逗子 フライホイールポスト
設備廃止が確認された。
1359. 京浜急行電鉄 逗子線 ご苦労さまでした逗子フライホイールポスト(F/P)
アプローチ:逗子・葉山駅 容易 建屋だけの遠望
受電:なし
き電:逗子線 上下一括き電
フライホイールで回生電力を貯蔵、力行時に放出する。変電所が無い末端に設けられている.逗子線は、短い盲腸線にあたるため末端まで、変電所が設備されていない。
フライホイールポストを有効利用するため、上下一括き電を行っている。
上下一括き電は、金沢八景駅から逗子・葉山駅間で行われていた。
建屋屋上の冷却用クーリングタワー 重要 |
フライホイールポストにはT分岐で繋がっている 上下き電線繋ぐ上下一括き電がを実施 |
京急におけるフライホイール利用の回生車 制動時に瞬時に発生する回生電力を有効利用するためのフライホイール(機械的エネルギー蓄勢)は1981年(S56)11月に試験機として旧瀬戸変電所に設置された直流式のものが1号機となる。その後1号機の実績を踏まえ、運転効率・保守を考えた第2号機が1988年 逗子線の末端に逗子フライホイールポストして設置された。
逗子型2号機(横型)33年前 運用中 瀬戸型1号機(縦型)40年前 廃止 |
瀬戸型(直流型)を踏まえ逗子型(交流)を開発 |
逗子型と瀬戸型
逗子型は交流型(かご形誘導電動機・ブラシレス)交流誘導発電機は電圧936V3相周波数35~50Hz
冷却媒体 Heガス 制御0~35Hz 可変電圧周波数方式35~50Hz
一定電圧可変周波数方式 変換装置並列12相インバーターおよび両方構成昇降圧チョッパ
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瀬戸型は直流(他励式安定巻き線付き・界磁制御)直流電動発電機(MG)瀬戸型1号機(縦型) 廃止され現在は無い。旧瀬戸変電所は建屋のみで中身は無い。旧瀬戸変電所に有ったもので現在でも利用されているものは、き電線の受電鉄構とTEPCO66㎸の最終受電鉄構、き電線、および66㎸は旧瀬戸変電所から地中送電ケーブルで新瀬戸変電所に送られている。
逗子型 |
装置全体の冷却がHeガス方式 Heガスは水で冷却、軸受けは、潤滑油循環(冷却は水)
弱点 Heガスは、分子が小さいので漏れる、補機電源が必要で非常用ディーゼル発電機を運転、補機電源喪失から非常用発電機起動までの10秒間で軸受け給油が途絶すると焼き付くのでアキュムレーターで蓄圧して潤滑油を発電機起動まで廻す必要がある。
冷却が必要なので建屋屋上にクーリングタワーを設置等
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設置後33年経過しているので、インバーター、チョッパ部をIGBT化して改善するか装置自体を廃止して、末端に蓄電池型の回生運用設備に替える必要があると思う。
JR東日本では、中央線穴山変電所に超電導フライホイール装置の実証試験装置を2018年から設置し試験を開始している。
鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの開発について JR東日本プレスリリース
鉄道用超電導フライホイール蓄電システム東洋電機技報 第141号 2020年 pdf注意
鉄道用超電導フライホイール蓄電システム東洋電機技報 第141号 2020年 pdf注意
逗子・葉山駅近傍の踏切で見かけた、感電事故防止装置
逗子・葉山駅近くのき電線から分岐 左方向 ケーブルを追う |
ケーブルの先は、高圧カットアウトスイッチが2段直列に繋がる |
高圧カットアウトスイッチが2段直列に繋がる
工事を行う際にき電停止後に接地線を付けて、パンオーバー、誤投入等の事故を未然に防ぐ
安全装置のようだ、同様な機構を持ったものは東武線、西武線、野岩鉄道でも見られた。
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上下一括き電の状況
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駅手前で上下き電線は、合流しケーブル化される |
ケーブル化されたき電線からき電線分岐装置で上下トロリ線にき電している |
金沢八景駅まで上下一括き電は続く |
六浦駅構内は、き電線はケーブル化されるが、その手前で上下一括き電 |
神武寺駅付近の上下一括き電 |
神武寺駅付近の上下一括き電 |
金沢八景駅手前の上下一括き電 |
金沢八景駅手前まで逗子線のき電線は上下一括き電されている 奥に旧瀬戸変電所のき電引込鉄塔が見える。 |
参考資料
島津登志成ら;京浜急行電鉄(株)納め電車線用フライホイール発電電動機:三菱電機技報,Vol.63,No.8,pp.662-665,1989
桐生 政次郎;京急特集 電力・変電設備の概要:鉄道ピクトリアル,Vol.47,No.7臨増,pp.53-57,1998
内山 亮;電力・変電設備の概要 (特集
京浜急行電鉄):鉄道ピクトリアル,Vol.67,No.8臨増,pp.55-57,2017