2017年6月28日

554. JR東日本 藤代変電所 再訪 不等辺スコット結線変圧器の設置

藤代変電所 再訪 不等辺スコット結線変圧器の設置?

139. 藤代変電所 2014年の記事 ブログリンク

 
藤代変電所で変圧器の設置が行われるとの情報が流れてきたので現場確認
左奥 2つの変圧器は、単相変圧器R、T相接続 この画像では変圧器横に直列コンデンサがある


変圧器と放熱器 仮置き

変圧器本体 日立製作所製
線路脇に変圧器本体と放熱器が仮置き中 変圧器のブッシングは、どう見ても66kV耐圧とは思えない25kV対応形左シリコン形成のブッシングは、66kV対応であった。

二次側ブッシング

二次側ブッシング 二次側はm、o、t記載
二次側はm、o、t記載 明電舎の結線図ではm、o、t記載は、不等辺スコット結線変圧器の記号(五稜郭変電所の情報から)
三相VCB

リアクトルとコンデンサ

下の三相VTの電圧も66kV対応ではない

変圧器と放熱器及び架台と防御スクリーン
変圧器自体は、日立製作所製 そばに66kV 3相用VCBと25kV対応リアクトルとコンデンサがある。不等辺スコット結線変圧器への交換なのか、それにしても一次側のブッシングが66kV対応ではない。まさか現有の単相変圧器2台を掟破りのV-V接続して一次側を66kV R,S,Tに接続。二次側にVCBをかませて不等辺スコット結線変圧器の一次側に接続し、二次側にリアクトルとコンデンサを入れた単相出力を き電線に入れるつもりか? 66kV対応の変圧器であった
設置場所を赤でマーク

設置場所を赤でマーク

ケーブル敷設トラフも埋め込み済み
変圧器設置場所は、高配変圧器の前に赤で区切って場所が指定されている。ここから新設のトラフが き電用変圧器のところまで延びているのでケーブル引き通しで配線の複雑さを逃れるつもりであろう

以下は推定
牛久き電区分所のRPCをスルーさせれば土浦変電所からの片送りは可能。末端でタイ接続すれば、藤代側の交流き電設備(不等辺スコット結線変圧器)の交換も容易となる。鳴り物入りで新設した常磐線初の牛久RPCをそこまで費用を使って稼動させるか? 

土浦がスコット結線変圧器なのでこの部分にRPCを入れて、両方向制御 牛久は、単なる補助き電区分所に降格して、末端藤代変電所の交流部分は、休止し上下タイ接続を行うようにすればシンプルだと思う。牛久き電区分所の設置理由としては、土浦以南の牛久を挟んだ常磐線での回生電力の有効利用なので、上下線をタイき電すれば有効利用は可能である。変電所間隔であるが、土浦変電所が設置される前は、藤代⇔友部間であったので土浦変電所が増強された今、藤代の交流き電設備を休止しても問題は、発生しない。

実際に本田らの検討によれば、対き電・延長き電により回生時の電力再利用は大幅に増加する。しかし末端電圧がラッシュ時に16,000V付近まで低下する。き電トリップ時に影響が広範囲にわたるとの結論で、設備コストが高く対費用効果の判断が難しいRPC導入を進めている。
結果 導入が行われたが藤代変電所の母線を通じて東電側の電力の戻りがあり、これらの変動が
東電側の電力に影響を及ぼしている。三相交流電源側の電流はできる限り平衡させることが望ましく、交流式電気鉄道では電気設備技術基準第55条及び同基準解釈第260条に基づき、連続2時間の平均負荷で三相交流電圧不平衡率 が3%以下にするよう規定されていたがRPCの関係で不平衡率が大きくなったのではないかと考える。

 

回帰

左よりR、S、Tとなる 単相接続 RとTから受電
断路器が2台とも「閉」 うなりをあげている

Ftr-2側 単相出力部 ブッシングがシリコン製 以前は、碍子製

き電変圧器2台の放熱器
重機が通るため鉄板がひいてある

2台の単相変圧器は、この部分で並列接続されて土浦方にき電を行っている
以前は、NF側に直列コンデンサがつながっていた
Ftr-2側のケーブルが立ち上がりPF、NF母線につながる
以前の画像 Ftr-2からのケーブルヘッドが碍子製
今はシリコン製



以前 設備されていたNF用直列コンデンサと保護装置 撤去

土浦方 上下線にき電 右より変流器、VCB、き電用避雷器
この部分から左は、交流部は変化無し

取り外された直列コンデンサと保護回路
交流部 まとめ
さて き電用変圧器は、2台とも運用でうなりを上げていた。R,S,Tからの配線も従来の2本だけである。単相変圧器のNF側は、NFに繋がる直列コンデンサバンクが切り離され、すっきりとしている。


直流側 Z母線両側に振り分け

Z母線側 断路器は「開」極 タイ接続も可能な設置方式


建屋の壁の補修跡は圧空機器の設備撤去跡
以前の設備 奥の建屋に圧空の設備
右 交流側タイ接続断路器


高配変圧器のすぐ後ろにSLがある配置

シリコン整流器3,000kW

SR-1,2用正極・負極断路器 CTが噛ましてある


整流用変圧器とバスダクトでつながる 中央の長方形のダクト
後ろにSLの表示 直列リアクトル

電力濾波器 FL

直流部まとめ
直流き電部分も、断路器の駆動方式が圧空式から電気もしくは機械切り替えに替わっている。Z母線も左右に分かれた形式である。

おまけ
おなじみデッドセクション


信号 配置図 現在とほとんど変っていない
第二場内付近に直流遊流阻止設備がある





第一場内 ATOS構内の表示 下り線側


踏切りよりデットセクション遠望 下り方第一場内 現示「赤」


上り線側 上3 信号 ATOS構内表示


下り線 交直切替表示板と上り線ATOS表示板


第一場内 奥にデッドセクション
手信号代用器:第一場内信号機の下に2灯の信号器がある部分

デッドセクション 交→直 通過中 直流対応 両パン上げ
藤代駅中線で待機中EH-500 両パン上げ状態

藤代駅中線で待機中EH-500 両パン上げ状態
屋根上の左側の長方形の機器は、保護接地スイッチ
 
藤代のデッドセクションを通過するEH500形は、藤代駅中線で両パンタ上げを行い、直流区間への対応を行う。そのため交流区間でも両パン上げの状態のEH500形を見ることができる。通常 交流電気機関車は、交交セクション(き電区分所・変電所)での異相混蝕防止のためパンタは、1基である)また石岡駅構内でも待避時に両パン上げを行うが、片パンが車内にある断路器で「開」の状態であるので、土浦変電所、牛久き電区分所を両パン上げで通過できる。
車内には、交直両用電車にあるような直流避雷器、交流避雷器、断路器、交流真空遮断器が設備されている。特筆すべきは、直流大電流を遮断できる高速度遮断器もあることである。

参考文献
渡辺 寛;交流区間における上下タイき電方式について:電気鉄道:1971,Vol.25,No.11,pp.17-21

佐竹利麻;常磐線直流遊流阻止設備について:電気鉄道:1960,Vol.14,No.10,pp17-19

不等辺スコット結線変圧器の実結線図
明電舎の結線図ではm、o、t記載は、不等辺スコット結線変圧器の記号
北海道旅客鉄道 五稜郭変電所納入変電設備(PDF:205KB)注意 明電時報Vol.355,No.2

西澤 寛ら;EH500形式交直流電気機関車の開発;JREA,1999、Vol.42,No.8,pp.26342-26346

本田 誠彦ら:常磐線における車両回生電力の測定とその有効利用の検討:電気学会産業応用部門大会講演論文集;2009,pp.Ⅲ.275-278

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