2025年7月26日

1503. JR九州 門司変電所が落ちた 2025/7/26

 JR鹿児島線の停電、変電所の不具合か 70本超運休、2万人影響


JR鹿児島線の大規模停電 原因は"カラス" 変電所近くで感電した1羽のカラスが見つかる 7月26日に発生し約2万人の足に影響 2025/8/8 TBSニュースダイジェスト

以下一部引用

JR九州によると、山陽線の下関(山口県下関市)―門司(門司区)間▽鹿児島線の門司港―折尾(北九州市八幡西区)間▽日豊線の小倉―中津(大分県中津市)間――の上下線で約3時間にわたって運転を見合わせた。

引用終わり

小倉き電区分所で鹿児島本線の次変電所 折尾変電所とき電区分
南小倉き電区分所で日豊本線の次変電所 朽網変電所とき電区分 日豊本線が中津なのが不思議
山陽本線 下関ー門司間は、直流き電で並列き電

 Web情報を拾ってみると交流き電系と高配が落ちており信号、駅構内の情報ターミナルも落ちている。

 一番心配なのは関門トンネル内の排水を行なう系も落ちたはず。ここは最重要な箇所なので下関変電所からの送電でポンプを動かしているはず。

 やらかしたのは門司変電所で間違いない。

 門司変電所の特殊性として交直接続駅なので直流変電所部分も落ちている。スコット結線変圧器のM座、T座をカスケード接続しており、停電範囲が広くなっている。

 交流き電、直流き電、高配系全部が落ちるとすると、門司変電所のC-GIS部の22㎸受電部の大元がやられている。しかし3時間後に復旧しているので門司変電所の九州電力からの受電回線2回線の内1回線が絶縁不良等で地絡発生 停電 不良1回線を切り離し、C-GIS盤の健全性を確認 2回線目からの受電変更で復活したと推測できる。

New
 カラスの感電死骸が見つかったとのことで、受電系統の露出配線部分でのカラスによる地絡発生が濃厚。受電は2系統あり1系統はC-GIS直結、もう1回線が露出配線なのでこちらの露出配線部での地絡だろう。

  高配の変圧器はケーブル接続で露出部は無い。き電系は露出配線だが地絡事故が起きればき電系だけが落ちる。今回はき電系と高配系が両方落ちているので、おおもとの22kV受電系統の露出配線部での地絡ならば、き電系、高配系両方が落ちる。

22kV受電部 露出配線部


2025年7月15日

1502.  日赤 廃棄血液製剤(FFP)の事案解説 番外

本 ブログに関係ないが、報告が遅れたことが問題であり、あえてUpする。

東京都赤十字で血液製剤1・3万本使用不能に…冷凍庫の電源喪失で、日赤は1か月後に厚労省に報告 読売新聞Web 特ダネ

以下引用

 関係者や都赤十字血液センターによると、5月11日午後10時半頃、血液製剤を保管している同センター辰巳供給出張所(江東区)で、冷凍庫の電源が落ちて警報が作動した。通報で駆け付けた業者が修理して約4時間後に復旧した。
 だが、温度監視システムを確認したところ、冷凍保管の基準温度(マイナス20度以下)を上回る状態が2時間半続いていたことが判明。120ミリ・リットル容量の1691本、240ミリ・リットルの1万1796本、480ミリ・リットルの261本のFFPが使えなくなった。

引用終わり

 冷凍庫の電源が落ちて警報作動までは通常の状態、温度管理システムは2系統あり、冷凍庫本体に元々付属するものと、それが故障した際の別の温度監視装置があり、これが両方とも警報を発報したようだ。

 冷凍庫の扉を開けなければ冷凍庫内の温度の急上昇はないが、容量一杯に詰め込んでいる場合は温度上昇の速度が速まる。

  冷凍庫のFFPを別の冷凍庫に移送して修理を行なえば問題は発生しなかったが、そんなコンテンジェンシープランは無かった。そのため保管したまま修理を行なったと推測できる。

 修理後 温度管理ロガーの温度を確認したところ-20℃以上になっていたというのが真相だろう。

 血液製剤の製造規範GMPの逸脱で、保存温度上昇が貯法-20度以上になったことが判明したためで 凍結状態が解除され液体になったわけではない

血漿分画製剤を ご理解いただくために 以下引用


今回は、多分全血採血からの新鮮血漿製剤なので以下の赤枠内の物となる


 以下は日赤Web情報

今回のFFPは、全血採血と血漿だけ分離する成分採血が混ざっている。
貯法温度 逸脱のFFPは緑枠内の血漿分画製剤用原料となる


 新鮮凍結 血漿(FFP・Fresh Frozen Plasma)なので赤血球は、混ざっていない。赤血球は、CPD液を加えた後、遠心分離して除かれているので単黄色の液体 これを凍結して製剤化している。

 凝固因子が含まれているので凝固因子が働き凝固するのでCPD液を加えて凝固因子が働き出さないようにしている。クエン酸は凝固因子の働きを抑えるキレート剤として加えている。ブドウ糖は等張にするため。リン酸塩はPH調整

新鮮凍結血漿-LR「日赤」 添付文書

原則 1採血者=1バックとなる。

 使用期限があるので、使用期限が過ぎたものは、アルブミン製剤・グロブリンの原料として再利用される。

 今回は温度上昇による逸脱なので、全量廃棄とはならず北海道にある血液センターに送られるか血漿分画を行なっている製薬メーカー(JB・ベネシス・武田)に送られアルブミン製剤の原料として再利用される。

例 赤十字アルブミン25%製剤 添付文書

アルブミン製剤は保存は室温で保管できる。
カプリル酸は血漿製剤からγグロブリン製剤を使用する際に使われる。
不要化ヘパリンによる吸着処理は、血液凝固因子の除去に使われる

 カプリル酸処理は温和な方法で簡単にグロブリンが得られるが、カプリル酸は臭い。実験中に匂いが衣服に染み付き後まで残る。その匂いは一口で言えば腋臭!!

 報告が一番遅れたのは問題となる。GMPの逸脱なので保管管理責任者の責任は重大であると考える。




2025年7月11日

1501. JR東日本 高崎線 鴻巣⇔籠原間 変電所発災 収束

 高崎線 鴻巣⇔籠原間 変電所発災

JR東日本情報 収束

以下引用

7月11日9時50分 配信

高崎線:『運転再開』 火災は発生していない。

 高崎線は、送電設備点検の影響で、東京〜高崎駅間の上下線で運転を見合わせていましたが、9時41分頃に運転を再開し、上野〜高崎駅間の上下線の一部列車に遅れがでています。東海道線への直通運転を中止し、上野〜東京駅間の上下線で運休となっています。目的地まで通常より大幅に時間を要する場合があります。

引用終わり



この間の変電所は、以下の通り


 籠原駅、鴻巣駅が生きていてその間が き電停止だと考えると、吹上変電所か熊谷変電所で発災。

1046. JR東日本 高崎線 電化今昔 高崎線全変電所

 籠原変電所と吹上変電所は連絡送電線で結ばれているので吹上変電所が生きている(鴻巣駅まで運行可能)と考えると、発災変電所は熊谷変電所となる。

 熊谷変電所は、籠原変電所から別系統で受電しているので籠原変電所の熊谷方の連絡送電線を落とせば66kV受電停止となる。

65.  JR東日本 熊谷変電所(直流))←熊谷き電区分所SPからの昇格ブログリンク

 もともとき電区分所だったが、高崎線の運行本数が増えたため電圧降下が熊谷で大きくなり熊谷変電所を新設した経緯があるので、両端の変電所が生きていれば折り返し運転ができるはず。

 さらに言えば、熊谷変電所から出ている き電線を切り離して、籠原変電所、吹上変電所からの片送りで熊谷変電所をパスして運行可能と思われる。

 最新の画像では、き電線の変電所外切替断路器があるので、この断路器で延長き電操作を行なえば運行再開は早い。

熊谷変電所 最新画像 
 旧画像との変更点は、き電線の変電所外切替設備が追加されている。この設備が追加されたため、熊谷変電所き電切り離し、延長き電が簡単にできるようになった。

JR東日本としては変電所異常時の切り離し対策を進めていたおかげで早期運行に繋がった。

変電所 異常時の切り離し断路器の運用
 この図の場合 片方のき電回路しか書かれていないが、両側にある。また延長き電用の断路器が書かれていない。

 この辺の詳細は以下の記事参照


熊谷変電所外観 この画像は古い

 NHK 群馬 News Webから引用

JR高崎線 東京〜高崎全線で運転見合せ 送電トラブル

以下引用

JR高崎線は、午前8時20分すぎに埼玉県熊谷市の熊谷駅近くで送電トラブルが起きた影響

引用終わり

この情報から熊谷駅近くの発災変電所は熊谷変電所となることが確定。



参考資料 変電所切り離しについて
金子顕ら;JR東日本電機部門の輸送障害防止の取組み(電力編):鉄道と電気技術,Vol.23,No.12,pp.26-31,2012




2025年7月9日

1500. JR東日本 E8系(G7〜G11編成)の故障原因 複電圧架線電圧から見た与太話 随時改変

JE東日本で原因が特定された。

山形新幹線 E8系車両故障の調査結果と対策及び今後の運転計画について 7月22日JR東日本


 従来の補助電源装置より大きな制御電流が流れる理由が特定の半導体と制御基板の組み合わせで発生。


IBGTのゲート電流

 E8系は20,000/25,000Vの複電圧電車で運行されている。主変圧器は2台で複電圧区間運行時にはタップ切替はせず、SIVのCVCFコンバーターと主変換機VVVFコンバーターで5,000Vの電圧差をコントロール(EH-800電気機関車はSIVの容量が大きいので複電圧区間運行時は主変圧器でSIV供給電源だけタップ切替を行なう)して出力している。

 言ってみればSIVはAC-DCのスイッチング電源(入力100~220VAC 出力12Vみたいな感じ)の大がかりなものと見てよいと思う。今回の故障個所はSIV内の変換素子IGBTが大きく損傷している。

E8系の構成は以下の通り

(東京方)Msc+T1+M1+M2+M3+T2+Mc(山形方)の構成で

 T1とT2にパンタグラフと主変圧器、MscとMcに主変換装置とSIV M1~M3に主変換装置が搭載されている。

 パンタグラフは1台で全て運用しT2のパンタグラフを使用している模様(理由:4月23日の奥羽線在来線でのパンタグラフ故障で波及してつばさ140号に16号車(T2)のパンタグラフが損傷。乗客を福島駅で下ろしたあと12号車(T1)のパンタグラフを上げて走行している)

 T2の床下機器には特高引き廻し用の断路器があるので12号車(T1)と16号車(T2)は天井上の特高ケーブルで結ばれている。すなわちT2で集電された電力はT2床下機器の特高断路器でT1に送られてT1の主変圧器にも供給されている

 

山形新幹線 現在の調査経過と当面の対応について JR東日本 6月25日発表

 4編成で6台のSIVが故障とあるが1編成で2台のSIVが載っており全部で8台であるがそのうち6台が故障している。1編成で2台故障しているのか1台なのかは、明示されてない。



JR資料から引用
正確には冷却用ブロワーは動かすことができたが冷却用ブロワーを制御する電源が故障した
ブロワー電源はSIVを経由していない

 この損傷している素子は三菱電機製のIGBT素子であることが判明しているとのWeb情報が拾える。

 現在 現在E8系は東京ー仙台間で2編成がやまびこ運用に充当され、さらに1編成が加わるが東北新幹線内の25,000Vの架線電圧区間のみでの運行となる。

山形新幹線 現在の調査経過と当面の対応について 2025年7月9日

この対応について以下引用

 現在山形新幹線内に留置しているE8系を、深夜時間帯に東北新幹線内に順次回送し、東北新幹線を17両で運転する列車を増便します。 

引用終わり

 もしSIV内のIGBT素子が異常なら、25,000V区間の運行も取りやめているはず。なのに運行することができるのは複電圧区間を跨ぐ区間の運行で問題が発生してしている可能性が大きいと考えるのが普通。(調べたらG1~G6編成が故障無で運行できている・製造会社が違う)なので原因が複電圧の可能性は低くなった。IGBT素子のLot差からくる問題の可能性大

一般的に20,000V区間の架線電圧範囲は17,000~22,000V  -15%~+10%

25,000V区間の架線電圧範囲は21,500V~27,500V -15%~+10% 

 標準で5,000Vの電圧差を福島の異電圧デッドセクションを通過するごとにSIVで吸収している。

 一般的に主変圧器三次電圧のSIVの入力電圧は400Vで+20%~-28%(E3系)288V~480Vの入力範囲で100Vは±10%で出力されている。E3系の場合 (E8系は不明)

 三菱電機技報 1998年6月号、三菱電機から引用

 20,000V区間の低い方17,000Vで288Vとして20,000V区間では約340V、25,000V区間の高い方27,500Vで480Vでは25,000V区間では約440V どちらも340V~440Vの出力範囲なのでSIVの入力電圧範囲に入っている。


以下は外した与太話

 異電圧を跨ぐ場合一瞬デッドセクションで架線電圧は0Vになり、再度架線電圧まで加圧される。その瞬間には主変圧器がつながったままなので、突入電流により不利な残留磁束の極性(すなわち、印加電圧からの瞬時磁束に加算される残留磁束)と不利な投入位相(例えば、電圧ゼロクロス付近)で磁気飽和(「リンキング」)が発生。そのノイズがSIVのIGBTに加わりゲート開閉時間が不揃いになり徐々に劣化して最終的に破壊。また特高引き回しケーブルによる残留電圧(コンデンサのような作用)によってもサージ電圧が発生する場合があるようだ。

以下引用

 パンタグ ラフ上昇やセクション通過、VCB(真空遮断 器)の入切など特別高圧ケーブル(特高ケー ブル)の電圧が急変すると、特高ケーブルの 遮へい層に電圧が誘起される。遮へい層は 車体と接続されているため、誘起された電 圧は車体電位の変化となる。この車体電位 の変化が車上機器に影響を及ぼし、誤動作 や機器損傷の原因となる。

引用終わり

 このシナリオだとSIVの設計し直しになる可能性大。G1~G6編成との違いはどこにあるのか?IGBT素子のロット差か

 25,000V区間だけ運行している場合でも、架線電圧が0になる瞬間が変電所と き電区分所で起こる。しかしG1~G6編成は今は故障してない。

 2025/07/15時点で 特定ロットの半導体素子(IGBT)とそれを制御する特定の基板の組み合わせで半導体素子の誤動作が発生することが判明したようだ。しかし原因の特定には至っていない。


 

2025年7月2日

1499. 北陸巡検4 JR西日本 七尾線 交直デッドセクション 単線

 IRいしかわ鉄道 津端駅から分岐するJR西日本 飛び地七尾線のデッドセクション

 七尾線は当初非電化で運行されていたが1989年電化が検討された。接続する北陸本線(当時)が交流電化であったため交流電化及び直流電化の両者の建設費の比較が行われた。

 もともと非電化のため途中のトンネル、跨線橋など交流対応すると空頭が不足する。盤下げに費用が掛かるなどにより直流電化が選択され、津端駅から分岐先過ぎに交直デッドセクション(60m)が設けられている。直流電化でも跨線橋、トンネル通過には特殊な架線吊架法が採用されている。

交流から直流へ 交直セクション切替の表示あり
単線なので交流→直流の2段デッドセクション構成で固定

交直セクション通過中 丁度初めのデッドセクションを抜け無電圧区間を進行中
手前 津端駅方(交流)

由緒正しい電照式架線死区間標識

別角度

デッドセクション直下の線条絶縁部 両端の線条が絶縁されている。(白色部分)
左 交流側 右 直流側


交流側の線条からケーブルが伸びてインピーダンスボンドに繋がる


交流側 小型インピーダンスボンド 中性点にケーブル接続
BT区間なので吸上げ用でNFに繋がる 

交流側インピーダンスボンド中性点に繋がるNF


交流側なので小型



直流側はケーブルが太い


直流側インピーダンスボンド 中性点には何も繋がっていない

直流側

直流き電 き電線硬アルミ撚り線 510㎟×2条
中央にに監視カメラ


直流→交流 電照式架線死区間標識 点灯中


交流→直流 電照式架線死区間標識 点灯中

おまけ

七尾線 直流電化 変電所と供給 北陸電力 送電線
七尾変電所(末端変電所)から和倉温泉駅までは510㎟×3条

能瀬変電所 77kV 2回線架空送電線受電

免田変電所 66kV 1回線架空送電線受電

羽昨変電所 66kV 1回線地中送電線受電

能登部変電所 66kV 1回線地中送電線受電

七尾変電所 66kV 2回線架空送電線受電 末端方向に3条の510㎟のき電線が伸びる


 

直流でも空頭が無いため特殊な架線吊架法を採用



Google Street Viewから免田駅の跨線橋部 MT3線式


参考資料

松浦久徳;〔新しいプロジェクト〕 七尾線電化における工事費節減の取り組み :鉄道と電気技術Vol.3,No.2,pp.69-74,1992



2025年7月1日

1498. JR西日本 如何にして北陸新幹線は東北電力管内50Hz地区を通過することになったか?

端的に言えば 糸魚川静岡構造線の地下を避けるためである。

 この部分を避けるために迂回せざる終えなかった。しかし土木技術者はもっと壮大な夢を持っていた。それはアルプスルート なんと唐松馬岳直下と黒部渓谷の黒部渓谷鉄道の終点 欅平直下を横断する約70㎞のトンネルルートも思い描いていた。 
 この場合黒部周辺の破砕帯、高熱隧道を避けることができないのでルート案だけで終わっている。迂回ルートの場合でも飯山トンネルの膨張泥岩、天然ガス問題は避けることができないわけだが、アルプスルートよりも先人の経験(北越急行・鍋立山トンネル)が生かされる。
 この迂回のため新潟県の50Hz地域の走行が必要となり、新上越変電所だけがJR西日本管轄で東北電力50Hz受電となっている。
 新上越変電所の周辺には、この154kV 50Hzの西上越線だけしか通過していない。0710が新上越変電所の供給線となる。

1491. 北陸巡検2 JR西日本 北陸新幹線 新上越変電所 デマンドオーバーには注意 150万円/回

 もうひとつ挙げるとすれば長野オリンピック開催の輸送力確保との大題目があったため。長野駅経由が必須であった。下のルート図では長野の下 川中島から大きくカーブして長野駅を経由していない。最短で北陸と東京を結ぶには長野駅経由は考慮されていなかった。
 
 長野県してはオリンピック終了後の観光資源活性化のためにも迂回ルートが押しであり、機構としても通し易い飯山経由を選択するのが一番の得策と考えていた。たとえそれが60Hz-50Hz-60Hzの地区通過としても、既に軽井沢で50Hz-60Hzの通過実績もあるし地上設備だけで完結する。
 ただJR西日本としては機構から移管後1ヶ所だけ50Hzの変電所を入れなくてはならず、デマンドオーバーに注意が必要になった。



白馬駅は地下150mに設置する壮大なで荒唐無稽な計画であった。

現行ルート上の変電所SSとき電区分所SP位置
アルプスルートAと糸魚川ルートB

電力供給の原則(一部例外箇所がある)
 一都県 一電力会社が原則 富山県=北陸電力、新潟県=東北電力、長野県=中部電力

 時として技術者は、突拍子もない無い計画を立てる。同様な例では、在来線の碓氷峠越えで軽井沢駅が地下350m(d案)に設けられるというものもあった。


閑話休題

 さて迂回地区の50Hz地域を通らないで、かつ北陸電力管内の変電所で完結されるためにはアルプスルートのほか千国の下を通すルートも存在していた。しかし糸魚川周辺に北陸電力の154kV送電線が存在せず新幹線用の変電所を設けることはできない。

 この場合 現在の新長野変電所(JR東日本管轄・中部電力60Hz)の位置を変更し、中部電力の中信北信線154kVが通過している川中島付近に変電所(中部電力60Hz・JR東日本管轄にする)を設け、現在の新黒部変電所(JR西日本管轄・北陸電力60Hz)との中間 大糸線平岩付近の地下部にき電区分所を設ければ60Hzで一気通貫でJR西日本は北陸電力で受電を統一できたわけだが、このルートも癖があり糸魚川静岡構造線を地下で通過する必要がある。まったく未知の部分に北陸新幹線を通す必要がある。そのため無難な迂回ルートが採用された。
 
北陸電力 154kV系統図



 結局 無難な迂回ルートを経由 新潟県の東北電力からの受電が必要となった。






参考資料(順不同)
吉村恒;横川ー軽井沢間(アプト区間)改良計画/信越線 Ⅰ 線増工事について:電気鉄道,Vol.15,No.11,pp2-12,1961


鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社;北陸新幹線工事誌 : 長野・糸魚川間:2017,3

変電設備から見た富山地鉄本線、立山線の危機 マイナビニュース 杉山淳一氏の記事を読んで

1509. 変電設備から見た富山地鉄本線、立山線の危機 マイナビニュース 杉山淳一氏の記事を読んで

  富山地鉄本線の一部、立山線の廃止が取り沙汰されている。地鉄側は自治体の支援がなければ今年11月にも国へ廃止届を提出とのこと。 富山地鉄の廃線危機、行政の対応が遅すぎ! 必要なら「まずは残せ」             マイナビニュース 掲載日 2025/08/09 08:...

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