2024年12月23日

1405. JR東日本 川崎発電所(リニューアル終了)

  川崎発電所の記事を書いてから既に10年経過 その間に新4号機、新1号機が運転稼働状態にある。現在 JR東日本の給電系統図を作成中だが川崎発電所は大きく変化しているので記事を書き起こした。

過去記事

218. JR東日本 川崎火力発電所 2014年Up

 旧1号機では、複合サイクル発電設備が取り入れられ二軸形のガスタービンと蒸気タービンを利用し複合サイクルピーク時143,000kW 発電容量 162,000kVA 154kV GIS設備で新鶴見の交流変電所の母線に直接接続するユニット形式が取られた。発電機は11.5kVの出力を昇圧して154kVで送出を行なっていた。起動時間は60分と短く起動・停止が多い川崎発電所の運用にマッチしている。現在運転停止  解体を待つ建屋がまだ残っている。2015年停止

  新2号機 1993年稼働 山手線11両化・武蔵野線8両化・新幹線16両化及び東京乗り入れ等 首都圏を中心とする輸送改善プロジェクトによる電力需要解消のため2号機の増強取替が計画された。新2号機は2号機を運転しながら建設する必要があり。新1号機で実績のある複合サイクルを取り入れることになり187,400kWの1軸形複合発電設備が採用され、新1号機と同様発電機容量 209,000kVA 154kV GIS設備で新鶴見の交流変電所の母線に直接接続するユニット形式が取られた。発電機は15kVの出力を昇圧して154kVで送出を行なっている。起動時間は短く起動・停止が多い川崎発電所の運用にマッチしている。1993年運転開始 現在運転中       
 
 新3号機 1999年稼働も同様に3号機の老朽化及び電力需要の上昇が見込まれるため新1,2号機と同様な複合サイクルを取り入れることになり198,400kWの1軸形複合発電設備が採用され、新1号機と同様新1号機と同様発電機容量220,500KVA 154kV GIS設備で新鶴見の交流変電所の母線に直接接続するユニット形式が取られた。発電機は11kVの出力を昇圧して154kVで送出を行なっている。起動時間は短く起動・停止が多い川崎発電所の運用にマッチしている。1999年運転開始  
現在運転中

新2号機と新3号機は平行して建てられており外見は一体化している。

新3号機の運転開始の伴い発電所からの電源はすべて154kVになったので架空送電線の川鶴1~3号は廃止となった。

新4号機も同様に計画され 2014年春には運転を開始。新4号機も発電所からの送出は154kVであり川鶴線4号(CVケーブル化1,000㎡)の敷設もすでに完了している。

 そして新1号が旧4号の跡を利用して建設されて2021年稼働をしている。

新4号機建設時の構内図
現在4号機の位置には新1号機が稼働しており、旧1号機は運転停止 解体待ち
2,3号はそのまま稼働中


現在のJR東日本 川崎発電所の外観 1,2号はほとんど同じ外観
2,3号は発電機を中心向かい合わせで煙突が上下に分離している。
旧1号は解体待ち Google Earthより切り出し

現在稼働中の発電機群

 4ユニットがGTCC(ガスタービン・コンパウンドサイクル発電)で海水冷却方式を採用。燃料となる天然ガス、都市ガスや最近流行りのアンモニア、水素も使用することができる。
発電機合計容量(単純に発電機出力を合計したもの)は92.95万kVAにもなる。
92.95万kVA=154kV×√3×604A 力率0.8として74万kWの発電能力となる。

 各発電機の出力は154kVに昇圧されてUnit毎に新鶴見交流発電所に送られている。
4号機だけ66kVの出力があるのはTEPCO稲荷変電所に振替供給を行なっているため。4号機が運転休止・点検時には1から3号機のタイ母線から154kV降圧66kVで振替供給を行なっている。
タイ供給設備 多分左側が発電機側の昇圧後の154kVで右側が66kV側となる
管型GISが4台ある。変圧器につながるのは3相一括母線
この変圧器も3次巻き線がついているようだ。多分所内電源用だろう。左上に管路3本がダクトに入る部分があるがこれが昇圧された154kVのケーブルCVTが収容されているものと思われる。Google Earthより切り出し

左側4号機の昇圧変圧器 発電機からのパイプ母線が引き出されてる電流が大きいので太い
この昇圧変圧器は3次巻線付きで66kVにも昇圧しているようだ。右に66kVの引出が見える
右は単純に13.2㎸を154kVに昇圧している。Google Earthより

2(左),3(右)号機の昇圧変圧器部分2号機は15㎸から、3号機は11kVから154kVに昇圧
 Google Earthより


4号機のタービンと発電機部分 左に3号機のタービンと発電機が見える。
1、4号が大体同じ外形なのは、もう一台1号の横に増やす予定があるためタービン建屋が同じ構造となっている。2、3号も稼働して2号は32年、3号は26年経過しているので1号の隣に新規に建設計画がされていてもおかしくはない。天井クレーンを延伸して使用する予定なので同じ構造を取っている。2,3号機をそのまま残して新5号機を建設する予定があるようだ。


参考資料(順不同)
鈴木 勉;東日本旅客鉄道株式会社 川崎発電所:火力原子力発電,Vol74,No.4,pp.215-220,2023

下園 徳男ら;川崎発電所新4号機棟新設:SED No.41,pp.88-95,2013

桐谷 龍介ら;川崎発電所新1号機棟新設:SED No.58,pp74-83,グラビアpp.7-8,2021

正月企画 JR、私鉄 自営送電線 その他送電線(鉄道系)系統図 富士川以北を主に経路をGoogle My Map(New)に記載

1409. 正月企画 JR、私鉄 自営送電線 その他送電線(鉄道系)系統図 富士川以北を主に経路をGoogle My Map(New)に記載

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