JR東海関係 周波数変換変電所 建設順(但し 綱島と西相模は同時期)
270. JR東海 綱島周波数変換変電所(新幹線) ブログリンク
276. JR東海 西相模周波数変換変電所(西相模変電所)(新幹線)ブログリンク
703. JR東海 沼津周波数変換変電所と沼津変電所 新幹線 ブログリンク
266. JR東海 大井周波数変換変電所(新幹線)ブログリンク
他の項目との重複記事が多く、新しく書き起こした部分は、少ないがまとめ記事として見て頂きたい。
グーグルマップで表示名がでる 二棟に分かれて建てられている。
一番奥が回転式周波数変換機(FC)が置かれていた建屋。 次の背の高い部分は、154㎸受電降圧変圧器が設置された建屋 現在GIS化されている。 一番手前 JR東日本がJR東海のFC撤去後 設備に見直しを行い新たに建築した建屋。
1974年 当時の浜松町交流変電所の位置は、国鉄の所有する土地(切符等の印刷する東京印刷所があった)であり、民有地も少なかったことから選択されたもようである。
とりあえず周波数変換変電所の建設は、総重量約1,000tに及ぶ同期発電機・同期電動機を作製、据付に1年以上かかるため、先に進められた模様で、当座は、大井、品川車両基地への供給を担ったが直通運転は、断念されそのままの運用が残った。
アプローチ:浜松町駅 容易
浜松町交流変電所・浜松町周波数変換変電所に関する過去ブログ
225. JR東日本 浜松町交流変電所(JR東海 浜松町周波数変換変電所併設←大井に移転)とその周辺 ブログリンク
263. JR東海 旧 浜松町FC給電点(新幹線・同軸き電) ブログリンク
東北新幹線用浜松周波数変換変電所 1976年新電気記事から
一番手前 起動用誘導同期電動機 総重量約1,000t 次 同期電動機 50Hz 左にバスダクト 交流発電機 60Hz 右にバスダクト |
奥に高速道路 154㎸降圧11㎸ 50Hz変圧器と放熱器 |
東北新幹線との直通を想定して計画 この時点で上野駅は想定されていない |
変電所銘板は取り外されている。 ここに日本国有鉄道 浜松町周波数変換変電所の銘板があった |
しかしポストには、名残がある。 |
この建屋に回転式周波数変換機が置かれていた |
この建屋に回転式周波数変換機が置かれていた。 のち右の部分は増築された |
浜松町線3号154㎸降圧66㎸ 建屋 |
1971年 新幹線網電力供給計画ワーキンググループで以下のことが論議決定された
- 60Hz電源区間を田端ヤードの以北まで延長。50/60Hzの電源区分はこの付近に設けるき電区分所(新王子き電区分所)で行う
- 60Hz電源区間の延長に伴い現状の綱島周波数変換変電所では容量不足になるので浜松 町に周波数変換変電所を設ける
- 新設周波数変換変電所の単相バランスを考えて秋葉原付近にき電区分所を設け、周波数変換変電所の負荷は、大崎変電所・新秋葉原き電区分所までをM座、新秋葉原き電区分所・新王子き電区分所までをT座とする(このころは、東海道新幹線は、上下線異相き電であったが、この区間だけは方面別異相き電となっている)
11月 「東北新幹線(東京・盛岡)の工事実施計画その1」が作成され認可着工に至った。
1974年 4月浜松町交流変電所・周波数変換変電所 合築での建設着工
1975年 5月浜松町交流変電所運開
都心部の電源強化及び東北・上越新幹線電源供給のため154kVを受電
新鶴見変電所・浜松町交流変電所間 東海道線に沿って154kV 2回線
浜松町1,2号を敷設、22kV新橋1,2号送電線新設
1976年 5月大井町2号、高輪1号、東京地下南部1,2号(横須賀線)送電開始
8月周波数変換変電所 運開予定
1977年 ?月東北新幹線上野駅建設決定
1977年 4月周波数変換機運開
1982年 東北・上越新幹線開業
1987年 国鉄分割民営化(浜松町周波数変換変電所・JR東海に移管)
6月浜松町周波数変換変電所⇔大崎変電所間 同軸き電方式となる
1991年 東北新幹線 東京駅乗り入れ
2006年 8~10月154kV浜松町線1,2号 GIS化 154kVブスタイ新設
丸の内開閉所新設に伴う 回線変更
2006年 12月 154kVブスタイに主変3号LTC付を新設
2007年 主変1号 LTC付に取替
2008年 主変2号 LTC付に取替 12月154kV浜松町線3号を横須賀線経由で導入。
2012年 回転式周波数変換機廃止JR東海退去(大井周波数変換変電所の設置)
名実ともに浜松町交流変電所となる
LTC=負荷時タップ切換器付変圧器 二次側電圧この場合66kV系を変圧器の巻き線のタップを切換えて66kVの許容変動範囲に収める働きをする。
画像 右奥が高速道路側となる 左右に11㎸の母線が変圧器に繋がっている |
総重量 約1,000t 画像 右奥が高速道路側となる |
回転式周波数変換機は、過負荷耐量が比較的大きいが電力損失が多くメンテナンスコストが掛かるのが難点であるが、過負荷対応能力が高いので、現在では、本線き電系の綱島、西相模の周波数変換変電所にまだ置かれている。今後耐性の高いSiC半導体に置き換わるだろう
東京駅での東北新幹線接続を考えた配線計画 この時点では上野駅は想定されていない 東京駅では4線の容量をとっておりこの図が11971年 新幹線網電力供給計画ワーキンググループ での議論の結果であった。浜松町周波数変換変電所は、大井、品川、田端ヤードのき電を担っている 新王子き電区分所が異周波数のき電区分となる |
異周波の接続点の検討は、既に1972年当時 東北新幹線を東海道新幹線と繋げる構想時に検討されており、基本形は出来ていた。しかし異周波対応車両については、未知の分野であることと車両価格の上昇及び変圧器構造の複雑化と重量増で最終的には見送られた。そのため富士川以北は周波数変換変電所を、西相模・網島に設け50Hzから60Hzを横軸回転式周波数変換機(総重量約1,000t)で変換して各変電所に供給する体制をとった。浜松町にあった周波数変換変電所は、当初計画での東海道新幹線田端ヤード延伸および東北新幹線直通運転のため設けられたが、延伸取りやめの為、品川ヤード・大井車両基地への電力供給を担った。
付図1 50/60Hz切替設備改良案 新王子SP 異周波切替設備 原点となるもの 東海道新幹線は、BTき電。東北新幹線はATき電。 浜松町FCと新大宮SSからのき電突合せ 東京駅起点10k500mと11k900m間にセクション方式の切替点 この地点は、都道455号線交差部から上野方約1.4kmにあたり現在の中セクション位置にほぼ一致する |
東北新幹線 直通計画が取りやめになった後の東京⇔大崎間のき電系統
浜松周波数変換変電所運開後 東京駅⇔大崎変電所間はBTを入れた 同軸き電ケーブルでき電されていた。 その後 同軸き電ケーブルを積極的に利用するためBTを撤去し 既設同軸き電ケーブルを活用して本来の同軸き電となった(1987年) 同軸き電ケーブルは、浜松周波数変換変電所ができた時点で2条であった |
大崎⇔東京駅間には11か所のエアーセクションによる区分があったが同軸き電方式に切替 メンテナンスの手間が省けた |
その後の全線AT化に伴い鶴見川SPがATP化され、浜松町周波数変換変電所の供給範囲を縮小するため 多摩川にき電区分所を設けている。 |
綱島周波数変換変電所、西相模周波数変換変電所 回転式周波数変換機3台目増設 浜松町への増設は、JR東日本との協定で60MVAしか供給できないためどうしようもない。き電線、中性線、帰線の太径化、条数の増加が行われている。綱島周波数変換変電所は3号機増設のため受電系をGIS化した。
浜松町周波数変換変電所の撤退後 大井の静止型周波数変換変電所の運用を重ね、綱島周波数変換変電所に静止型周波数変換器を導入、随時西相模、綱島の回転式周波数変換機を静止型周波数変換器に交換している。
新電気編集部;東北新幹線用浜松町周波数変換変電所が完成:新電気,1976,Vol.30,No.8,pp.口絵部分2
船越 昇:浜松町FC電気設備概要:電気鉄道,1976,Vol.30,No.8,pp.17-19
付図1
石川多了ら:新幹線の異周波電源切替点におけるATC妨害の予想
鉄道技術研究所報告;1978,第1088号,pp.1-55
星野寿夫ら;東海道新幹線東京地区同軸き電方式の改良:鉄道と電気,1987,Vol.41,No.9,pp.15-24
吉田 考登志;東海道新幹線電源増強工事完成:鉄道界,1996,Vol.37,No.1,pp23-41