2025年8月27日

1516. 相模鉄道 西谷受電開閉所の受電元と西谷変電所受電の確定

 西谷受電開閉所

       


上空画像
Google Street Viewから 右下構築物の支持台が建設されている

西谷受電開閉所は、以前に記事にしたことがある。以下参照

 この記事には西谷変電所の受電は、この西谷受電開閉所からとしていた。しかし膨大な全国の送電線系統図をUpしている松尾豪氏のGoogle My MapによるとTEPCO 市沢変電所からの地中送電線(66kV_東京_神奈川_相鉄西谷線)からの受電となっており齟齬が発生し、もやもやしていた。 
東京電力グリッド送電系統図 松尾豪氏作成 引用は、しないので探してください

 今回 相模鉄道の連続立体交差事業の記事を読んでいたところ文中に西谷受電開閉所が出ており、以前の見立て通り西谷受電開閉所から西谷変電所へ66kV 1回線で送電していることが確定できた。その記事は以下の記事

村山淳一;相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業におけるシールドマシン用電源設備について:鉄道と電気技術Vol.35,No.8,pp.34-39,2024

 またこの西谷受電開閉所周辺に電力洞道があることが判明したのでさらに深耕してみた。これは松尾豪氏のGoogle My Mapにも載ってないルートとなる。

連続立体交差事業のパンフレットは以下参照

 この連続立体交差事業には一部のトンネルでシールドマシンでの掘削が行われる。そのためのシールドマシン用電気設備への電力供給(最大3,000kW)を西谷変電所近くのシールドマシン工事用ヤードに引き込む必要があるとのこと。

 3,000kWと言うと6.6㎸での供給も認められるが電気事業者と協議を行なったところ特別高圧での引込が妥当であるとの見解が示された。そのためAからCまでの3つのルートでの引込を検討している。

 6.6㎸で3,000kWは大規模な商業ビル等で普通の電力量となるがシールドマシンは間欠動作を行なうので停止と稼働の間での電力変動が一般需要家に影響を及ぼす可能性の否定できない。そのため特別高圧(66kV)受電が妥当との見解だったのだろう。

シールドマシン用電力供給元の選択 A~Cの3つのルート
シールドマシン用電力設備への電力供給元A~Cの三ヶ所を検討

Aの場所は、154kV降圧66kV、6.6kVの配電用変電所 TEPCO さちが丘変電所と推定した
Bの場所は、TEPCO 市沢変電所と推定した 6.6kVで専用線を引き込み 但し電力会社は推奨していない
Cの場所は、TEPCO 電力洞道 京換36号からの引込と推定した

それぞれの引込箇所(いろいろな経路がある) 最終的にC-1もしくはC-2となった

 さてここで西谷受電開閉所が出てくる。この西谷受電開閉所から工事箇所近隣の西谷変電所まで鉄道沿いに地中送電線(CVTケーブル)で引込を行なっている。

C-1及びC-2の経路の詳細 最終的にC-2が選択された
既存の経路を経由し、自社の鉄道用地内の敷設なので経済性・実現性から選択


C-2の経路は、西谷変電所へのCVTケーブルと同じ経路(鉄道敷地内)で敷設される


最終的な引込は既存ピット内Y分岐で新しく設備されるシールドマシン用受電設備に引込
2回線引込で1回線引出 都合66kV 2回線の地中送電線が西谷変電所方に向かう

 西谷受電開閉開閉所の需要家電力計量器はMOF表示、新しい受電設備はVCTで表示 時代を間じる。また管路形GISとC-GIS設備の大きさも時代を感じる。

 
Y分岐の例として
縦位置のYジョイント 東急 鷲沼変電所

横位置のYジョイント 武蔵浦和分岐 JR東日本



おさらい 左上 現在の西谷受電開閉所 右下は基礎工事中

新制御盤室の基礎工事が始まっている
また管路形GISとC-GIS設備の大きさも時代を感じる。


さてこの66kVの引込元はどこだろう? 
電気事業者管路と表示されて西谷受電開閉所から約200mの範囲から引込

右上 西谷受電開閉所から約200mの範囲にある電力洞道の換気口
西谷受電開閉所は、この電力洞道の換気口から引き込まれていると推定する

 この空き地はTEPCOが所有しており、上空の画像を確認すると水冷ケーブルの冷却ヘッダーが片隅に設備され、水タンク及びチラーがある。また縦型ポンプが多数並んでいるように見える。電力洞道で主は275kVもしくは154kVを送電している可能性大66kVはおまけ

 
 京換36号とドアに明示されている。換は換気の換だろう


  

 2015年のこの施設の正面のGoogle Street Viewを見るとTEPCOの看板があるが、最新版では外されている。 

この京換〇号 探すと約500m置きに換気口が並んでいる。

最近では、新羽沢変電所(相模鉄道)が京換32号から66kV2回線を引き入れている

 この京換〇号の片方の終端はTEPCO 京浜変電所と推定できる。途中 京浜洞道、藤沢京浜洞道と名前を変えている。

 TEPCO 市沢変電所の脇にも京換39号の換気口がある
     
竪坑があるためか防護が厳しい


 
 この場所が京浜洞道でヤフーマップで検索できる

京浜変電所からの京換〇号をプロットしてみた。大体直線で洞道が有ることが推定できる

 前にA~Cのルートでのシールドマシン用電力の引込を検討していると述べたが、実際はTEPCO鶴ヶ峰変電所66kV受電(図の黄色)がシールドマシン竪坑の傍にあるが、検討先には入っていない。これは何故と言うことになるが記事では、なにも触れられてない。

 京換29号から先は、時間が溶けるので探索していない。暇になったら探してみる。この洞道のルートは松尾豪氏の系統図には記載されていない。

参考資料
村山淳一;相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業におけるシールドマシン用電源設備について:鉄道と電気技術Vol.35,No.8,pp.34-39,2024

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