郡山総合車両センターは構内全体が直流加圧できる
【↑の続き】
— えぬ (@Cocoa_189_510) September 9, 2025
ちなみに九州方面へ今回甲種輸送される常磐線のE501系カツK752編成とカツK753編成のサハは組み込んでおらず。
流石に郡山で解体ですかね?
パンタグラフ周辺の変化はどうでしょうか? pic.twitter.com/NMvzB5rHLa
この”えぬ氏の投稿 【↑の続き】”の画像1枚目に黒磯駅にあった進路電源識別標識があった。
以下説明
黒磯駅にあった現物以下 鉄道博物館 コレクションギャラリーに展示中
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黒磯駅にあった進路電源識別標識(入換標識の下) |
えぬ氏の投稿画像から「車庫内は直流き電可能かもしれない」と引用投稿したが、いろいろ画像を調査すると車庫前にある車庫内加圧用断路器が車庫内接地状態を示していた。
以下同じ接地極付き断路器 但し車庫内加圧中 総合車両センター変電所からのき電線が繋がる
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左 車庫内加圧用断路器(単極双投・接地極付き)交流同相セクションインシュレーターで区分 |
この断路器を加圧側投入すると車両センタ側(右側)の架線の電源(総合車両センター変電所からのき電線)に繋がる。断路器を接地側に投入すると車庫内架線は接地されるので 車庫内を直流加圧できない。
この進路電源識別標識 車両センター全体の交直切替状態を「現示」しているものと思われる。つまり「
えぬ氏の投稿画像にある進路電源識別標識」は車両センター全体が交流切替になっていることを表していると推定する。
以下Google Street Viewの画像 工場行合街道踏切からの画像
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交流表示 2015年10月のGoogle Street Viewの画像 裏にも同じ標識がある |
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直流表示 2022年9月のGoogle Street Viewの画像 裏にも同じ標識がある |
Google Street Viewでの進路電源識別標識
この進路電源識別標識の表示は、秋田総合車両センターでは見つけることが出来なかったがJR西日本の小倉総合車両センターで見ることができる。
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小倉総合車両センター 進路電源識別標識の表示「交流」裏側も表示できる |
以前 郡山総合車両センターの変電所を見学した際は、てっきり交流20kVのき電設備だけだと思っていたが、改めて全体が直流加圧ができると推定すると新たな視点で調査できる。第一印象だけで見落としていた。
一部記事重複
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郡山総合車両センター変電所 上空画像 |
赤色が交流20kVき電設備。き電用遮断器の取り回しがケーブルヘッド(FA2側)で簡素化されている。き電用変圧器で昇圧された20kVは、各2台に遮断器(52FA1,52FA2)を経由して変流器(CT)を通り車両センター内き電切替設備に繋がる。
緑色が直流1500Vき電設備部分 整流用変圧器(一次側6.6kV・二次側1200V)とシリコン整流器、直流高速度遮断器は建屋内収容と推測する。
黄色が66kV受電設備の電力の流れ
1273. 正月企画 JR東日本 新潟車両センターの交流加圧施設 といままで見つけた同様な施設の一覧
このような形式は、先に述べたJR西日本 小倉総合車両センター(交流き電地域内直流き電)、JR東日本 秋田総合車両センター(交流き電地域内直流き電)で見られる。また直流き電地域内交流き電は、単に6.6kV昇圧20kVの変圧器を置いただけの形式が多くみられる。
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右下遮断器の脇にケーブルヘッドがある。これはき電用遮断器(単極単投)に繋がる 中心 鉄構の下にケーブルヘッド き電用遮断器を経て交流き電設備に繋がる部分 |
郡山総合車両センター変電所(交流直接き電・便宜的に帰線側はNFとした)
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66kV 1回線受電、断路器、避雷器、遮断器を経てMOF(VCT)66kV降圧6.6kV変圧器へ |
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総合車両センター全体の電力を賄う降圧変圧器2次側6.6kV断路器を経て変電所建屋に |
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6.6kV昇圧20kVき電用変圧器 単相であることが判る 奥がNF側、手前が20kV側 |
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緑部 6.6kV昇圧20kVき電用変圧器 青部単相6.6kVケーブル昇圧変圧器一次側 赤部 昇圧した20kVの電圧を測定する計器用変圧器(高圧限流ヒューズ付) |
鉄構が重なって見えずらいが右より交流20kVき電母線・NFが来ている 交流20kVき電線は、ここでT分岐して片方は52FA1遮断器へ、もう片方はケーブルヘッドを介して移動して52FA2遮断器へ |
52FA2の遮断器 左に変流器(CT)が2台見える。 右奥のケーブルヘッドと手前ケーブルヘッドが繋がっている(取り回しのため) 奥鉄構下で交流20kVき電母線はT分岐 片方は52FA1、もう片方は52FA2の遮断器に繋がる 鉄構の左に1本電線が出ているがこれはNF側となる |
52FA2の遮断器と変流器(CT)、手前ケーブルヘッドはNF側 |
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緑部 直流き電設備からの直流き電線と帰線 ケーブルが太い 奥はブスバー |
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交直切替部 現在FA1で交流き電中 FA2は運用されていない(交流・直流断路器全て開路) |
よく見るとFA2側の交流断路器は接地極付きでブレードで接地されている
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接地ブレードが上がって、接点に嵌合しているのが判る 2点切 断路器部で接地極付き |
交直切替部があったとは知らなかった。「えぬ氏」に感謝 |
この交流き電線 下段がFA2側の遮断器、上段がFA1側の遮断器に繋がっている。き電線を追うと車庫前のき電設備に繋がっている。
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下段がFA2、上段がFA1の変電所側き電設備に繋がっている |
車庫前のき電設備に繋がるFA1 |
車庫前のき電設備に繋がるFA1 |
N3,N4車庫前のき電設備に繋がるFA1 N3,N4の車庫内は無加圧(架線接地中) |
N2車庫前のき電設備に繋がる 車庫内交流加圧中 加圧中 FA1 N2車庫内は交流加圧中 |
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FA2はケーブルで新幹線ガード下を潜る |
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FA2は再び架空送電線となる |
このデッドセクションでFA1とFA2を系統分離 この奥はFA2き電 |
デッドセクション奥は群工電源と表示 FA2き電 |
架線にFA1及びFA2が繋がっているが構内デッドセクションで系統分離されている
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構内系統分離 FA1とFA2のき電区分 |
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構内系統分離 FA1とFA2のき電区分 配線略図.net、「https://www.haisenryakuzu.net/」から引用改変 |
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加圧ビーム(黄色)と奥デッドセクション(郡山駅構内と車両センター内F1の系統分離) |
ちなみにK752編成は、2017年から郡山車両センターのN2車庫に留置されていたようだ。
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E501系 K752編成 2017年9月 車両センター公開日 N2車庫に収容 |
E501 K752編成は交流加圧中 |
N2車庫 |
N2交流加圧中 |
参考文献(進路電源識別標識の図)
鉄道信号ハンドブック:pp.527-528、pp.542-543