綱島周波数変換変電所
アプローチ:綱島駅 容易
受電:東電綱島変電所からの154kV架空2回線
給電:77kV 60Hz JR東海 大森変電所地中2回線、JR東海 新横浜変電所地中3回線
特徴:回転形周波数変換機60MVA×3台(中心部分の長方形の建屋2、3号・その上の小ぶりな建屋が1号・1号機は変電所内側に降圧と昇圧の主変圧器があり2,3号機は建物の両側に降圧、昇圧主変圧器をもつ)
静止形周波数変換機60MVA(30MVA×2)1台(敷地下部の建屋)
回転式周波数変換機は、過負荷耐量が比較的大きいが電力損失が多くメンテナンスコストが掛かる、静止形は、過負荷耐量が無く、素子が破壊される場合があるが、メンテナンスコスト及び電力損失が少ない利点をもつ。この両者の組み合わせで長所と短所を補完しながら運転を実施している。
1992年 のぞみ2本ひかり7本/時の輸送力増強に対応し3台目の回転形周波数変換機増強 受電設備をGIS化(用地狭隘の為)
2004年 のぞみ8本ひかり2本/時の輸送力増強に対応し4台目は静止形周波数変換機導入 送電設備をGIS化(用地狭隘の為)
2009年 のぞみ9本/時に輸送力増強で沼津変電所に静止形周波数変換機導入これは単相60Hzのものであり、新幹線き電系へ直接の送電を実施
JR東海ではこの綱島1号機を一台実績のでてきた静止形周波数変換器に置き換えるそうだ。
リンク先の回転形周波数変換器は西相模の3号機が該当
JR東海 リンク pdf 2014年11月発表 東海道新幹線 周波数変換装置取替
銘板はガムテープで隠されている。 JR東海旅客株式会社 綱島周波数変換変電所 と記入されている。 JR東海は銘板をガムテープで隠す例が多数 |
この壁の裏には、空冷の冷却塔が設置されている。 |
東電綱島変電所からの154kV受電 |
154kV 2回線受電 回転形周波数変換機用に11kV降圧、静止形変換機用に22kV降圧される。 静止用の22kV母線にはFLが2台高調波対策で繋がる。 |
受電設備がGIS化 154kV受電 |
横型回転形周波数変換機(約1,000t)2台が置かれている建屋 回転形周波数変換機は、回転機による同期電動発電機であり 10極の電動機で12極の発電機を回転させている。1台の公称は60MVA 100%連続、150%2時間、200%1分の過負荷に対応できる。 入力 11kV 50Hz 出力 14kV 60Hz 起動時間約15分 14kV出力は昇圧変圧器で昇圧されて77kV所内母線に繋がる。 |
77kV母線には、SUC(静止形不平衡電力補償装置)とFLが2台繋がっている 77kV60Hz送出 GIS設備 77kV60Hz 5回線は地中ケーブルで 周波数変換変電所敷地内裏の部分を経由して人孔に入り 道路下を経由して新幹線高架下まで繋がっている。 |
回転形周波数変換機 母線引き出し部 円形パイプ状の部分が母線 |
回転形周波数変換機 母線引き出し部 円形パイプ状の部分が母線 |
フィルター コンデンサー 1号機棟 |
静止型周波数変換器が置かれた4号棟 2004年運開 定格容量60MVA(30MVA×2) 入力22kV 50Hz 出力22kV 60Hz インバター・コンバーターともGTO変換機:単相ブリッジ三相構成 直流部2,800V 昇圧変圧器で77kVに昇圧され 所内母線に繋がる。 起動時間約5分 重量14t |
非常用予備ケーブル |
回転形周波数変換器 建屋内 風を通して冷却中 1号機 |
光ファイバー利用 警報線 光ファイバーの変位を読み取り警報を 出す。光ファイバーのため強電を扱い場所には最適 ノイズの作用を受けにくい |
JR人孔 周波数変換変電所裏 77kV 60Hz 5回線 敷設 ケーブル引き出し場所は昔も今も変わらない |
綱島周波数変換変電所の後ろにあるJR人孔 |
ケーブル埋設標 |
新幹線高架下まで続く |
JR 人孔 |
綱島周波数変換変電所からの 77kV 3回線新横浜変電所方+2回線大崎変電所方の ケーブル高架立上りダクト |
大森方面77kV 60Hz 2回線立上り部 |
新横浜方面77kV 60Hz 3回線立上り部 (当初は2回線であったが3回線に増強された) |
綱島周波数変換変電所 全景 鶴見川から俯瞰 |
参考文献(順不同)
大木正之ら:静止形周波数変換機
東芝レビュー;2004,Vol.59,No.11,pp.35-38
静止形周波数変換機 リンク pdf
長山徳幸:綱島4号静止形周波数変換装置新設に伴う運転方法について
JR東海旅客株式会社技術情報;2002,No.15,pp.116-120
久野村健ら:静止形周波数変換装置
電気学会誌;2010,Vol.130,No.8,pp.530-531
吉田孝登志:東海道新幹線電源増強工事完成
鉄道界;1996,Vol.37,No.1,pp.23-41
牧野茂樹:東海道新幹線における周波数変換
電気関係学会東海支部連合大会講演論文集(CD-ROM);2011,論文番号S2-3,
前川典生ら:東海道新幹線用周波数変換変電所
電気鉄道;1964,Vol.18,No.2,pp.9-13