川崎火力発電所
アプローチ:扇町駅 容易正門まで 4号機が完工している。
給電:新鶴見交流変電所 地中 154kV 4回線 東電 稲荷変電所 地中66kV 2回線振替送電用
受電:東電稲荷変電所66kV 154kV回線事故時 所内電源確保
新鶴見変電所向け154kV地中4回線川鶴線 鶴見線の上を門形鉄塔で川発線66kV3回線を新鶴見交流変電所に送電していたが送電線が1999年地中ケーブル154kV 3回線OFAに変更になり廃止された。しかし架空送電線はそのまま残っている。4号発電機更新のためさらに1回線CVケーブルで154kVを新鶴見交流変電所に送っている。また将来の発電能力が増加した場合に備えた予備管が1本新鶴見まで延びている。
川発線は66kV送電時の呼称1999年廃止。川鶴線は154kV送電線の呼称
真中 建物 発電所 特高建屋があったが取り壊された。 右上 新1号機154kV⇔東電稲荷変電所間66kV降圧 タイ変電所GIS対応 1999年 14万kVAタイ変圧器設備
沿革
1930年8月1号石炭火力運転開始。千手水力発電所運転後は、千手発電所の渇水期またはラッシュ時の電力不足を補う役目であった。
1945年の空爆により全施設損傷機能停止。
戦後1947年1~6号のボイラー復旧し営業運転開始。
1949年大半の設備が復旧、千手発電所の補助的な役目で運用されていた。
1951年主発電機3台を蒸気タービンから切り離し調相機として無効電力の補償を行なうことで発電機運転と調相機運転を組み合わせて需要に対応できる体制が組まれた。旧設備は1965年にその使命を終え、新設備での置き換え運用が行なわれている。
新1号機では、複合サイクル発電設備が取り入れられ二軸形のガスタービンと蒸気タービンを利用し複合サイクルピーク時143,000kW 発電容量 162,000kVA 154kV GIS設備で新鶴見の交流変電所の母線に直接接続するユニット形式が取られた。発電機は11.5kVの出力を昇圧して154kVで送出を行なっている。起動時間は60分と短く起動・停止が多い川崎発電所の運用にマッチしている。
新2号機 山手線11両化・武蔵野線8両化・新幹線16両化及び東京乗り入れ等 首都圏を中心とする輸送改善プロジェクトによる電力需要解消のため2号機の増強取替が計画された。新2号機は2号機を運転しながら建設する必要があり。新1号機で実績のある複合サイクルを取り入れることになり187,400kWの1軸形複合発電設備が採用され、新1号機と同様発電機容量 209,000kVA 154kV GIS設備で新鶴見の交流変電所の母線に直接接続するユニット形式が取られた。発電機は15kVの出力を昇圧して154kVで送出を行なっている。起動時間は短く起動・停止が多い川崎発電所の運用にマッチしている。1993年運転開始
新3号機も同様に3号機の老朽化及び電力需要の上昇が見込まれるため新1,2号機と同様な複合サイクルを取り入れることになり198,400kWの1軸形複合発電設備が採用され、新1号機と同様新1号機と同様発電機容量220,500KVA 154kV GIS設備で新鶴見の交流変電所の母線に直接接続するユニット形式が取られた。発電機は11kVの出力を昇圧して154kVで送出を行なっている。起動時間は短く起動・停止が多い川崎発電所の運用にマッチしている。1999年運転開始
新3号機の運転開始の伴い発電所からの電源はすべて154kVになったので架空送電線の川鶴1~3号は廃止となった。
新4号機も同様に計画され 2014年春には運転を開始しているはずであるがJR東日本からのニュースリリースはまだ無い。新4号機も発電所からの送出は154kVであり川鶴線4号(CVケーブル化1,000㎡)の敷設もすでに完了している。
現4号機は汽力式で旧型である。発電機容量139,000kVA発電機は13.2kVの出力を昇圧して66kVで送出を行なっている。この発電機は東電稲荷変電所と繋がっており、東電への振替送電を行なっている。4号機の定期点検時には、稲荷変電所への供給を行なわなくてはならないため新1号機から分岐して154kVから降圧して66kVで供給する140,000kVAのGIS設備が1999年設置されている。
JR東日本は特定電気事業者の届出を行なっており特定の供給地点における電力小売事業(一般需要家を除く)を実施することができる。この事業者は、他の事業者の供給能力に依存することなく自ら保有する電気工作物の供給能力により供給点の需要に応じることが可能であることが要件の一つとなっている。
非常に判りづらいのだが特定規模電気事業というものがあり、こちらは上記とは異なり、既存電力会社の送電線を利用して電力の供給を行なうことと、自らの供給能力を求めない点が要件になっており、他の自家発電事業者からの余剰電力を集めて事業を行なうことができる。
JR東日本の場合信濃川水力に千手、小千谷、新小千谷の3箇所と川崎に火力があり合計出力は110万4000kWの供給能力がある。このうち夜間は川崎火力の運転を止めている。
JR東日本は、特定電気事業者の届出をだしており、既に特定の施設に対して電力を供給ている。駅ナカや、JR東急目黒ビル、東京八重洲口サピア、サウス、ノースの各タワー等に電力を供給している。
車両の省エネも進んでおりほとんどの車両がインバーターを利用したものであり回生エネルギーの利用もできている。但し供給点と需要点の場所が離れている場合もあり、この場合東電からの購入をしなければならないが、その分を振替供給することで相殺できる立場にある。
首都圏において都心部はすべてJR送電線路が張り巡らされており、今後も特定の商業施設に供給していくことは可能である。現にサピア、サウス、ノースの各タワーの入居案内には、高品質で環境にやさしい電源をJR発電所から導入していると書かれており、電力事業への算入も十分可能な状況である。
JR東日本の日負荷は、朝のラッシュに合わせて急激に上昇朝8時~8時半にピークを迎える。その後昼間帯は負荷が減少し夕方のラッシュに合わせて再度上昇する。
電鉄の負荷の特性上、夜間は大きな負荷がない。このため火力発電所は基本的に毎日起動・停止を行なっている。
水力発電所は、調整池を使用しながら信濃川から取水した水は、その日のうちにすべて使用し、かつ火力が一定な出力で効率よく経済的に運転できるような発電パターンで運転している。
JR東日本の火力発電所で採用している複合サイクル発電設備は、省スペース、高出力であるとともに系統への併入までに1時間弱、その後30分弱でフル出力でき、短時間に高出力が得られるため電鉄負荷に適している。
自営電力の年負荷は、平成3年をピークに頭打ちになり平成11年度からは減少傾向に転じている。これは主として省エネ車両の導入が寄与している。
自営電力を所有するメリットとして
①インフラが整備されているので購入電力より安価である
②常時2電源を導入することができ、保安度の高い設備にできる
③自前の指令により系統監視しているので、復旧は電力会社まかせでなく、自主的に早期に行なえることである。
一般に火力発電等(発生蒸気を利用)は起動・停止を頻繁に繰り返すことは、タービン等に熱負荷の応力が掛かることで設備に悪影響を及ぼすといわれているが、JR東日本の火力発電のコンバインドサイクルは頻繁に起動・停止を行なっており、悪影響があるとは考えにくい。これは、設備の大きさが20万kW級なためであろうか。東電等は、100万kW級の火力発電所を多数持つが、大艦巨砲主義で小回りが利かなくなっているのではと考える。
非常に判りづらいのだが特定規模電気事業というものがあり、こちらは上記とは異なり、既存電力会社の送電線を利用して電力の供給を行なうことと、自らの供給能力を求めない点が要件になっており、他の自家発電事業者からの余剰電力を集めて事業を行なうことができる。
JR東日本の場合信濃川水力に千手、小千谷、新小千谷の3箇所と川崎に火力があり合計出力は110万4000kWの供給能力がある。このうち夜間は川崎火力の運転を止めている。
JR東日本は、特定電気事業者の届出をだしており、既に特定の施設に対して電力を供給ている。駅ナカや、JR東急目黒ビル、東京八重洲口サピア、サウス、ノースの各タワー等に電力を供給している。
車両の省エネも進んでおりほとんどの車両がインバーターを利用したものであり回生エネルギーの利用もできている。但し供給点と需要点の場所が離れている場合もあり、この場合東電からの購入をしなければならないが、その分を振替供給することで相殺できる立場にある。
首都圏において都心部はすべてJR送電線路が張り巡らされており、今後も特定の商業施設に供給していくことは可能である。現にサピア、サウス、ノースの各タワーの入居案内には、高品質で環境にやさしい電源をJR発電所から導入していると書かれており、電力事業への算入も十分可能な状況である。
JR東日本の日負荷は、朝のラッシュに合わせて急激に上昇朝8時~8時半にピークを迎える。その後昼間帯は負荷が減少し夕方のラッシュに合わせて再度上昇する。
電鉄の負荷の特性上、夜間は大きな負荷がない。このため火力発電所は基本的に毎日起動・停止を行なっている。
水力発電所は、調整池を使用しながら信濃川から取水した水は、その日のうちにすべて使用し、かつ火力が一定な出力で効率よく経済的に運転できるような発電パターンで運転している。
JR東日本の火力発電所で採用している複合サイクル発電設備は、省スペース、高出力であるとともに系統への併入までに1時間弱、その後30分弱でフル出力でき、短時間に高出力が得られるため電鉄負荷に適している。
自営電力の年負荷は、平成3年をピークに頭打ちになり平成11年度からは減少傾向に転じている。これは主として省エネ車両の導入が寄与している。
自営電力を所有するメリットとして
①インフラが整備されているので購入電力より安価である
②常時2電源を導入することができ、保安度の高い設備にできる
③自前の指令により系統監視しているので、復旧は電力会社まかせでなく、自主的に早期に行なえることである。
一般に火力発電等(発生蒸気を利用)は起動・停止を頻繁に繰り返すことは、タービン等に熱負荷の応力が掛かることで設備に悪影響を及ぼすといわれているが、JR東日本の火力発電のコンバインドサイクルは頻繁に起動・停止を行なっており、悪影響があるとは考えにくい。これは、設備の大きさが20万kW級なためであろうか。東電等は、100万kW級の火力発電所を多数持つが、大艦巨砲主義で小回りが利かなくなっているのではと考える。
新4号機は、完工しているはずであるが、ニュースリリースがない |
扇町駅のかつて新鶴見変電所に送電していた川発線1~3号 66kV 3回線門型鉄塔 1999年11月廃止 |
新しく敷設された154kV 川鶴線4号 |
扇町駅のかつて新鶴見変電所に送電していた川発線1~3号 66kV 3回線門型鉄塔 1999年11月廃止 終端鉄構を望む |
扇町駅のかつて新鶴見変電所に送電していた川発線1~3号 66kV 3回線門型鉄塔 1999年11月廃止 扇町駅 踏切 |
扇町駅のかつて新鶴見変電所に送電していた川発線1~3号 66kV 3回線門型鉄塔 1999年11月廃止 終端鉄構 碍子で送電線は繋がっているが 接地されている。 |
扇町駅 JR特電の埋設標 |
扇町駅のJR人孔 154kV 4回線は地中ケーブル化されている。 |
扇町駅のかつて新鶴見変電所に送電していた川発線1~3号 66kV 3回線門型鉄塔 1999年11月廃止 |
駐車場前の66kV 川稲線 埋設標 |
昭和駅ホーム 埋設標 |
昭和駅 川鶴線1~3号 敷設 トラフ |
昭和駅 国道側 154kV 川鶴線 4号 |
昭和駅踏切から遠望する川鶴線1号~4号 太いパイプ状の送電線保護管 |
パイプ状のものは川鶴線4号CⅤケーブル ダクトは電流差動式光PCM保護ケーブル敷設 下の黒いパイプ状のものが川鶴線1~3号 |
パイプ状のものは川鶴線4号CVケーブル ダクトは電流差動式光PCM保護ケーブル敷設 下の黒いパイプ状のものが川鶴線1~3号 |
昭和駅駅舎 昭和2年 建設 |
昭和電工の工場があるため化学薬品満載のトラックがひっきりなしに踏切を渡る 昭和駅 |
昭和電工の工場があるため化学薬品満載のトラックがひっきりなしに踏切を渡る 昭和駅 |
浜川崎駅構内 川鶴線 OFAケーブル |
川鶴線 1~3号 OFAケーブル 収納トラフ |
川崎新町駅にある154kV OFAケーブル 圧力油槽
川崎新町駅 川鶴線 154kV OFAケーブル 圧力油槽 次の油槽は、新鶴見交流変電所内 |
川発線 66kV 廃止線 ついに1本 |
川発線 66kV 廃止線 ついに1本 |
川発線 66kV 廃止線 ついに1本 |
川鶴線4号CVケーブルと予備管 日除けが付いている。 |
川発線 66kV 廃止線 ついに1本 終端鉄構 八丁畷駅付近 |
川鶴線1から4号引き下げ部 飛鳥ドライビングカレッジ付近 |
南武線高架からのトラフによる川鶴線1~4号 引き下げ部 飛鳥ドライビングカレッジ裏手の箱型のダクトが該当
東海道線を潜る 川鶴線1~4号 |
ヨコハマオールパークスザハート 付近 |
新鶴見放流変電所に向う川鶴線1から4号 |
新鶴見放流変電所に向う川鶴線1から4号 |
新鶴見放流変電所に向う川鶴線1から4号 線路脇の児童公園 |
新鶴見放流変電所に向う川鶴線1から4号 |
新鶴見放流変電所に向う川鶴線1から4号 横須賀線沿い 国道1号から |
新鶴見交流変電所に到着 |
参考文献(順不同)
遠藤光政ら:JR東日本 川崎発電所 コンバインドプラントの概要と運転実績(新1号機と新2号機の引用) 火力原子力発電;1993,Vol.44,No.8,pp.16-27
遠藤正晴:国鉄川崎発電所における複合サイクル発電設備の概要と運転実績(新1号機の引用) 火力原子力発電;1982,Vol.33,No.6,pp.67-79
浅羽義勝:国鉄川崎火力発電所の増設について (旧3号機の引用) 火力発電;1958,Vol.9,No.5,pp.21-30
高井利之:東日本旅客鉄道㈱ 川崎発電所 発電所紹介(全般) 火力原子力発電;1992,Vol.43,No.12,pp.59-64
齋藤功ら:川崎発電所3号機増強について(新3号機の引用・架空送電線3回線撤去) 鉄道と電気技術;1997,Vol.8,No.1,pp.59-65
戸塚裕治ら:1. JR東日本川崎発電所 複合発電プラント(新1号機と新2号機の引用) 火力原子力発電;1995,Vol.46,No.10,pp.113-121
石村一義:国鉄川崎火力発電所75,000kW設備について(旧発電所での引用) 電気鉄道;1960,Vol.14,No.3,pp.2-5
御園生芳之:国鉄川崎火力発電所(旧発電所での引用) 電気鉄道;1978,Vol.32,No.8,pp.28-31
下園徳男ら:川崎火力発電所新4号機棟新設(新4号機) SED;2013,Vol.41,No.5,pp.88-95
栗山秀春:JR東日本の自営電力と電力の小売自由化
鉄道と電気技術;2008,Vol.13,No.8,pp.28-31
大口健志:東日本旅客鉄道株式会社の自営電力の概要
生産と電気;2013,No.11,pp.12-15
福島裕彦:電気鉄道自営電力設備と運転実績
電気設備学会誌;2005,Vol25,No.4,pp.15-18