交直デッドセクション部
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通常
デッドセクション部は、惰行で通過するので速度低下の恐れがない平坦部に設けられる 約11‰は、国土地理院の地図上での計算値 文献値では12‰で青函トンネルの勾配と同じ |
上り線の交→直のデッドセクション部(約20m)は、下り勾配になるので惰行で通過することに問題は無い。
下り線の直→交のデッドセクション部は、上り勾配になるのである程度の電車・電気機関車の速度が求められ約60mのデッドセクションを惰行で通過しなければならない。また惰行中の停止は避けなければならない。そして加速中の電車・電気機関車がデッドセクション手前で何らかの事象で停止した場合。停車位置から再加速して通過できるように特殊な仕組みが必要となっておりそのため、下りデッドセクション部は2ヶ所の交直切替断路器がある。
この北陸本線での直→交のデッドセクション部60mは、以前は45mだったが昭和44年10月の全線電化の際に糸魚川ー梶屋敷間の直→交のデッドセクションで新しく電車・電気機関車速度を考慮に入れて設定されている。
この交直セクションについては、先人の優れた記事があるので紹介したい。以下参照
1. 鶴 通孝;交流電化発祥の地の50年 副題1957.10.1 北陸本線 田村‐敦賀間を中心に:鉄道ジャーナルVol41.No.11,pp.28-41,2006 鉄道ライターがJR西日本の協力を得て書いたもの
この記事の中に敦賀の交直セクション 特に直→交の勾配区間でのデッドセクションの運用について詳しく述べられている。要約すると次のようになる。
- 現在のデッドセクションは、駅から1㎞ほど進んだ地点から北陸トンネル間に複雑なシステムが設けられている
- 本来のデッドセクションはトンネル直前49.6㎞地点(これは間違い実際は49㎞)にある(注:これは交→直デッドセクション位置に相当する)がその手前にも別のセクションがある(注:これは直→交デッドセクションのことを述べている)
- 北陸本線を敦賀駅構内まで直流電化すると、デッドセクションは今庄方に置かなければならない
- 敦賀駅の構外から外れ1.8㎞先で北陸トンネルに入る。そのため山越で12‰の上り勾配となり、さらに3ヶ所の踏切がある
- 敦賀駅の出口は分岐が複雑で、駅寄りの区間は十分に加速できない。しかしデッドセクションは、惰行で通過しなければならない
- 北陸トンネルまで十分な助走距離を伸ばして惰行通過したいが踏切3ヶ所で自動車立ち往生で緊急停止の事態も考えられる
これら1~6の問題点を解消するため全国でここだけの二重方式を取り入れた。要約すると次のようになる。
- 正規セクションの手前に、約850m(実際は約960m)の距離を置いて直流同士ながらき電を分けるエアーセクションを設ける
- そのエアーセクションのトンネル方をサブの‘‘中セクション,,とする
- 直流区間から交流区間に向けて加速していた列車がデッドセクションを前にアクシデントで止められてしまった場合を想定し中セクションの加圧を交流に切り替える
- 中セクションが交流加圧になったら交流で起動してそのままノッチ入りで従来の交流区間に突っ込んでいく
注1.約850mとあるが実測は約960mある。
図にすると以下のようになる
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同じ図をどこかのWebで見たような気がする |
直→交デッドセクションの長さは、1969年以降60mが標準になっている。この敦賀のデッドセクションは、60mの長さであるために運転阻害時中セクションを交流に切り替えても60mの無電区間があっは、そこで停止してしまう恐れがある。そのため60mのデッドセクションの無加圧架線部分を加圧する断路器が備えられている。
60mの通常のデッドセクションの手前直流アークを引く方は20mで、その次が32mの無加圧架線部分。最後に通常の交交セクション8mとなっている。8,20m部分はFRP製となる。
中セクションの駅側は、直流と交流の境のエアーセクションとなる。エアーセクションは150m間に3つ連続してあり、通常時は直流が流れている。中セクション850mの区間を交流加圧する場合は、敦賀変電所の遮断器を操作して無加圧としている。
中セクション交流加圧の際は、複雑な操作が必要となるため、最初の交直断路器の部分の架線柱にVのアルファベットが表示され最後はA(デッドセクション部)のアルファベットが表示されている。
敦賀駅から電車ならR、電気機関車ならVまでの間で停まったときは、直流で加圧のままでデッドセクションを通過させる。しかしVやRを通過してしまった場合。加速距離の不足が懸念されので中セクションを交流に切り替えて、一気に乗り越えていく
デッドセクションに接近しすぎた場合は、一端退行して十分な加速距離を保つ。
これらの操作のため運転阻害が起こった場合は指令に連絡を入れ、アルファベットの文字の連絡でそのまま行くか、交流に切り替えるか、退行するかの判断を指令に入れる。指令は動力車の種類や編成重量により異なるパターンのマニュアルが作成されており運輸指令が判断する。
以上が下り線のデッドセクション部の場合
上り線の場合は下り勾配なので、惰行運転で通過できるが、ここは北陸トンネルがあるためトンネルを出たとたんにデッドセクションがあるとトンネル内は単調なため失念の恐れもある。そのため黄色の2つのランプを交互に点滅させる装置があり、かつ下りセクションより約500m先に交→直デッドセクションがある。
注:かつ下りセクションから約630m地点に交→直デッドセクション
要約終わり
2.迫田康義;北陸本線 長浜-敦賀間 湖西線 永原ー近江塩津間 直流化工事の概要:鉄道ファンVol.46,No.12,pp.81-84,2006
迫田康義;JR西日本 北陸線・湖西線(長浜・永原ー敦賀間)直流化工事の概要:鉄道ピクトリアルVol.56,No.12,pp.68-71,2006
筆者がJR西日本 大阪工事事務所 直流化電化工事所の現業の方
この2つの記事は同じ著者によって書かれた紹介記事であるが、二重掲載の部分が多い。鉄道ピクトリアルの方にトルネード電線の詳細がある。鉄道ファンはカラー記事で情報量も多い。
1.の記事より交直部分が簡単に書かれている。
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鉄道ファンの図 き電線が書かれてない
勾配は実際の勾配ではない。10cm進むと1.2ミリメートル上昇する。この図の勾配は約350‰ |
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鉄道ピクトリアルの図 き電線が書かれてない こちらは、踏切、トンネルまでの距離が示してある |
全ての引用終わり
「変電き電通信のもろもろ」を立ち上げている私としては、この2つの記事以外の何かをこの交直デッドセクションに見つけなければならないと感じて、調査を行なった。これから書く内容はこの2つの記事に書かれていることと重複する部分もあるが書かれていない部分もある。
通常複線の交直デッドセクション部は同じ箇所にあるが、ここではそれぞれ離れた場所にある。このため特殊な条件となり対応策がとられている。この件は両記事には書かれていない。
交直デッドセクションの構成
下り線 通常時の構成(上り線の構成は変化しない)
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断路器の形を実際に合わせ 線路側から見立てた構成 中セクションの直流帰線電流を断路器を経由して変電所、直流インピーダンスボンドに流す 断路器は2台使用し大電流対応(実際はPWM制御なので疑似交流が流れている) |
下り線 運転支障時の構成 中セクション交流加圧(上り線の構成は変化しない)
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断路器の形を実際に合わせ 線路側から見立てた構成 中セクションの交流帰線電流を断路器を経由して変電所側NFに戻す。 交流なのでNFの断路器は1台 |
この運転支障時の構成で3段エアーセクションの中間部が無加圧となる。鉄道ジャーナルVol41.No.11,pp.28-41,2006の記事では変電所側で直流を遮断している旨の記載があるが直流高速度遮断器をその都度「切」にすることは無いと推測する。
白 中セクション架線 緑 交直デッドセクション部 全長60m 黄緑 左側20mFRP製セクション 右側8mFRP製セクション 左と右の間は、中セクション交流加圧時に同様に交流加圧される 定位 直流の場合は無加圧区間となる。 NF電流吸上げのインピーダンスボンドは左セクションの駅側の下に位置している |
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213き電線が架線に繋がる。湯尾き電区分所方 次変電所 武生変電所 |
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北陸トンネル方 8mの交直セクションの最終セクション |
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中セクション交流加圧時 交直デッドセクションの無加圧部を加圧する断路器とNF側断路器 現在 定位 中セクション 直流加圧 交直デッドセクション中間部 無加圧 右断路器が中セクション交流加圧の際に投入され213き電線で加圧される |
別角度 右に帰線が伸びている |
断路器駆動部の名称が57Rと57-1Rなので連動して動くものと思われる |
操作盤 |
DSはDisconecting Swichの略 余座踏切脇の交直断路器と連動して動く |
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逆方向から最終交直デッドセクションの8m部 2m×4本のFRP製セクション |
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交直デッドセクションの無加圧部分32m 奥に8mのセクションがある 中セクション 交流加圧時この無加圧部分も交流加圧される |
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交直デッドセクション(直→交)部 最初の20mのセクション 2m×10本のFRP製セクション 架線柱 表示はAで架線死区間標識(電照式)が設置されている |
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交直デッドセクション(直→交)部 最初の20mのセクションを抜ける521系電車 |
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中セクション交流加圧時 交直デッドセクションの無加圧部を加圧する断路器とNF側断路器 現在 定位 中セクション 直流加圧 |
BT電化区間なのでNF側をインピーダンスボンドに繋げる断路器が左の断路器となる。右の断路器は中セクション交流加圧時
交直デッドセクションの無加圧部を213き電線で加圧する断路器となる。
NF側断路器からのケーブルが架空配線で駅方に向かう |
架線柱標識Aの手前の架線柱まで帰線ケーブル(NF側)が伸びる 右奥に下り線側の北陸トンネルを抜けて交直デッドセクションに入る前の注意喚起点滅灯(黄色点滅)がある |
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奥の断路器群から帰線(NF)がケーブルで伸びてダクトに収容される |
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ダクトの先に帰線集約部のハンドホール |
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インピーダンスボンド 駅側 中セクション交流加圧の場合 中性線からNFを吸い上げる |
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インピーダンスボンド中性点にハンドホールからの帰線が繋がっている 中セクション交流加圧時 NF側断路器を投入すると、ここから帰線電流を吸い上げてNFに戻す |
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線条絶縁箇所 但し 両絶縁箇所の線条絶縁区間にも帰線のレールボンドが見られる この理由は不明 右下 交流側インピーダンスボンド |
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交流側のインピーダンスボンド 中性点にはなにも繋がってない |
中セクション部の架線はハイパー架線となっているので、交直デッドセクション部の架線がどうなっているか楽しみだったが、普通の架線に置き換わって交直デッドセクションに入っていた。
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ハイパー架線からシンプルカテナリー架線になる部分のき電分岐装置 |
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架線柱に付けられ標識 交直デッドセクションがAで駅側最終がVと表示 ここはDとE Dに「貨」と惰行標識(ノッチOFF)Eに交直セクション、「貨」と「切換」表示 この部分は、ハイパー架線 |
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架線柱に付けられ標識 交直デッドセクションがAで駅側最終がVと表示 ここはEとF Eに交直セクション、「貨」と「切換」表示、Fに惰行標識と「切換」表示 この部分は、ハイパー架線 |
架線柱に付けられ標識 交直デッドセクションがAで駅側最終がVと表示 ここはE,FとG Fに惰行標識と「切換」表示、Gに「交直セクション」表示 この部分は、ハイパー架線 |
Gに注意喚起用の黄色信号2つが点滅している |
Gに、注意喚起用の黄色信号が点滅中 |
途中にある213き電線を電源とする線条変圧器(ST)と避雷器(アレスタ) 上り線側 |
ST=Stripe Transformer=線条変圧器 |
大蔵踏切から遠望した架線柱Hから北陸トンネル方F,G,H 12‰の勾配 左に線条変圧器の架台が見える 定位 下り線直流加圧(ハイパー架線) 上り線交流加圧 |
大蔵踏切から遠望した架線柱Mから駅方架線柱N,O,P 12‰の勾配 定位 下り線直流加圧(ハイパー架線) 上り線交流加圧 |
上り線 直流加圧 下り線 定位直流加圧 架線柱S 左214き電線 右213基延線 NF両端に配置 |
上り線 直流加圧 下り線 定位直流加圧 架線柱T,U 左214き電線 右213基延線 NF両端に配置 |
中セクション部だけハイパー架線(き電吊架線)にした理由は、定位
直流の場合250m置きに、き電分岐装置を付けなくてはならない。
そのためハイパー架線なら簡単にき電分岐装置が付く。しかしトルネード電線を敷設すると、250m置きにトルネード電線からき電線分岐装置を引き出さなくてはならず、上部に交流20kVの213き電線とNFが敷設してあるのでメンテナンス面でハイパー架線を選択したと推測する。
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下り線側交直デッドセクション(交→直)部 交流側 214き電線が架線に繋がる 右方面 湯尾き電区分所方 次変電所 武生変電所 奥に定位直流加圧のハイパー架線 |
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デッドセクション直下にある 直流側インピーダンスボンド 中性点には、なにも繋がっていない |
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デッドセクション直下にある 交流側インピーダンスボンド 中性点には、なにも繋がっていない |
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線条に絶縁区間 左と右に線条に絶縁部
特段の仕掛けはない通常の交直デッドセクション部の線条部分の仕掛け |
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下り線側交直デッドセクション(交→直)部 |
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下り線側交直デッドセクション(交→直)部 2m×10本のFRP製セクション 架線死区間標識(電照式) |
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ここから下り線はハイパー架線となる 上部に214き電線 理由は前述の通り |
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デッドセクション部シンプルカテナリーからハイパー架線へ |
対向面からの下り線側交直デッドセクション(交→直)部 2m×10本のFRP製セクション 49キロポストの標識が微かに見える 青紫色表示灯が進行方向とは逆についている。これと同じものが下り線側にもついている 検索すると入換信号機識別標識となるが退行運転の際に使われるものなのか不明 |
下り線側 交直切替断路器群部分
Vの架線柱奥には、北陸トンネル交直デッドセクション部の断路器と連動した断路器がある
最終の「V」架線柱 ここからハイパー架線・中セクション部は終りシンプルカテナリー架線(駅方)となる 上部には213き電線とNFが通過している。断路器は右奥に位置する この奥のエアーセクションでハイパーとシンプルカテナリーが平行になる この架線柱からハイパー架線でき電・中セクション部(直流時13H、交流時213) |
この断路器群の架線柱ではシンプルカテナリーからき電13H 北陸トンネル方 最後のエアーセクションの開始 定位直流時の太いき電線がハイパー架線に繋がる 213き電線は下り線側に移行。NFはそのまま駅方に直進 |
断路器側からみた交直切替断路器群 現在定位 直流加圧 断路器駆動部の名称が55Rと53Rなのだが連動して動くものと思われる |
定位直流の場合、中セクションに進行した電気車は直流が供給されPMN制御で誘導電動機を動かし線条に帰線電流(疑似交流)が流れる。これを直流変電所側に返すため、ここにもインピーダンスボンドに挟まれた線条の絶縁区間があり、インピーダンスボンド間を断路器2台(直流大電流のため)で導通させている。
中セクション 交流加圧の場合
中セクション交流加圧場合 このインピーダンスボンド間は断路器が開放され、中セクション下の線条はNF側に繋がり帰線電流を交流変電所に戻す。
余座踏切方の線条絶縁部 右に駅方インピーダンスボンドが見える 定位 中セクション直流加圧の場合この絶縁線条 両端のインピーダンスボンド中性点を断路器で導通させて中セクション 運行中の電気車の帰線電流を直流変電所方に戻している。 交流加圧の場合 中セクション下の線条の帰線電流を断路器を経由してNF側にもどしている |
架線柱五径間の間に2本のトロリ線を使い3段のエアーセクションが設けられている。見ただけで保守が大変
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模式図ではこの部分 |
この部分の奥に2段のエアーセクションが構成されている 駅側 余座踏切から撮影 |
この部分に1段のエアーセクションが構成されている トンネル方 余座踏切から撮影 |
駅から余座踏切の間の短い距離で通常の方法で3段のエアーセクションを構成できなかったため2本のトロリ線を上下させて3段のエアーセクションが構成されている。
エアーセクションの始まり 架線が引き止められている 奥 下り線11Hき電 |
左から引き止まれていた架線が割り込む 架線は11Hき電 |
1段目 駅側 エアーセクション部 11Hと13Hのエアーセクション |
13Hからき電分岐装置でトロリ線にき電 |
2段目のエアーセクション 13Hと13H断路器経由のエアーセクション (中セクション交流加圧の時 断路器開放で無加圧となる部分) |
3段目エアーセクションの開始点 交直断路器がある部分の架線柱 |
3段目エアーセクション 中セクション部(定位直流加圧・支障発生時交流加圧)と13H断路器の部分 |
引き留められていた開始点の架線がハイパー架線となる 駅側からの11Hき電だった架線が架線柱Uに引き留められる |
3段のエアーセクションのき電線接続状況
エアーセクション開始の架線引留め部 画面中央右テンションバランサーが付いている 11Hき電線がここで引留められて架線分岐装置でトロリ線に最終き電を行なう |
13Hき電線から2段目エアーセクションに13Hをき電線分岐装置でき電 |
断路器を経由した13Hがき電線分岐装置でトロリ線に供給(右からでてトロリ線へ) 2段目エアーセクション 交流加圧時は無加圧となる 下り線側は直流加圧のため13Hき電線が変電所(奥)から交直断路器まで伸びている 213き電線は、上り線方に移動したため上り線はハイパー架線で対応 理由は前述 |
3段目エアーセクション 中セクション(ハイパー架線)に定位直流13H、交流加圧時213をき電 |
変電所からのNFが上下線の両端に配分される 上り線はハイパー架線14Hき電となる。上り線側に213,214き電線が移動 |
直流変電所への帰線の処理
上下線とも帰線接続部に位置は大体同じ位置
直流変電所から400mほど余座踏切方寄った位置にある。
通常のインピーダンスボンドの中性点に帰線は繋がっているが線条の交流加圧する部分と、直流加圧する部分の位置が、それぞれズレているので交流加圧部分のNFに戻る帰線電流から発生する直流側線条の交流誘導電流をカットする装置=ストッパに類する物が交流接続側に設置されている。
鉄道信号ハンドブックから引用
ストッパ役割 以下引用
鉄道信号ハンドブックから引用
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インピーダンスボンド様の形をしている |
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インピーダンスボンド中性点にセットする |
ストッパ役割 以下引用
直流電化区間に近接する交流電化区間や送電線からの誘導電流、または直接流入する電流が、商用周波数
(50/60Hz) の軌道回路に悪影響を及ぼさないように、ストッパ (誘導電流軽減装置)
を軌道回路のインピーダンスボンドの中性線間に挿入します。これは、交流電化区間や送電線からの誘導電流や漏洩電流が、軌道回路の信号伝送を妨げ、誤動作を引き起こす可能性があるためです。ストッパは、これらの電流をバイパスさせ、軌道回路への影響を低減する役割を担います。引用終わり
以下初めて見たストッパ 富山地方鉄道本線
Google Gemini 2.5に質問した内容と回答
以下初めて見たストッパ 富山地方鉄道本線
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結構各地を回ったがストッパを見たのは初めて 富山地鉄直流区間 以前は交流 北陸本線と並走していた部分 |
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表示名はストッパー 1000A インピーダンス4Ω インピーダンス位相±50%の文字 |
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奥 左のインピーダンスボンドと繋がっているようだ |
Google Gemini 2.5に質問した内容と回答
線条が2本平行に並んでいます。片方は直流帰線電流が流れ、もう片方は交流帰線電流が流れ居ます。この2本の線条間に大地経由の誘導電流は惹起されますか?
回答
1.交流電流による磁場の発生: 交流帰線電流が流れている線条からは、時間的に変化する磁場が発生します。この磁場は線条の周囲に広がり、大地を含む空間に到達します。
2.電磁誘導の原理: 変化する磁場の中に導体(この場合、大地)が存在すると、電磁誘導の原理により、その導体内に誘導電流が流れます。大地は完全な絶縁体ではないため、抵抗はありますが導電性を持っています。
3.直流電流の線条への影響: 大地中に誘導された電流が流れると、その電流によって新たな磁場が発生します。この磁場が、もう一方の直流帰線電流が流れている線条に到達すると、その線条にも誘導起電力が発生し、結果的に誘導電流が流れる可能性があります。これは相互誘導の一種と考えることができます。
1.交流電流による磁場の発生: 交流帰線電流が流れている線条からは、時間的に変化する磁場が発生します。この磁場は線条の周囲に広がり、大地を含む空間に到達します。
2.電磁誘導の原理: 変化する磁場の中に導体(この場合、大地)が存在すると、電磁誘導の原理により、その導体内に誘導電流が流れます。大地は完全な絶縁体ではないため、抵抗はありますが導電性を持っています。
3.直流電流の線条への影響: 大地中に誘導された電流が流れると、その電流によって新たな磁場が発生します。この磁場が、もう一方の直流帰線電流が流れている線条に到達すると、その線条にも誘導起電力が発生し、結果的に誘導電流が流れる可能性があります。これは相互誘導の一種と考えることができます。
一応 誘導電流は発生するようだ。
今まだ見てきた交直デッドセクションの交→直、直→交デッドセクションの位置は大きく離れてないで大体が平行な場所に設備されている。
今回の敦賀の交直デッドセクションの位置は、離れておりまた中セクションに交流加圧の場合もある。
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黄色で示した範囲が線条に誘導電流が流れる位置 |
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黄色で示した範囲が線条に誘導電流が流れる位置 |
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直流変電所からの帰線 |
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直流変電所からの帰線集約部 |
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帰線集約部と下り線インピーダンスボンド群の位置関係 |
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下り線 側にはインピーダンス3台 両側の2台は通常の接続方法 中性点からのケーブルが中央インピーダンスボンドの線条側と繋がる 中央インピーダンスボンド直流側の赤丸に直流変電所からの帰線が繋がる つまり中央緑枠内のインピーダンスボンドがストッパー様な働きをしていると推定 手前線条に線条絶縁部 |
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上り線側の帰線集約部から線路下を潜って下り線側に帰線が移動 |
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上り線側にも 同様なインピーダンスボンドが配置され、同様な接続になっている 緑枠内のインピーダンスボンドがストッパ様な動き 赤丸 変電所からの帰線が繋がる 奥線条に線条絶縁部 |
上下線に設置されている3台のインピーダンスボンドの真ん中がストッパの役割を担っていると推定する。3台のインピーダンスボンドの右側が交流誘導電流が発生する側
交直デッドセクション後の北陸トンネル内 NF側の処理
北陸トンネル 総延長は13,870 m BT電化区間ならBTセクションが有るはずであるが誘導障害が光ケーブルや遮蔽ケーブルにより軽減されるのでBTセクションが省略されている。
BTセクションはエアーセクションと吸上変圧器で構成されているがエアーセクションが架線保守上の弱点となり、ましてやトンネル内での保守を考えたら省略の方向になる。
電気鉄道 Vol.23,No.10,pp.2-14,1969には北陸ずい道内では負き電線(NF)と吸上変圧器省略の記載があるが、負き電線は実際はケーブル化されて敷設されている。
しかしNF(帰線)は省略できないのでトンネル手前で上下線でケーブル化されてトンネルを通過している。耐電圧は6kVケーブル使用
NFのケーブル化でトンネル通過 下り線側 敦賀駅方 |
NFのケーブル化でトンネル通過 上り線側 敦賀駅方 |
北陸トンネル 下り線側NFが引き出されてる。南今庄方 Google Street Viewから引用 |
鶴 通孝;交流電化発祥の地の50年 副題1957.10.1 北陸本線 田村‐敦賀間を中心に:鉄道ジャーナルVol41.No.11,pp.28-41,2006
迫田康義;JR西日本 北陸線・湖西線(長浜・永原ー敦賀間)直流化工事の概要:鉄道ピクトリアルVol.56,No.12,pp.68-71,2006
迫田康義;北陸本線 長浜-敦賀間 湖西線 永原ー近江塩津間 直流化工事の概要:鉄道ファンVol.46,No.12,pp.81-84,2006
崎山 隆;北陸本線直流化工事におけるトルネードき電線延線機械化工法:鉄道と電気技術Vol.17,No.12,pp.75-76,2006
増田 優;北陸線・湖西線(長浜・永原ー敦賀間)直流化工事の概要:鉄道と電気技術Vol.17,No.12,pp.32-35,2006
交直デッドセクション 直→交 60mになった根拠の資料 この検討以前は45mだった
森 忠治;交直デッドセクションについて:電気鉄道Vol.23,No10,pp.27-29,1969
飯田真;北陸本線電化の歩み:電気鉄道Vol.23,No.10,pp.2-14,1969