JR鹿児島線の停電、変電所の不具合か 70本超運休、2万人影響
JR鹿児島線の大規模停電 原因は"カラス" 変電所近くで感電した1羽のカラスが見つかる 7月26日に発生し約2万人の足に影響 2025/8/8 TBSニュースダイジェスト
JR九州によると、山陽線の下関(山口県下関市)―門司(門司区)間▽鹿児島線の門司港―折尾(北九州市八幡西区)間▽日豊線の小倉―中津(大分県中津市)間――の上下線で約3時間にわたって運転を見合わせた。
引用終わり
22kV受電部 露出配線部 |
JR鹿児島線の停電、変電所の不具合か 70本超運休、2万人影響
JR鹿児島線の大規模停電 原因は"カラス" 変電所近くで感電した1羽のカラスが見つかる 7月26日に発生し約2万人の足に影響 2025/8/8 TBSニュースダイジェスト
22kV受電部 露出配線部 |
本 ブログに関係ないが、報告が遅れたことが問題であり、あえてUpする。
東京都赤十字で血液製剤1・3万本使用不能に…冷凍庫の電源喪失で、日赤は1か月後に厚労省に報告 読売新聞Web 特ダネ
以下引用
関係者や都赤十字血液センターによると、5月11日午後10時半頃、血液製剤を保管している同センター辰巳供給出張所(江東区)で、冷凍庫の電源が落ちて警報が作動した。通報で駆け付けた業者が修理して約4時間後に復旧した。引用終わり
冷凍庫の電源が落ちて警報作動までは通常の状態、温度管理システムは2系統あり、冷凍庫本体に元々付属するものと、それが故障した際の別の温度監視装置があり、これが両方とも警報を発報したようだ。
冷凍庫の扉を開けなければ冷凍庫内の温度の急上昇はないが、容量一杯に詰め込んでいる場合は温度上昇の速度が速まる。
冷凍庫のFFPを別の冷凍庫に移送して修理を行なえば問題は発生しなかったが、そんなコンテンジェンシープランは無かった。そのため保管したまま修理を行なったと推測できる。
修理後 温度管理ロガーの温度を確認したところ-20℃以上になっていたというのが真相だろう。
血液製剤の製造規範GMPの逸脱で、保存温度上昇が貯法-20度以上になったことが判明したためで 凍結状態が解除され液体になったわけではない
血漿分画製剤を ご理解いただくために 以下引用
今回は、多分全血採血からの新鮮血漿製剤なので以下の赤枠内の物となる
以下は日赤Web情報
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今回のFFPは、全血採血と血漿だけ分離する成分採血が混ざっている。 貯法温度 逸脱のFFPは緑枠内の血漿分画製剤用原料となる |
新鮮凍結 血漿(FFP・Fresh Frozen Plasma)なので赤血球は、混ざっていない。赤血球は、CPD液を加えた後、遠心分離して除かれているので単黄色の液体 これを凍結して製剤化している。
凝固因子が含まれているので凝固因子が働き凝固するのでCPD液を加えて凝固因子が働き出さないようにしている。クエン酸は凝固因子の働きを抑えるキレート剤として加えている。ブドウ糖は等張にするため。リン酸塩はPH調整
新鮮凍結血漿-LR「日赤」 添付文書
使用期限があるので、使用期限が過ぎたものは、アルブミン製剤・グロブリンの原料として再利用される。
今回は温度上昇による逸脱なので、全量廃棄とはならず北海道にある血液センターに送られるか血漿分画を行なっている製薬メーカー(JB・ベネシス・武田)に送られアルブミン製剤の原料として再利用される。
例 赤十字アルブミン25%製剤 添付文書
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アルブミン製剤は保存は室温で保管できる。 カプリル酸は血漿製剤からγグロブリン製剤を使用する際に使われる。 不要化ヘパリンによる吸着処理は、血液凝固因子の除去に使われる |
報告が一番遅れたのは問題となる。GMPの逸脱なので保管管理責任者の責任は重大であると考える。
高崎線 鴻巣⇔籠原間 変電所発災
JR東日本情報 収束
7月11日9時50分 配信
— JR東日本【東北・高崎方面】運行情報 (公式) (@JRE_F_Toho_Taka) July 11, 2025
高崎線:『運転再開』…
以下引用
7月11日9時50分 配信
高崎線:『運転再開』 火災は発生していない。
高崎線は、送電設備点検の影響で、東京〜高崎駅間の上下線で運転を見合わせていましたが、9時41分頃に運転を再開し、上野〜高崎駅間の上下線の一部列車に遅れがでています。東海道線への直通運転を中止し、上野〜東京駅間の上下線で運休となっています。目的地まで通常より大幅に時間を要する場合があります。
引用終わり
この間の変電所は、以下の通り
籠原駅、鴻巣駅が生きていてその間が き電停止だと考えると、吹上変電所か熊谷変電所で発災。
籠原変電所と吹上変電所は連絡送電線で結ばれているので吹上変電所が生きている(鴻巣駅まで運行可能)と考えると、発災変電所は熊谷変電所となる。
熊谷変電所は、籠原変電所から別系統で受電しているので籠原変電所の熊谷方の連絡送電線を落とせば66kV受電停止となる。
65. JR東日本 熊谷変電所(直流))←熊谷き電区分所SPからの昇格ブログリンク
もともとき電区分所だったが、高崎線の運行本数が増えたため電圧降下が熊谷で大きくなり熊谷変電所を新設した経緯があるので、両端の変電所が生きていれば折り返し運転ができるはず。
さらに言えば、熊谷変電所から出ている き電線を切り離して、籠原変電所、吹上変電所からの片送りで熊谷変電所をパスして運行可能と思われる。
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熊谷変電所 最新画像
旧画像との変更点は、き電線の変電所外切替設備が追加されている。この設備が追加されたため、熊谷変電所き電切り離し、延長き電が簡単にできるようになった。 JR東日本としては変電所異常時の切り離し対策を進めていたおかげで早期運行に繋がった。 |
![]() |
変電所 異常時の切り離し断路器の運用 この図の場合 片方のき電回路しか書かれていないが、両側にある。また延長き電用の断路器が書かれていない。 この辺の詳細は以下の記事参照 |
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熊谷変電所外観 この画像は古い |
NHK 群馬 News Webから引用
以下引用
JR高崎線は、午前8時20分すぎに埼玉県熊谷市の熊谷駅近くで送電トラブルが起きた影響
引用終わり
この情報から熊谷駅近くの発災変電所は熊谷変電所となることが確定。
JE東日本で原因が特定された。
山形新幹線 E8系車両故障の調査結果と対策及び今後の運転計画について 7月22日JR東日本
従来の補助電源装置より大きな制御電流が流れる理由が特定の半導体と制御基板の組み合わせで発生。 |
IBGTのゲート電流 |
E8系は20,000/25,000Vの複電圧電車で運行されている。主変圧器は2台で複電圧区間運行時にはタップ切替はせず、SIVのCVCFコンバーターと主変換機VVVFコンバーターで5,000Vの電圧差をコントロール(EH-800電気機関車はSIVの容量が大きいので複電圧区間運行時は主変圧器でSIV供給電源だけタップ切替を行なう)して出力している。
言ってみればSIVはAC-DCのスイッチング電源(入力100~220VAC 出力12Vみたいな感じ)の大がかりなものと見てよいと思う。今回の故障個所はSIV内の変換素子IGBTが大きく損傷している。
E8系の構成は以下の通り
(東京方)Msc+T1+M1+M2+M3+T2+Mc(山形方)の構成で
T1とT2にパンタグラフと主変圧器、MscとMcに主変換装置とSIV M1~M3に主変換装置が搭載されている。
パンタグラフは1台で全て運用しT2のパンタグラフを使用している模様(理由:4月23日の奥羽線在来線でのパンタグラフ故障で波及してつばさ140号に16号車(T2)のパンタグラフが損傷。乗客を福島駅で下ろしたあと12号車(T1)のパンタグラフを上げて走行している)
T2の床下機器には特高引き廻し用の断路器があるので12号車(T1)と16号車(T2)は天井上の特高ケーブルで結ばれている。すなわちT2で集電された電力はT2床下機器の特高断路器でT1に送られてT1の主変圧器にも供給されている
山形新幹線 現在の調査経過と当面の対応について JR東日本 6月25日発表
4編成で6台のSIVが故障とあるが1編成で2台のSIVが載っており全部で8台であるがそのうち6台が故障している。1編成で2台故障しているのか1台なのかは、明示されてない。
JR資料から引用 正確には冷却用ブロワーは動かすことができたが冷却用ブロワーを制御する電源が故障した ブロワー電源はSIVを経由していない |
この損傷している素子は三菱電機製のIGBT素子であることが判明しているとのWeb情報が拾える。
現在 現在E8系は東京ー仙台間で2編成がやまびこ運用に充当され、さらに1編成が加わるが東北新幹線内の25,000Vの架線電圧区間のみでの運行となる。
山形新幹線 現在の調査経過と当面の対応について 2025年7月9日
この対応について以下引用
現在山形新幹線内に留置しているE8系を、深夜時間帯に東北新幹線内に順次回送し、東北新幹線を17両で運転する列車を増便します。
引用終わり
もしSIV内のIGBT素子が異常なら、25,000V区間の運行も取りやめているはず。なのに運行することができるのは複電圧区間を跨ぐ区間の運行で問題が発生してしている可能性が大きいと考えるのが普通。(調べたらG1~G6編成が故障無で運行できている・製造会社が違う)なので原因が複電圧の可能性は低くなった。IGBT素子のLot差からくる問題の可能性大
一般的に20,000V区間の架線電圧範囲は17,000~22,000V -15%~+10%
25,000V区間の架線電圧範囲は21,500V~27,500V -15%~+10%
標準で5,000Vの電圧差を福島の異電圧デッドセクションを通過するごとにSIVで吸収している。
一般的に主変圧器三次電圧のSIVの入力電圧は400Vで+20%~-28%(E3系)288V~480Vの入力範囲で100Vは±10%で出力されている。E3系の場合 (E8系は不明)
三菱電機技報 1998年6月号、三菱電機から引用 |
20,000V区間の低い方17,000Vで288Vとして20,000V区間では約340V、25,000V区間の高い方27,500Vで480Vでは25,000V区間では約440V どちらも340V~440Vの出力範囲なのでSIVの入力電圧範囲に入っている。
以下は外した与太話
異電圧を跨ぐ場合一瞬デッドセクションで架線電圧は0Vになり、再度架線電圧まで加圧される。その瞬間には主変圧器がつながったままなので、突入電流により不利な残留磁束の極性(すなわち、印加電圧からの瞬時磁束に加算される残留磁束)と不利な投入位相(例えば、電圧ゼロクロス付近)で磁気飽和(「リンキング」)が発生。そのノイズがSIVのIGBTに加わりゲート開閉時間が不揃いになり徐々に劣化して最終的に破壊。また特高引き回しケーブルによる残留電圧(コンデンサのような作用)によってもサージ電圧が発生する場合があるようだ。
以下引用
パンタグ ラフ上昇やセクション通過、VCB(真空遮断 器)の入切など特別高圧ケーブル(特高ケー ブル)の電圧が急変すると、特高ケーブルの 遮へい層に電圧が誘起される。遮へい層は 車体と接続されているため、誘起された電 圧は車体電位の変化となる。この車体電位 の変化が車上機器に影響を及ぼし、誤動作 や機器損傷の原因となる。
引用終わり
このシナリオだとSIVの設計し直しになる可能性大。G1~G6編成との違いはどこにあるのか?IGBT素子のロット差か
25,000V区間だけ運行している場合でも、架線電圧が0になる瞬間が変電所と き電区分所で起こる。しかしG1~G6編成は今は故障してない。
2025/07/15時点で 特定ロットの半導体素子(IGBT)とそれを制御する特定の基板の組み合わせで半導体素子の誤動作が発生することが判明したようだ。しかし原因の特定には至っていない。
IRいしかわ鉄道 津端駅から分岐するJR西日本 飛び地七尾線のデッドセクション
七尾線は当初非電化で運行されていたが1989年電化が検討された。接続する北陸本線(当時)が交流電化であったため交流電化及び直流電化の両者の建設費の比較が行われた。
もともと非電化のため途中のトンネル、跨線橋など交流対応すると空頭が不足する。盤下げに費用が掛かるなどにより直流電化が選択され、津端駅から分岐先過ぎに交直デッドセクション(60m)が設けられている。直流電化でも跨線橋、トンネル通過には特殊な架線吊架法が採用されている。
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交流から直流へ 交直セクション切替の表示あり 単線なので交流→直流の2段デッドセクション構成で固定 |
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交直セクション通過中 丁度初めのデッドセクションを抜け無電圧区間を進行中 手前 津端駅方(交流) |
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由緒正しい電照式架線死区間標識 |
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別角度 |
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デッドセクション直下の線条絶縁部 両端の線条が絶縁されている。(白色部分) 左 交流側 右 直流側 |
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交流側 小型インピーダンスボンド 中性点にケーブル接続 BT区間なので吸上げ用でNFに繋がる |
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交流側インピーダンスボンド中性点に繋がるNF |
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交流側なので小型 |
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直流側はケーブルが太い |
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直流側インピーダンスボンド 中性点には何も繋がっていない |
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直流側 |
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直流き電 き電線硬アルミ撚り線 510㎟×2条 中央にに監視カメラ |
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直流→交流 電照式架線死区間標識 点灯中 |
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交流→直流 電照式架線死区間標識 点灯中 |
おまけ
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七尾線 直流電化 変電所と供給 北陸電力 送電線 七尾変電所(末端変電所)から和倉温泉駅までは510㎟×3条 |
七尾変電所 66kV 2回線架空送電線受電 末端方向に3条の510㎟のき電線が伸びる
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直流でも空頭が無いため特殊な架線吊架法を採用 |
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Google Street Viewから免田駅の跨線橋部 MT3線式 |
参考資料
松浦久徳;〔新しいプロジェクト〕 七尾線電化における工事費節減の取り組み :鉄道と電気技術Vol.3,No.2,pp.69-74,1992
新上越変電所の周辺には、この154kV 50Hzの西上越線だけしか通過していない。0710が新上越変電所の供給線となる。 |
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現行ルート上の変電所SSとき電区分所SP位置 アルプスルートAと糸魚川ルートB |
北陸電力 154kV系統図 |
富山地鉄本線の一部、立山線の廃止が取り沙汰されている。地鉄側は自治体の支援がなければ今年11月にも国へ廃止届を提出とのこと。 富山地鉄の廃線危機、行政の対応が遅すぎ! 必要なら「まずは残せ」 マイナビニュース 掲載日 2025/08/09 08:...