2025年8月30日

1518. 調査 TEPCO 京浜洞道 南川崎線 その奥にあるもの「京浜潮田線」 番外

 TEPCO 京浜洞道 南川崎線

京浜洞道 新横浜から京浜変電所までの経路(未了)過去データ

京浜洞道 新横浜から京浜変電所までの経路 最新データ さらに細かく調査
直線ではなく、かなり曲がっている部分がある

 変電所 き電区分所 補助き電区分所   グーグル マイマップリンクに最新版Up

 この南川崎線が収容されている京浜洞道。OSINTを駆使しても多くの情報が集まらない。基幹地中送電線網として275kV×3回線なので重要電源幹線としての役割があり、そのために情報が隠蔽されている感があった。

 さらに調査を進めると今を遡ること約46年前(1979年代・昭和54年)に計画が立てられた東西電力の融通のため、北は京北変電所から都内の池上変電所間、南は京浜変電所から潮田(南川崎)変電所を経由して池上変電所に繋がる基幹送電線網の計画が実行されたことが判った。この京浜変電所から潮田変電所の基幹地中送電線が京浜潮田線と呼ばれていた。

昭和60年代に外輪の50万V送電網を構想
放射状になった外輪から都内に引込む地中送電線網が検討された

基幹地中送電線の長期構想で放射部から内部に引込
50万Vの新京葉変電所と新豊洲変電所を結ぶ地中送電線のこの時分に計画され建設された

 サンシャインシティの地下にある豊島変電所から洞道を歩いて高輪変電所、池上変電所、南川崎変電所まで行ける。但し京浜洞道は途中渡河部分は専用橋となっているので地上部に出ないと通しでは歩けない。



京浜洞道の通過地

 新横浜付近からは潮田変電所までは、道路沿いにシールドマシンで掘り進んでいる。新横浜から京浜変電所までは丘陵地帯の地下30m~50m付近を道路と関係なくシールドマシンで掘っている。この京浜洞道(新横浜ー京浜変電所)の人孔位置をGoogle My MapにUpしてある


西谷受電開閉所付近を通過している京浜洞道の詳細
半径20mのS字カーブ等がこの周辺では続いている。
川仮18号人孔が京換36号の川島調整所の位置


洞道の建設には多数の国内建築会社が参画 一大プロジェクトして運用

 京浜変電所から南川崎変電所間は、その当時京浜潮田線と呼ばれており、京浜潮田線の終着は、現在の呼称南川崎変電所改め潮田変電所と呼ばれていたことが判った。

 どおりで南川崎変電所、南川崎線で調べても情報が出てこない。途中で呼称が変更されており南川崎変電所及び南川崎線には一切「潮田」の記述が無い。また京浜潮田線及び潮田変電所にも「南川崎」の記述が無い。辛うじてあったのは昭和電線電纜レビューの図に南川崎の文字があったのみ。

 情報が体よく分断されている。京浜潮田線で調べると選択するのが困るくらい多くの情報がでてくる。

運転開始後の名称は南川崎変電所
しれっと路線名と変電所名を変更

 当初は、東扇島に建設中のLNG火力100万kWの京浜変電所への送電2回線(50万kW×2)として運用を昭和62年に開始。その後、東扇島火力発電所が200万kWになった際は3回線で66万kW×3として運用されていた。潮田変電所(南川崎)から池上変電所への送電が開始されると36万kW ×3が京浜変電所に送られている。

 なんと275kVで100万kWを送電すると力率1として約2,100A 1回線当たり約1,050A流れている。3相ケーブルの間隔を広げて、さらに冷却することで電流を多く流せる構造となっている。


当初のOFケーブルの敷設には代表的な送電線メーカーが全て参画

防災トラフ内にOFケーブル3条を敷設 トラフ内を冷却する水冷管が通る
三相ケーブルは密集配置ではなく、間隔を開けて配置、さらに冷却されている

洞道自体は約5mの直径 この中に275kV、154kV、66kVケーブルが通る

当初 京浜潮田線 275kV×2回線が敷設された

将来的には多数の地中送電線が収容される


以下の記事も参照

1517. TEPCO 京浜洞道 番外 275kV 3回線収容


参考資料(順不同)京浜浜田線でPickUp 

 工事紹介;京浜潮田線275kVOFケーブル敷設工事:昭和電線電纜レビューVol.35,No.2,pp.57-60,1985

中島章治ら;施工研究 地中送電線京浜潮田線シールド工事:土木施工Vol.23,No.11,pp.20-28,1982

小杉横浜地中線建設所長ほか;電京電力 座談会 京浜潮田線及び東扇島火力線のケーブル布設工事 :建築界Vol.11,No.3,pp.38-48,1986

中島章治ら;超急曲線・長大トンネルを掘進したシールド掘進機の実績--東電・京浜潮田線(第6工区):建設の機械化Vo1.394,No.12,pp.19-25,1982

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1509. 変電設備から見た富山地鉄本線、立山線の危機 マイナビニュース 杉山淳一氏の記事を読んで

  富山地鉄本線の一部、立山線の廃止が取り沙汰されている。地鉄側は自治体の支援がなければ今年11月にも国へ廃止届を提出とのこと。 富山地鉄の廃線危機、行政の対応が遅すぎ! 必要なら「まずは残せ」             マイナビニュース 掲載日 2025/08/09 08:...

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