電力の融通があり、藤代変電所からTEPCO送電線への逆送が発生し始めた。そのため需要家側の電圧の不平衡が経産省の基準の3%(2時間値)を超える可能性もあり、急場2台の単相変圧器を両方使用している。
常磐線は、他の幹線と比べてECによる輸送量が多く発生しており、回生電力の有効利用のための牛久RPCの設置であったが、輸送量の増大に伴い、三相から二相を取る現在の変圧方式では、三相間の電圧の不平衡が免れない状況になった。
そこで新幹線基地で使用されている不等辺スコット結線変圧器の導入となった。新幹線基地では、構内渡り線が多数あるため単相のき電が必須である。不等辺スコット結線変圧器の出力は、m,0,t相がありo相を挟んでコンデンサとリアクトルをt、m相間に入れることで、一次入力側の電圧不平衡をキャンセルできる方式である。
簡易的で電力の使用量が少ない場合は、コンデンサとリアクトルも省略できる。その他 単相き電を行う方法は、RPC自体を利用しT座M座間の電力融通を行い単相出力を得る方式(新幹線 新鳥飼補助き電区分所)があるが不等辺スコット結線変圧器のほうが費用は安い。
常磐線は、既に鳴り物入りで牛久にRPCを導入しており、藤代変電所に再度RPCを導入する根拠が薄い。
不等辺スコット結線変圧器の設置、変圧器の一次側への遮断器の設置、不平衡補償用リアクトルの設置、ケーブル引き回しのためのケーブルヘッドの架台の設置が既に済んでいる。残すところの未設置機器は、三相遮断器、コンデンサと放電用コイル、66kV側断路器等がある。一つ気がかりなことがある。それは、不等辺スコット結線変圧器の二次側がケーブルで引き回されていることである。今まで見た不等辺スコット結線変圧器の二次側は、断路器を経てリアクトルとコンデンサが直結されていた。
変圧器一次側には、断路器の架台ができており、き電側の架台及びケーブル敷設用のトラフ、ケーブルヘッド用架台が既に完成している。絶縁耐圧試験用の可変型補償リアクトルと高圧変圧器および制御盤が運び込まれている。年度内には、不等辺スコット結線変圧器の竣工がなされるであろう。
さて 完工した不等辺スコット結線変圧器の現状を見てみよう。 2018/6
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不等辺スコット結線変圧器 |
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出力端 T相は、き電線(P) O相、M相はコンデンサ、リアクトル群につながる M相は、負き電線(N)へ |
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不等辺スコット結線変圧器
別角度 |
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左 撤去されたFTr‐1 撤去前 |
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FTr-1の単相変圧器は、撤去 FTr-2は、予備機として残置 断路器は「開」 撤去後 |
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不等辺スコット結線変圧器に置き換わったFTr‐1 現在撤去済 |
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FTr-2 今まで稼動していた単相変圧器 予備機として運用
左 所内母線へ向かうシリコンポリマー製ケーブルヘッド |
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FTr-2 今まで稼動していた単相変圧器 右 二次側
ケーブルヘッドから所内母線へ |
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同上 一次側 |
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FTr-1が撤去されたので変成設備が良く見える。 |
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このケーブルヘッド(CH)で不等辺スコット結線変圧器とFTr-2単相変圧器の出力が合わさる |
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右 3つのケーブルヘッド 不等辺スコット結線変圧器からの出力、 断路器を挟んでシリコンポリマーのケーブルヘッドは、単相変圧器FTr-2からの出力 |
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所内き電母線 3母線が頭上に張られている。T、O、Mの母線
手前 N 不等辺スコット結線変圧器 M相(N)と単相変圧器FTr-2のNがまとまる
O相は、真ん中
奥 P 不等辺スコット結線変圧器T相とTFr-2のP相がまとまる |
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以下文献より転載
リアクトルとコンデンサがつながる部分が、O相
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別角度 |
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不等辺スコット結線変圧器 不平衡補正装置群 直列リアクトルSR
その奥 隠れてみえないが並列コンデンサPC
右 遮断器は、直列リアクトル・コンデンサに繋がる |
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左2つの断路器は、き電用断路器 土浦SS方 上下
不平衡補正装置のリアクトル・コンデンサ群の上を横切る
右 半分かくれているのはコンデンサ 次の小さな箱は、放電コイル
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牛久き電区分所(RPC)へ藤代SSの送り出し電流値を送るCT |
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左 Nに直列に入るコンデンサと保護装置 但し運用はされておらずスルー化
予備機の単相変圧器が投入される際に利用 |
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直列コンデンサ 端子間にジャンパ線が繋がる |
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別角度 手前 保護装置とは、未結線 |
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別角度 |
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直列コンデンサ 銘板 |
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左 2つ 計器用変圧器土浦方上下き電線用 |
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真ん中 上下タイき電用断路器、その後ろ 上下線用き電断路器
左 CTとVCB |
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交直デッドセクションは、変化無し 上り方 |
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交直デッドセクションは、変化無し 下り方 |
新デッドセクション 標識
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上り線側 交直デッドセクション 新標識の周辺は変化無し |
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下り線側 交直デッドセクション 新標識の周辺は変化無し |
我孫子変電所
微量PCB含有機器の総取替えが行われており、まだしばらくは完工には時間がかかる
過去の投稿記事
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SRTr-1、SR-1系は全て撤去。仮設ゴムかとう管のケーブルヘッド(赤)が見える
手前 遮断器 SR1系 |
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右下 断路器 |
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こちらの防音囲いで覆われたSTTr-2 変圧器も交換対象 |
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真ん中 バスダクトでつながるシリコン整流器、右 正極母線断路器 |
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たぶん6000kW級シリコン整流器 |
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直列リアクトル側も交換済み(微量PCB含有油浸機器) |
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SRTr-1系は、負極母線断路器として直列リアクトルにつながるがSRTr-2系は、仮設配線 |
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ブスバー |
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SR1系は、CTに帰線が挿入されているがSR2系は、まだ貫通口に挿入されていない |