厚生労働省は、未承認にもかかわらず「研究用」と称して流通している検査キットの販売は原則、医薬品医療機器等法違反として行政指導などの対象とする方針を固めました。薬機法上の医薬品の定義を明確化し、診断目的で購入される研究用キットは「無承認無許可医薬品」と判断します https://t.co/AmM98JaISV
— 折口慎一郎 (@PNB_origuchi) January 20, 2026
コロナウイルス抗原検査キットが出始めの頃 薬事申請承認を行なっていない検査用キットが出回り、その歯止めがすこし曖昧になっていた。
そのため厚生労働省では「研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関する ガイドライン(案)について(概要) 」について令和8年3月上旬(予定) で通知を出すことが決定された。
研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関する
ガイドライン(案)について(概要)
このガイドラインが策定されるに至った内容
2024年7月25日 令和6年度第5回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会 議事録:令和6年7月25日(木)12:30~15:00
以下部分引用
5ページ、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しで、こちらは研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応です。背景・課題を御覧いただきますと、新型コロナウイルス感染症感染拡大時には一般用の体診がまだ出ていない時期に、「研究用試薬」と表示された薬事承認を受けた体外診断用医薬品ではない検査キットが販売されておりました。こちらは、医薬品医療機器法上の効能・効果を標榜しておりませんので、これに基づく取り締まりが難しかったということがあります。
ただ、このような製品が一般用の体診が発売された後も販売自粛の指導に従わずにずっと売られ続けていたということがあり、消費者から見ると、ネット上の広告でも判別が難しいため、検査性能が確認されたものではない趣旨の一般人向けの注意喚起を消費者庁とも協力して行ってきたところです。6ページに、啓発の資材を載せております。
5ページに戻ります。このような状況を踏まえて、規制改革推進会議等からも、薬事承認を受けた体診と紛らわしい物の販売を規制、取り締まるための制度的な対応が必要ではないかという指摘がありました。検討の方向性として、まず1つ目は、これらの製品を医薬品医療機器法に基づいて規制するためには、例えば、これらの製品については一般人への譲渡、譲受、所持を禁止し、研究機関のみに販売先を限定するということが考えられます。下に○が2つありますが、例えば、その研究用試薬を薬機法上位置付けて販売先を規制する。それから、体診と類似の製品を指定して販売先等を規制するという手法が考えられます。ただ、これは人に直接使われるものではないということで、物自体が法律でそこまで禁止するほどの危険な物品といえるのか。また、真に研究用に使用される試薬に対して過剰な規制となるのではないかという点など、こちらの方法は課題が多いと思っております。
2つ目として、法律で流通を直接的に規制する以外の方法として、「一般人がその形態や使用方法から容易に医療機器・体外診断用医薬品と認識するもの」は、これは医療機器・体外診断用医薬品に該当する物として判断し、規制するという手法も考えられると思っております。そのため、無承認・無許可医療機器・体外診断用医薬品の取締りのメルクマールとして、医療機器・体診の該当性の判断を明確化するガイドラインを作成し、医療機器・体外診断用医薬品として、取締りを行う方向で検討してはどうかと考えております。
その下の○は、医薬品の場合「医薬品の範囲に関する基準」により、医薬品に該当するか否かの判断基準を明確化して、判断結果を医薬品/非医薬品リストとして明示しております。医療機器・体外診断用医薬品についても同様のガイドラインを作成し、薬事該当性の考え方を明確化するとともに、例えば「研究用試薬」といいながらも製品表示や販売経路、使用方法等を総合的に勘案すると、実態としては、人の感染症を診断させる目的で提供されている抗原検査キットだということになれば、これは体外診断用医薬品に該当する事例として通知等で明示した上で、無承認・無許可の体外診断用医薬品として薬機法に基づいて取締りを行うことができるのではないかと考えております。ただし、この場合においても、真に研究用に使用される試薬の流通を妨げない規制の方法は、併せて検討していく必要があると考えております。6~9ページに関しては、先ほどの医薬品の類似の事例についての紹介です。
引用終わり
テーマ③(国民からの信頼性確保に向けた体外診断用医薬品・医療機器の規制の見直し)について この厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の当該部分資料。pdf注意
以下がガイドラインの本文のpdf
研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関するガイドライン(案)
体外診断用医薬品を市場に出す場合、多くの臨床試験(性能)で倫理委員会の審議を受けた素性の知れた検体を使う。研究用検査キットの場合 この臨床試験データが少数、または無い、もしくは得体のしれない患者検体を入手してとりあえず臨床試験データを作成して有用性が認められれば市場に放出することが良くあった。
特にコロナの時は、使用するMoAbがSARS由来のエピトープと一致していたため、中国製のMoAbが多量に輸入され、研究用抗原検査用キットが製販された。これは薬事承認を受けたキットが少なかったため需要と供給のバランスが極端にずれたことによる。この時点で厚生労働省が研究用抗原検査キットを取り締まればよかったのだが、その状態ではなく黙認されていた。
その後コロナも収まり研究用の抗原検査キットは淘汰されたが、その他の検査で研究用検査キットが出てきたため今般のガイドライン策定に至った。
肝の部分は以下の部分 引用
研究機関等のみを対象としたものとの区別 研究機関等のみに広告、販売しているなど、明らかに研究機関等のみを対象とした研究用抗原定性検査キットについては、本ガイドラインによってその流通を阻害されることは目的としておらず、明らかに体外診断用医薬品ではないとみなせるものとして、本ガイドラインの対象から除外される。 一方で、研究機関等のみに対象を限定した広告又は販売方法を採っていると必ずしも断定できないものについては、4.に示す標ぼう事項等を踏まえ、体外診断用医薬品の該当性を判断する必要がある。しかし、少なくとも以下の1)から3)までのいずれかに該当する場合は、研究用として妥当とはいえない、又は、一般の消費者が使用することを想定していると考えられることから、(「研究用」等と称していることのみを理由に体外診断用医薬品に該当しないとは言えない。
引用終わり
研究機関では、研究目的で研究用と書かれたキットを購入して使用する例が多い。これが販売不可能となると研究が滞る。自製キットも研究機関では作製することはできるがロット管理、キット製造、品質管理に時間が掛かる。自製は、とてもやってられない。
また研究用試薬として特定の大学等の研究機関、検査センターに販売することで、その研究用キットで得られたデータが学会誌等に投稿、学会等で発表されれば、申請承認の際の添付データとして利用できることになり申請承認が行い易くなる。
今一番各社が開発しているのが話題性のある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の迅速抗原検査キットであろう。今は検体を保健所に送ってプレート法で検査を行なっている。コロナ検査のように迅速抗原検査キットが出来れば、医院での検査が可能となり迅速に上位病院に患者をおくることができる。