2026年1月30日

1543. JR東日本 上野駅での停電による輸送障害(山手・京浜は運行)2026/1/30

上野駅での停電による輸送障害(山手・京浜は運行)2026/1/30

キーとなるのが上野にある上野直流変電所

227. JR東日本 上野交流変電所と上野直流変電所とその周辺 

そのほか上野直流変電所を中心として北方面に

41.  JR東日本 日暮里変電所(直流)とその周辺 (常磐線にき電)

南方面に

224. JR東日本 神田交直流変電所(直流併用)とその周辺

が設置されている。

停電が以下の線区 8時現在

宇都宮線、高崎線、常磐線、上野東京ライン(東京ー上野間)

停電が以下の線区 9時現在

常磐線のみ

原因は、常磐線架線切断による停電で上記線区へのき電を停止しているため

宇都宮線、高崎線、運行再開 常磐線だけが停電とのことで架線切断は常磐線単独区間

山手線、京浜東北線は、上野駅構内のき電系統が違うので運行できる。

上野駅構内の配線(出典:配線略図.Net、https://www.haisenryakuzu.net/)
上野駅の配線構成(赤の部分)は複雑になっている。
 常磐線は上野駅構内では高崎、宇都宮との共用部分が多いので常磐線架線切断の波及事故で運行停止(上野駅停電と報道)

上から 
山手内・京浜北、山手外・京浜南、東北(宇都宮・高崎)下り常磐上下、東北(宇都宮・高崎)上り常磐上下、
地上ホーム(上野止まり)
東北(宇都宮・高崎)下り、常磐下
のホーム構成

常磐線だけが架線切断で運行できないので、切断した箇所は日暮里以北と思ったが10番線での架線切断事故だった。 9時現在

上野駅構内の配線(出典:配線略図.Net、https://www.haisenryakuzu.net/)
上野駅の10番線赤の部分で架線切断

路地裏の超特急さんの「X」投稿から引用


 切れたのはパンタグラフの下 丁度 交直切替遮断器・断路器がある部分。

直流避雷器に煤がついている、手前の交流主ヒューズは健全のように見える

 屋根上にあるVCB機能不全で、その先にある断路器を交流側に切替た時に過大電流が流れて架線切断?しかし主ヒューズが健全(抜けてない)のように見える。

 または直流側避雷器の機能不全で導通?地絡発生 高抵抗接地状態発生で架線溶断。

 停車時はパンタグラフと架線は点接触パンタグラフ側が高抵抗地絡になれば、点接触部が過熱その後溶断、溶断した架線が車体に触れれば⊿I形故障選択装置が働き直流高速度遮断器が解放される。車体に触れて穴が開いている画像があるが変電所側の架線だから大電流が流れている。

TBSNewsダイジェストから引用 
断路器のブレードは直流側に切り替わっているように見える

TBSNewsダイジェストから引用 別角度
赤丸 断路器のブレードは直流側に切り替わっているように見える
交流側主ヒューズは抜けてないように見える

 この状態から一番先に落ちたのは上野変電所、連係で周辺の山手、京浜以外の変電所がき電停止(日暮里変電所)。だから最初に上野駅停電と出た。

JR東日本からのプレスリリース

常磐快速線 停電に伴う輸送障害について 2026年1月30日 東日本旅客鉄道株式会社




2026年1月28日

1542. JR東日本 田町駅 動力式検電接地装置の不全による輸送障害 独自視点による推論・解析

 JR東日本 田町駅 動力式検電接地装置の不全による輸送障害の独自視点(推論)による解析

 JR東日本の2回の田町駅の事案について読み込めば読み込むほど不明な点が出てくるので、独自視点による解析を行なった。 

 「私は専門家ではない。ゆえに、私の推論には誤解や見落としが含まれている可能性がある。2013年から約13年間、ブログを通じて技術事象を記録し続けてきた。その中で貫いてきたのは、不都合な真実から目を逸らさず、論理的な可能性を提示するスタンスである。
 本稿は、JR東日本 田町駅で発生した動力式検電接地装置の不全による輸送障害について、公開された事実と技術的背景から、独自の視点で試みた推論・解析である。」

その前におさらい

動力式検電接地装置とは何か

(出典:JR東日本,青柳ら:直流電車線路用動力式検電接地装置の改良:鉄道サイバネ・シンポジウム論文集(CD-ROM);2005,論文番号608)

通常の停電作業は、電力係員が出向き、電力指令と連絡を取り、検電棒で検電を行う。

 無加圧を確認の後、ジャンパ線で架線とレール間を接地する。この作業を電車線1本ごとに行うことになり手間も掛かる。この装置を利用すると接地作業費用の削減、作業時間の拡大が可能になる装置で、駅に設置されているのは、この装置の改良型で音声での案内・青パトライトでの停電の明示を行う。また装置下部の線路に繋がる接地線には、線路側の電位が高まった際に架線への電流の逆流を防ぐ整流素子がモールドされたサーキットセーフティーパック(指月電機製)が設置されている例もある。

  装置は、三和テッキ製であり東日本電気エンジニアリングが保守を担当している。接地回路は、大電流が流れるわけではなく地絡継電器を作動させれば良いだけなので、交流用の電磁開閉器を利用し安価に製造できている。

動力式検電接地装置 新宿駅設置例

具体的動作(参考資料より抜粋と追記)

(1) 初期状態:接地器は解放

(2) 検電接地装置の操作扉を鍵で解放すると扉スイッチが入り、加圧検知を開始(検電作業)

(3) 加圧中の場合には「接地取付」ボタンを押しても接地器を投入できない

(4) 停電責任者は電力指令へ停電作業に着手申込を行い作業許可を得る(電車線路停電)

(5) 電車線路停電後、停電責任者が「接地取付」ボタンを押すと接地器が投入される

停電責任者が指示する接地取付作業に相当

(6) 停電工事(作業)開始

(7) 停電責任者が作業責任者から作業終了報告を受ける

(8) 「接地取外」ボタンを押すと接地器が解放 

停電責任者が指示する接地取外作業に相当 

(9) 停電責任者は電力指令へ停電工事終了報告を行う

(10)所定の時刻で電車線路に送電

(2)~(8)における状況は回転灯(パトライト)・表示装置により表示 音声応答装置から音声により通知


動力式検電接地装置の構造

上下線のき電吊架線からT分岐したケーブルが引き込まれて
スイッチで一括入り切りできる構造

山手線側の動力式検電接地装置の内部 焼損部位は見られない←ここ重要

 高円寺駅に設置された動力式検電接地装置内部のスイッチは高圧真空電磁接触器で富士電機の以下のカタログ内にあるHN46A形が使用されている。田町駅の動力式検電接地装置の内部にある高圧真空電磁接触器の画像はHN46Aど同一
 
NH46Aと点検口から読み取れる
pdfをダウンロードする必要がある
D&C14版R_盤内高圧機器_R05-高圧真空電磁接触器 カタログダウンロード画面

真空電磁接触器(VMC) メインのページ

高円寺駅の動力式検電接地装置はこのタイプを使用 NH46A形固定型
左下のON/OFF表示とコネクタの色、銘板が一致
白い円筒部分が真空バルブ(スイッチ接点部分)

この装置画像と田町駅に設置されていた検電接地装置内部の白い円筒3本の画像が一致

 白いチューブ状の真空バルブ内に接点がありバルブ内のベローズが上下動して接点の入り切りを真空中で行う。
VCB真空遮断器(6.6㎸)の場合接点間隔は10mm VMC(真空電磁接触器)の場合4~8mm

真空バルブが3本あるので上下線で2本使える(上下線同時に操作可能)


上記画像は固定型の高圧真空電磁接触器なので
似た構造(引出形)であるので真空バルブ説明の部分は確か 
 

 これによると高圧真空電磁接触器は3相一括で連結ロッドが動いて真空バルブ内のベローズの先に着いている接点を高真空中で入り切りする。

 動力式検電接地装置は、直流大電流を入り切りするわけではなく単にき電線とレールを無負荷(停電時)に繋ぐ目的で使われている。だから動力式で真空バルブ内の接点を動力で上下動させて入り切りを行なう。そのため交流用(耐圧6.6kV)でも直流1500Vを無負荷中に「ON:接地」にするので問題はない。また架線が加圧中(1500V)なら真空バルブは「OFF」の状態でも十分電圧に耐えられる。

富士電機 使用環境 振動など影響を受けない場所と明記

ちなみに東芝の規格では耐震動 15Hz 0.2G以下(高圧真空コンタクタ)
16.7Hz / 0.2Gの根拠: 日本の商用周波数の1/3や、鉄道・産業機器の基礎振動として古くから慣用的に使われてきた指標。

当ブログで検電接地装置について記載がある記事一覧



以下が本題

JR東日本の公式発表記事 以下2本の時系列をまとめ独自視点による解析を実施

山手線・京浜東北線 停電に伴う輸送障害について                    2026年1月16日東日本旅客鉄道株式会社

山手線・京浜東北線 停電に伴う輸送障害の原因と対策について               2026 年1 月23日東日本旅客鉄道株式会社


JR東日本の2本の公開記事の時系列を1本化してみる

JR東日本の2本目の記事から引用

3:15 

 動力式検電接地装置の京浜東北線側の接地を「接地取外」ボタンを押して接地器が解放  隣接する変電所とのインターロック機構は無い 山手線側の「接地取外」ボタンを押し忘れて接地器が接続したまま。山手線がのパトライトは点滅していた。作業員ミス

3:50 

 隣接する品川変電所ー田町変電所ー新橋変電所 直流高速遮断器(54F)を投入。直ちに⊿I形故障選択装置(50F)が働いて直流高速遮断器(54F)開放 連接しているので品川変電所ー田町変電所ー新橋変電所間停電 正常動作 重負荷路線のため大電流が瞬間的に流れたが⊿I形故障選択装置のおかげで山手線側動力式検電接地装置からは発煙発生せず。京浜東北線側は正常に開放できているので問題はない。

停電原因を品川ー田町ー新橋間で調査

4:54 

検電接地装置の開放操作 

 動力式検電接地装置の山手線側切り忘れが発見され、「接地取外」ボタンを押して接地器が解放されたはずであった。

この区間の初電の時刻は刻々と迫る。(参考)

田町駅 初電の時刻表

京浜東北線(平日)

方向 始発時刻
北行(東京・大宮方面) 04:37
南行(品川・大船方面) 05:04

山手線(平日)

方向 始発時刻
内回り(東京・上野方面) 04:37
外回り(品川・渋谷方面) 04:39

高輪ゲートウエイ駅 初電の時刻表

京浜東北線(平日)

方向 始発時刻
北行(東京・大宮方面) 04:34
南行(品川・大船方面) 05:06

山手線(平日)

方向 始発時刻
内回り(東京・上野方面) 04:35
外回り(品川・渋谷方面) 04:41

4:57 

 山手線の送電失敗、京浜東北線の送電成功 山手線は「接地取外」ボタンを押して接地器が解放されたはずであったが再度⊿I形故障選択装置(50F)が働いて直流高速遮断器(54F)開放で送電できず。 山手線の動力式検電接地装置を切り離す作業を開始


5:13 山手線の検電接地装置切り離し開始<復旧①>
山手線の接地側を切り離し、山手線の内回りも切り離しした
なぜ外回りを切り離さなかったかが謎
接地線を切り離したので架線とレール間は開放されているので電流は流れないと判断か?

6:45 
 変電所の健全性確認の必要性が判明 
 変電所の⊿I形故障選択装置で異常電流が流れていた記録があったので変電所の健全性の確認が必要だった。山手線、京浜東北線が停まっていたはず。 だが駅間に取り残された電車があったか?

7:20 
京浜東北線運転再開 
つまり送電はこの時間前に行われていた。電車運行開始

7:49
 山手線への送電開始時、検電接地装置より発煙。山手線、京浜東北線、東海道線で運転見合わせ
  同じ資料に違った記載がある。
7:48 山手線の送電失敗
時差が報告書内である。文書作成者と図作成者の意志疎通が不十分

7:49 
検電接地装置(山手・京浜)から発煙を認め、変電所からの送電を緊急停止
変電所の⊿I形故障選択装置が働かず手動で直流高速度遮断器を開放したと読み取れる
高抵抗地絡が発生した可能性大

 ここに齟齬がある。京浜東北線は7:20に既に送電開始して運行を始めている。
7:20から7:49まで京浜東北線には送電できていた。
JR東日本の2回目の資料から引用
 の図だと山手線からの回り込み電流で両保護装置が損傷発煙しているが、京浜東北線側は既にき電を行なっている。そのため京浜東北線側き電で装置内は1500Vで加され状態で高圧真空電磁接触器がOFFになっており問題なく京浜東北線はき電できている。

  • 木崎 健太郎
    日経クロステック/日経ものづくり編集委員 2026.01.29


 日経クロステックさんの記事では不十分な作業で異常な電流が流れて発煙に落とし込みしたいらしいが、

以下引用
再度の通電時に破損が生じ、異常な経路で電流が流れて同装置が発煙した。中略
しかし山手線の検電接地装置は京浜東北線北行きのレールと電気的に接続されていた。山手線で瞬間的に生じた過大な電流が京浜東北線にも流れ込んで変電所のブレーカーを作動させ、両線とも送電できなかった。(ブログ主注 これは短絡電流が帰線を通じて変電所に戻る際に電流を測定しているCTがかましてあり、直流母線は山手線、京浜東北線共通のレタンで1本化されているので京浜東北線に電流が流れても⊿I形故障選択装置で変電所の大元の直流高速度遮断器は落ちる)そこで山手線の検電接地装置に対して開放操作を実施し、再度山手線へ送電を試みた。しかし山手線の検電接地装置は短絡状態のままで、開放状態に戻らなかったため、山手線への送電はできなかった。(ブログ主注 なぜ短絡状態だったかには触れてない。一番の問題点である真空バルブには一切言及がない)
引用終わり


 検電接地装置の高圧真空電磁接触器は3相一括で連結ロッドが動いて真空バルブ内のベローズの先に付いている接点を高真空中で入り切りする。片方が導通状態ならば接点固着が考えられる。

 山手線にき電7:49してもレール側が切り離されているので電流は流れない。装置内でのケーブル損傷で地絡状態ならば筐体に電流が流れて⊿I形故障選択装置が働くはずであるが高抵抗地絡の場合は働かない。山手線の電流は保護装置の接地線を経由して京浜東北線側に流れ込んでレールに流れる状態がこの図から示唆される。但し両保護装置の間は太い接地線で接地されているので山手線からの電流は接地線に流れて、京浜東北側には大きな影響がないはず。

さて検電接地装置の内部状態 
山手線側の動力式検電接地装置の内部 焼損部位は見られない
操作部(保護装置部)も綺麗な状態
日経クロステック記事から引用(JR東日本提供)

 よく見ると高圧真空電磁接触器の下に避雷器(アレスタ)が2台見える。これがJR東日本の言うところの保護装置なのか?

動力式検電接地装置 下部の避雷器 避雷器は高圧真空電磁接触器に直付け
日経クロステック記事から引用(JR東日本提供)


画像キャプチャーで「二虎𝕏 (@niko252529さん」のXへの投稿を引用 ありがとうございます。

 操作盤が開けられており、接地解除を行なった形跡。発煙、発火の跡は認めらえない。  また検電接地装置切り離し前の画像 この後発煙発火が起こる

切り離し前の検電接地装置 日経クロステックの記事での画像と同じ

木崎 健太郎 日経クロステック/日経ものづくり編集委員 2026.01.19

発煙発火後の検電接地装置

画像キャプチャーで「でさん」のXへの投稿を引用 ありがとうございます。

キャプチャ画像
「でさん」のXへの投稿を引用 京浜東北線に焼損の跡       
山手線側は綺麗焼損部位は認められない。
この画像がなかったら纏められなかった貴重な画像です。ありがとうございます。

検電接地装置は、筐体毎に接地している。

7:49 
検電接地装置(山手・京浜)から発煙を認め、変電所からの送電を緊急停止とあるが発煙は上記画像から京浜東北線側に認められる

9:11 
山手線・京浜東北線の切り離し作業開始<復旧②>き電線側を全て切断

11:37
 山手線・京浜東北線の切り離し作業終了

12:01 
復旧作業完了し、送電開始

以下は私見で憶測です。
 ではなぜ京浜東北線の動力式検電接地装置から発煙発火したか?真空バルブは高真空状態ならば富士電機の場合接点間隔が4mm 〜 6mmで6.6kVの絶縁が保たれる。しかし真空バルブの真空度が下がりパッシェンの法則のポイントの真空度のところになると5mmでも1500V位で絶縁が破れてアークが発生導通してしまう。つまり真空バルブの真空度低下が原因で
いつ絶縁が破れてもおかしくはなかった。もしくは導通したり不導通で状態が不定だった。

 ところが京浜東北線の品川-東十条駅間は、午前7時22分、上下線で運転を再開したため
絶縁が破れアークが発生 高抵抗地絡状態が発生。在線電車の消費電力と区別がつかず⊿I形故障選択装置(50F)が働かなかったため直流高速度遮断器が働かなかった。
 電車が減速した際(回生で架線電圧が上昇)についに接点間のアークが拡大し流れてはいけない電流(続流が発生)が動力式検電接地装置に流れて発煙発火に至った。この時点で⊿I形故障選択装置(50F)が働いて新橋-田町間の京浜東北線 再停電。駅間に電車が止まりドア開放で乗客誘導のため山手線、東海道線も運休措置

 <今回の事象発生から運転再開までの経過> JR東日本発表内容
① 山手線・京浜東北線 送電後に停電発生・運転見合わせ
② 山手線・京浜東北線 検電接地装置を「開放」操作
③ 京浜東北線     送電開始・運転再開
④ 山手線       試送電(京浜東北線の検電接地装置から発煙)
⑤ 山手線・京浜東北線・東海道線 送電停止・運転見合わせ
⑥ 東海道線 送電開始・運転再開
⑦ 山手線・京浜東北線 検電接地装置を架線から切り離し
⑧ 山手線・京浜東北線 送電開始・運転再開


①②は、検電接地装置の切り忘れで、変電所の⊿I形故障選択装置(50F)が働き、直流高速度遮断器(54F)開放で正常動作。検電接地装置「開放」で送電開始は妥当な対応。しかし実際に切り忘れが起きた事例が過去に無かったため短時間に高圧真空電磁接触器に許容電流(4KA)を越える電流が流れ山手線の真空バルブ接点が固着 (白岡駅での停電事故が先例だった)

③ 京浜東北線 直流高速度遮断器(54F)投入成功。この時点で山手線の直流高速度遮断器(54F)が投入出来ない状況となる。山手線の原因は真空バルブの接点固着(真空バルブの接点だけが溶着し、操作機構(リンク)だけがOFF位置に戻ってしまった場合、補助接点は「OFF」を示してしまうため、電気的な検知が漏れるリスク発生) 京浜東北線は真空バルブの機能不全発生「真空度低下(破損)」していたが運行はできていた。
④ 運転再開の京浜東北線 真空バルブの破綻で検電接地装置から発煙発火
「京浜東北線が一度動き出した後に発煙した」という時間差のナゾを解く鍵として、「パッシェンの法則」と「回生電力」の組み合わせは、技術的に最も筋が通っていると考える。

高抵抗地絡の恐怖: 
 もし完全な短絡であれば50F(ΔI)や54(直流高速度遮断器)が即座に跳ねるが、中途半端な真空度でのアーク放電は、負荷電流(電車の加速電流)と見分けがつかない。

エネルギーの供給源:
 京浜東北線の電車がブレーキをかけた際の回生電圧上昇が、バルブ内で耐え忍んでいた絶縁のトドメを刺し、持続的なアーク(続流)へと発展させたというシナリオは、現場の状況を完璧に説明できると考えている。

⑥ 以上はJR発表通りの進み方
実際は①から⑤の間に駅間停車の電車からの乗客避難等で東海道線が停まっている時間帯がある。

結論
京浜東北線:真空度低下によるパッシェン放電」と山手線「接点溶着による補助接点の誤表示」のダブルパンチという見立て

 初期の報道では田町駅付近の変圧器から発煙との報道もあったが線路脇に置かれている変圧器と動力式検電接地装置の区別がついてないので「変圧器から発煙」と報道されてしまった。

 田町駅の検電接地装置は撤去されて原因究明のため分解 真空バルブの真空度試験、真空バルブ中のベローズの状態、接点の損傷状態が詳しく調べられるであろう。

 JR東日本が第3報の故障原因を発表するかは不明

高圧真空電磁接触器内の真空バルブの健全性はどうだったか(真空度等)
この発表は現象だけを述べており根本的な原因には触れられていない。
そもそも、山手、京浜東北の検電接地装置は個別筐体接地であったはず。山手線での異常電流が京浜東北線側に流れ込むはずがない(装置の焼損状態が京浜東北と山手では違う)京浜東北線の検電接地装置からなぜ発煙発火したか?
なぜ山手線の外回りだけ導通状態だったか。この高圧真空電磁接触器は交流三相用なので三相一括で真空バルブ中の接点が動くはず(検電接地装置内の高圧真空電磁接触器がなぜ一相導通状態だったか)


1. 事故のプロローグ:接地短絡による「沈黙の損壊」山手線
JR発表にある「接地状態での送電」は、単なる人為的ミスに留まらず、検電接地装置内の真空電磁接触器(VMC)に定格を超える過酷なストレスを与えた。

接点溶着(山手線側): 初期の短絡電流により、VMCの接点は瞬間的に溶融・固着したと推定される。この際、操作リンク機構は「開放」位置に戻ったため、外部インジケーターや補助接点は「OFF(正常)」を返した。これが、その後の試送電を強行させた「システム上の偽装」となった。
真空劣化(京浜東北線側): 同様のストレス、あるいは線路脇の絶え間ない振動により、京浜東北線側の真空バルブには微細なリーク(ベローズの損傷等)が発生していた可能性がある。

2. パッシェンの法則が招いた「高抵抗地絡」の正体 京浜東北線側
 京浜東北線が一時的に運転再開できた事実は、皮肉にも「真空度の絶妙な悪化」を裏付けている。
不安定な絶縁: 
 真空度が中途半端に低下したバルブ内では、パッシェンの法則により絶縁耐力が著しく低下する。しかし、大気圧よりは高い絶縁を保っていたため、1500V印加直後は放電に至らなかった。
Δ I形故障選択装置(50F)の限界: 
 運行再開後、バルブ内で微小な放電が始まったとしても、その電流値は電車の加速電流(数千アンペア単位)に紛れてしまう。急峻な電流変化(Δdi/dt)を検知する50Fリレーにとって、この「じわじわと流れる地絡電流」は正常な負荷として認識され、直流高速度遮断器は投入され続けた。

3. 発火のトリガー:回生電圧と「続流」の発生 京浜東北線側
午前7時49分、なぜこのタイミングで発煙・発火したのか。そこには鉄道特有の電圧変動が関与している。
回生ブレーキによる電圧上昇: 
 電車が減速する際、架線電圧は一時的に1700V〜1800Vまで跳ね上がる。この電圧上昇が、不安定な状態にあった真空バルブの絶縁を完全に破断させた。
アークの持続(続流): 
 一度絶縁が破れれば、接点間にはプラズマ化した金属蒸気が充満し、1500Vの直流電圧によってアークが持続する。これが装置を内部から焼き切り、外気と触れた瞬間に激しい発煙・発火に至った。

 JR東日本の発表は、主に「オペレーション(人為的ミス)」と「復旧プロセス」に焦点を当てており、「なぜ機器が物理的に破綻し、異常な挙動を示したか」という技術的な根本原因(フィジカルな故障メカニズム)をあえて、あるいは調査中として伏せている印象を受ける。「社会への説明責任(誰の、どの操作が、どう影響したか)」という管理・運用面に終始しており、プロの技術者が求める「なぜ機器が物理的に破綻したのか」という工学的深層原因には一切触れていないし触れるつもりもないだろう。一般人に詳しい説明は必要ないのが本音。

 JR東日本管内には約700台以上の動力式検電接地装置があり、工事現場での検電接地を行なっている。動力式検電接地装置を使用停止することで検電接地に人工がとられる。

 また終電から始発の間合いで工事を行なうため工事時間を増やすためにも動力式検電接地装置の全数使用停止はできないだろう。とりあえず使用を続け、原因究明は鉄道技術総合研究所、メーカーと共同で解明されて行くと思う。

鉄建建設株式会社がプレスリリースを出している 

さて数少なくなった組合がどう出るか? 作業員の安全に係る動力式検電接地装置の不備


元になったブログ



2026年1月25日

1541. トップページ > 行政・政治 「研究用」検査キット、診断目的は指導対象との情報が出回っている 解説 番外

  厚生労働省は、未承認にもかかわらず「研究用」と称して流通している検査キットの販売は原則、医薬品医療機器等法違反として行政指導などの対象とする方針を固めました。薬機法上の医薬品の定義を明確化し、診断目的で購入される研究用キットは「無承認無許可医薬品」と判断します https://t.co/AmM98JaISV


 コロナウイルス抗原検査キットが出始めの頃 薬事申請承認を行なっていない検査用キットが出回り、その歯止めがすこし曖昧になっていた。

 そのため厚生労働省では「研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関する ガイドライン(案)について(概要) 」について令和8年3月上旬(予定) で通知を出すことが決定された。

研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関する ガイドライン(案)について(概要)

このガイドラインが策定されるに至った内容

2024年7月25日 令和6年度第5回 厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会      議事録:令和6年7月25日(木)12:30~15:00

以下部分引用

5ページ、体外診断用医薬品の特性を踏まえた制度の見直しで、こちらは研究等の医療以外の用途を標榜する試薬の提供業者への対応です。背景・課題を御覧いただきますと、新型コロナウイルス感染症感染拡大時には一般用の体診がまだ出ていない時期に、「研究用試薬」と表示された薬事承認を受けた体外診断用医薬品ではない検査キットが販売されておりました。こちらは、医薬品医療機器法上の効能・効果を標榜しておりませんので、これに基づく取り締まりが難しかったということがあります。

 ただ、このような製品が一般用の体診が発売された後も販売自粛の指導に従わずにずっと売られ続けていたということがあり、消費者から見ると、ネット上の広告でも判別が難しいため、検査性能が確認されたものではない趣旨の一般人向けの注意喚起を消費者庁とも協力して行ってきたところです。6ページに、啓発の資材を載せております。

 5ページに戻ります。このような状況を踏まえて、規制改革推進会議等からも、薬事承認を受けた体診と紛らわしい物の販売を規制、取り締まるための制度的な対応が必要ではないかという指摘がありました。検討の方向性として、まず1つ目は、これらの製品を医薬品医療機器法に基づいて規制するためには、例えば、これらの製品については一般人への譲渡、譲受、所持を禁止し、研究機関のみに販売先を限定するということが考えられます。下に○が2つありますが、例えば、その研究用試薬を薬機法上位置付けて販売先を規制する。それから、体診と類似の製品を指定して販売先等を規制するという手法が考えられます。ただ、これは人に直接使われるものではないということで、物自体が法律でそこまで禁止するほどの危険な物品といえるのか。また、真に研究用に使用される試薬に対して過剰な規制となるのではないかという点など、こちらの方法は課題が多いと思っております。

 2つ目として、法律で流通を直接的に規制する以外の方法として、「一般人がその形態や使用方法から容易に医療機器・体外診断用医薬品と認識するもの」は、これは医療機器・体外診断用医薬品に該当する物として判断し、規制するという手法も考えられると思っております。そのため、無承認・無許可医療機器・体外診断用医薬品の取締りのメルクマールとして、医療機器・体診の該当性の判断を明確化するガイドラインを作成し、医療機器・体外診断用医薬品として、取締りを行う方向で検討してはどうかと考えております。

 その下の○は、医薬品の場合「医薬品の範囲に関する基準」により、医薬品に該当するか否かの判断基準を明確化して、判断結果を医薬品/非医薬品リストとして明示しております。医療機器・体外診断用医薬品についても同様のガイドラインを作成し、薬事該当性の考え方を明確化するとともに、例えば「研究用試薬」といいながらも製品表示や販売経路、使用方法等を総合的に勘案すると、実態としては、人の感染症を診断させる目的で提供されている抗原検査キットだということになれば、これは体外診断用医薬品に該当する事例として通知等で明示した上で、無承認・無許可の体外診断用医薬品として薬機法に基づいて取締りを行うことができるのではないかと考えております。ただし、この場合においても、真に研究用に使用される試薬の流通を妨げない規制の方法は、併せて検討していく必要があると考えております。6~9ページに関しては、先ほどの医薬品の類似の事例についての紹介です。

引用終わり

テーマ③(国民からの信頼性確保に向けた体外診断用医薬品・医療機器の規制の見直し)について この厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の当該部分資料。pdf注意

以下がガイドラインの本文のpdf

研究用と称する検査キット等の体外診断用医薬品の範囲に関するガイドライン(案)

 体外診断用医薬品を市場に出す場合、多くの臨床試験(性能)で倫理委員会の審議を受けた素性の知れた検体を使う。研究用検査キットの場合 この臨床試験データが少数、または無い、もしくは得体のしれない患者検体を入手してとりあえず臨床試験データを作成して有用性が認められれば市場に放出することが良くあった。

 特にコロナの時は、使用するMoAbがSARS由来のエピトープと一致していたため、中国製のMoAbが多量に輸入され、研究用抗原検査用キットが製販された。これは薬事承認を受けたキットが少なかったため需要と供給のバランスが極端にずれたことによる。この時点で厚生労働省が研究用抗原検査キットを取り締まればよかったのだが、その状態ではなく黙認されていた。

 その後コロナも収まり研究用の抗原検査キットは淘汰されたが、その他の検査で研究用検査キットが出てきたため今般のガイドライン策定に至った。

肝の部分は以下の部分 引用

 研究機関等のみを対象としたものとの区別 研究機関等のみに広告、販売しているなど、明らかに研究機関等のみを対象とした研究用抗原定性検査キットについては、本ガイドラインによってその流通を阻害されることは目的としておらず、明らかに体外診断用医薬品ではないとみなせるものとして、本ガイドラインの対象から除外される。 一方で、研究機関等のみに対象を限定した広告又は販売方法を採っていると必ずしも断定できないものについては、4.に示す標ぼう事項等を踏まえ、体外診断用医薬品の該当性を判断する必要がある。しかし、少なくとも以下の1)から3)までのいずれかに該当する場合は、研究用として妥当とはいえない、又は、一般の消費者が使用することを想定していると考えられることから、(「研究用」等と称していることのみを理由に体外診断用医薬品に該当しないとは言えない。

引用終わり

 研究機関では、研究目的で研究用と書かれたキットを購入して使用する例が多い。これが販売不可能となると研究が滞る。自製キットも研究機関では作製することはできるがロット管理、キット製造、品質管理に時間が掛かる。自製は、とてもやってられない。

 また研究用試薬として特定の大学等の研究機関、検査センターに販売することで、その研究用キットで得られたデータが学会誌等に投稿、学会等で発表されれば、申請承認の際の添付データとして利用できることになり申請承認が行い易くなる。

 今一番各社が開発しているのが話題性のある重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の迅速抗原検査キットであろう。今は検体を保健所に送ってプレート法で検査を行なっている。コロナ検査のように迅速抗原検査キットが出来れば、医院での検査が可能となり迅速に上位病院に患者をおくることができる。


2026年1月17日

1540. JR東日本 動力式検電接地装置の具体的動作 追記あり

 以前に記事にしてたがタイトルに動力式検電接地装置が入ってなかったので別記事としてUp

 今回の事象で有名になった動力式検電接地装置の具体的動作が記載されているブログがあったが10年以上前の記事なのでタイトルに動力式検電接地装置が入ってなかった。書いた本人が詳細を忘れていた。(ローカルLLMを早く軌道に載せれば、このようなことは防げる)

その後各地の工事現場に動力式検電接地装置が設備されてきたのは、記事にしている。

元記事 2014年出稿 なんと12年前

以下動力式検電接地装置の部分 抜き出して引用
代々木駅を良く観察すると、なにやら細いき電線が纏まっている。

山手線、総武線、中央線、埼京線のインテグレート架線のき電線部分に接続されている。
8回線がクリートでアーチを描き駅構内に引き込まれている。
左から中央線上下き電線、緩行上下き電線+帰線、山手線上下き電線+帰線 どうやら中央線と緩行線は帰線が共通のようだ 帰線は上下タイインピーダンスボンドの中性点に繋がっているようだ。
 
山手線 インテグレート架線のき電線部を見ると細いき電線が繋がる



美しい弧を描いて、埼京線トラスを渡る。




 
代々木駅から新宿駅方面バス乗場を経由して歩いてみると途中 見慣れない装置に出合った。

上部の銘板の部分が操作部になる。
停電時間帯が、記載されている。

三和テッキ製 改良型動力式検電接地装置
 
 新宿駅構内は、この10数年以上改良工事が続いており、まだ終了していない。工事の際は、架線及びき電線の停電工事を伴うことが多く、その際に停電検電担当者ではなく、一般の工事責任者が停電を確認。検電し同時に接地作業を行えるようにした常設の装置であった。
 通常の停電作業は、電力係員が出向き、電力指令と連絡を取り、検電棒で検電を行う。
 無加圧を確認の後、ジャンパ線で架線とレール間を接地する。この作業を電車線1本ごとに行うことになり手間も掛かる。この装置を利用すると接地作業費用の削減、作業時間の拡大が可能になる装置で、新宿駅に設置されているのは、この装置の改良型で音声での案内・青パトライトでの停電の明示を行う。また装置下部の線路に繋がる接地線には、線路側の電位が高まった際に架線への電流の逆流を防ぐ整流素子がモールドされたサーキットセーフティーパック(指月電機製)が設置されている。
 
 装置は、三和テッキ製であり東日本電気エンジニアリングが保守を担当している。接地回路は、大電流が流れるわけではなく地絡継電器を作動させれば良いだけなので、交流用の電磁開閉器を利用し安価に製造できている。表面に貼られている時間帯は停電作業の時間帯であろう。この場所で新宿駅南口付近の停電作業(検電・接地)が一括でできる。

装置へは3本のケーブルが繋がる。1本は共通接地端子。もう2本は上下き電線にそれぞれ繋がる
 
サーキットセーフティーパック(逆流防止器) 
これと同じものが、大井車両センターに取り付けられている。

Tがトロリ線側この場合動力式検電接地装置の共通接地端子に繋ぐ Rがレール側に接続する 
サーキットセーフティーパック(逆流防止器)

具体的動作(参考資料より抜粋と追記)
(1) 初期状態:接地器は解放
(2) 検電接地装置の操作扉を鍵で解放すると扉スイッチが入り、加圧検知を開始(検電作業)
(3) 加圧中の場合には「接地取付」ボタンを押しても接地器を投入できない
(4) 停電責任者は電力指令へ停電作業に着手申込を行い作業許可を得る(電車線路停電)
(5) 電車線路停電後、停電責任者が「接地取付」ボタンを押すと接地器が投入される
停電責任者が指示する接地取付作業に相当
(6) 停電工事(作業)開始
(7) 停電責任者が作業責任者から作業終了報告を受ける
(8) 「接地取外」ボタンを押すと接地器が解放 
停電責任者が指示する接地取外作業に相当 
(9) 停電責任者は電力指令へ停電工事終了報告を行う
(10)所定の時刻で電車線路に送電

(2)~(8)における状況は回転灯・表示装置により表示 音声応答装置から音声により通知
 
以下新しく記事を追加した部分


 高円寺駅に設置された動力式検電接地装置の高圧真空電磁接触器は富士電機の以下のカタログ内にあるHN46A形 


pdfをダウンロードする必要がある
D&C14版R_盤内高圧機器_R05-高圧真空電磁接触器 カタログダウンロード画面

高円寺駅の動力式検電接地装置はこのタイプを使用 NH46A形固定型
左下のON/OFF表示とコネクタの色、銘板が一致
白い円筒部分が真空バルブ(スイッチ接点部分)
 
 白いチューブ状の真空バルブ内に接点がありバルブ内のベローズが上下動して接点の入り切りを真空中で行う。

真空バルブが3本あるので上下線で2本使える(上下線同時に操作可能)


上記高圧真空電磁接触器(固定形)ではない。
しかし似た構造(引出形)であるので真空バルブ説明の部分は確か 


 動力式検電接地装置は、大電流を入り切りするわけではなく単にき電線とレールを無負荷(停電時)に繋ぐ目的で使われている。だから動力式で真空バルブの接点を動力で上下動させて入り切りを行なう。そのため交流用(耐圧6.6kV)でも直流1500Vを無負荷中に「ON:接地」にするので問題はない。また架線が加圧中(1500V)なら真空バルブは「OFF」の状態でも十分電圧に耐えられる。

以下は私見で憶測です。
 ではなぜ京浜東北線の動力式検電接地装置から発煙発火したか?真空バルブは高真空状態ならば富士電機の場合接点間隔が4mm 〜 6mmで6.6kVの絶縁が保たれる。しかし真空バルブの真空度が下がりパッシェンの法則のポイントの真空度のところになると5mmでも1500V位で絶縁が破れてアークが発生導通してしまう。つまり真空バルブの真空度低下が原因で
いつ絶縁が破れてもおかしくはなかった。もしくは導通したり不導通で状態が不定だった。

 ところが京浜東北線の品川-東十条駅間は、午前7時22分、上下線で運転を再開したため
絶縁が破れアークが発生 高抵抗地絡状態が発生。在線電車の消費電力と区別がつかず⊿I形故障選択装置(50F)が働かなかったため直流高速度遮断器が働かなかった。
 電車が減速した際(回生で架線電圧が上昇)についに接点間のアークが拡大し流れてはいけない電流(続流が発生)が動力式検電接地装置に流れて発煙発火に至った。この時点で⊿I形故障選択装置(50F)が働いて新橋-田町間の京浜東北線 再停電。駅間に電車が止まりドア開放で乗客誘導のため山手線、東海道線も運休措置

 <今回の事象発生から運転再開までの経過> JR東日本発表内容
山手線・京浜東北線 送電後に停電発生・運転見合わせ
山手線・京浜東北線 検電接地装置を「開放」操作
京浜東北線     送電開始・運転再開
山手線       試送電(京浜東北線の検電接地装置から発煙)
山手線・京浜東北線・東海道線 送電停止・運転見合わせ
⑥ 東海道線 送電開始・運転再開
⑦ 山手線・京浜東北線 検電接地装置を架線から切り離し
⑧ 山手線・京浜東北線 送電開始・運転再開

以下は独自視点での推定
①②は、検電接地装置の切り忘れで、変電所の⊿I形故障選択装置(50F)働き、直流高速度遮断器(54F)開放で正常動作。検電接地装置「開放」で送電開始は妥当な対応。しかし実際に切り忘れが起きた事例が過去に無かったため短時間に許容電流(4KA)を越える電流が流れ山手線の真空バルブ接点が固着

③ 京浜東北線 直流高速度遮断器(54F)投入成功。この時点で山手線の直流高速度遮断器(54F)が出来ない状況となる。山手線の原因は真空バルブの接点固着(真空バルブの接点だけが溶着し、操作機構(リンク)だけがOFF位置に戻ってしまった場合、補助接点は「OFF」を示してしまうため、電気的な検知が漏れるリスク発生) 京浜東北線は真空バルブの機能不全発生「真空度低下(破損)」していたが運行はできていた。
④ 運転再開の京浜東北線 真空バルブの破綻で検電接地装置から発煙発火
以上はJR発表通りの進み方
実際は①から⑤の間に駅間停車の電車からの乗客避難等で東海道線が停まっている時間帯がある。
結論
京浜東北線:真空度低下によるパッシェン放電」と山手線「接点溶着による補助接点の誤表示」のダブルパンチという見立て

 初期の報道では田町駅付近の変圧器から発煙との報道もあったが線路脇に置かれている変圧器と動力式検電接地装置の区別がついてないので「変圧器から発煙」と報道されてしまった。

 そもそも高圧真空電磁接触器はキュービクル内で使われており線路脇のバラストがひかれている振動の多い場所での使用は想定されてない。

JR東日本のプレスリリース2回目が出た。
山手線・京浜東北線 停電に伴う輸送障害の原因と対策について             2026 年 1 月 23日 東日本旅客鉄道株式会社
検電接地装置内の高圧真空電磁接触器がなぜ導通状態だったか
高圧真空電磁接触器内の真空バルブの健全性はどうだったか(真空度等)
この発表は現象だけを述べており根本的な原因には触れられていない。
そもそも、山手、京浜東北の検電接地装置は個別筐体接地であったはず
なせ山手線の外回りだけ導通状態だったか。この高圧真空電磁接触器は交流三相なので三相一括で真空バルブ中の接点が動くはず
なせ先に京浜東北線の検電接地装置から発煙発火したか?

 JR東日本のプレスリリースは、あくまで「社会への説明責任(誰の、どの操作が、どう影響したか)」という管理・運用面に終始しており、プロの技術者が求める「なぜ機器が物理的に破綻したのか」という工学的深層原因には一切触れていないし触れるつもりもないだろう。

 JR東日本管内には約700台以上の動力式検電接地装置があり、工事現場での検電接地を行なっている。動力式検電接地装置を使用停止することで検電接地に人工がとられる。
 また終電から始発の間合いで工事を行なうため工事時間を増やすためにも動力式検電接地装置の使用停止はできないだろう。とりあえず使用を続け、原因究明は鉄道技術総合研究所と共同で解明されてい行くと思う。さて少なくなった組合がどう出るか?

JR東日本の時系列データを基に記事をUp この記事との重複部分があります。



参考資料
JR東日本,青柳ら:直流電車線路用動力式検電接地装置の改良
鉄道サイバネ・シンポジウム論文集(CD-ROM);2005,論文番号608

2026年1月16日

1539. JR東日本 山手線停電 しかし埼京線なぜか動いている。京浜東北線はその後運行停止 2026/01/16 速報

情報が刻々と変化しているのであくまで参考にして下さい。

TBS NEWS DIG 以下引用

 JR東日本によりますと、きょう、始発から運転を見合わせていた京浜東北線の品川-東十条駅間は、午前7時22分、上下線で運転を再開したということです。
 一方で、通常より運転本数が少なくなっているということで、JR東日本は振り替え輸送の利用も呼びかけています。
 また、同じく始発から運転見合わせとなっている山手線については、一時、午前7時の運転再開を見込んでいるとしていましたが、現在も運転見合わせが続いていて、運転再開のめどは立っていません。

引用終わり

この情報と、テレ朝NEWSの情報を合わせると最初に品川ー新橋間で停電が発生

 き電線の地絡事故が発生すると、変電所の直流高速度遮断器(54F)・⊿I形故障選択装置(50F)・き電線連絡遮断装置が作動し近隣の変電所および当該変電所のき電線を開放する。

その後再度京浜東北線が運行停止
 
 一番考えられるのが、新橋変電所もしくは田町変電所の東海道線、山手線、京浜東北線が最初のき電開始時点で高速直流遮断器投入54F投入も遮断、再投入失敗で停電。
 東海道線が動き始めたようだが、き電系統が山手線、京浜東北線とは別になっているものと思われる。再度運行停止となっているようだ。
 
 埼京線と山手線が被るのが品川変電所だが、ここは埼京線が動いているので生きている。また横須賀線が動いているので品川変電所は除かれる。

品川ー新橋間には、品川、田町、新橋の各変電所がある。

この状況から考えられるのは田町変電所もしくは新橋変電所が落ちている。

各変電所の受電系22kV及び66kV系統は生きていると思われる。



追加
ヤフーニュース(出典はテレ朝NEWS)以下引用

JR田町駅 火事が起きていると通報 停電との関連調べる
 JR田町駅で火事が起きているとの通報があり、東京消防庁などが停電との関連を調べています。 東京消防庁によりますと、午前8時前、JR田町駅の線路で火事が起きているという内容の119番通報がありました。消防隊員らが現場に駆け付けたところ、駅構内の変圧器が焼けていたということです。

引用終わり

田町駅
 線路で火災とは? 駅構内? 高抵抗地絡の発生?その結果 直流高速度遮断器が投入できない可能性はある。 信号系が燃えると回復に時間が掛かる。この場合ノッチ制御による運転は再開できない。高抵抗地絡の原因調査が必要となる。 田町駅と田町変電所は約650m離れています。

高抵抗地絡の説明
 故障点の抵抗が0.5Ω程度の場合 き電線や電車線が構造物に接触した場合故障が検知できないで、大電流が流れ続け信号・通信ケーブル等の焼損が発生する。                                                 
 き電電圧が1500Vと低く高抵抗のコンクリート柱などは地絡した場合、故障電流が小さい、その一方電気車負荷電流は2~4kAと大きく、運行密度が高い変電所の回線電流は数kA以上になる。 そのため地絡電流と電車負荷電流の区別が出来なくなり電流が流れ続ける。

47News 以下引用
 JR東日本によると、新橋―品川間の電気設備に異常があるとみられる。16日未明まで田町駅の改良工事のため設備への送電を止めた。始発の運転に向け設備に送電しようとしたが、できなかった。原因を調べている。

引用終わり

 これが一番原因として怪しい。停電作業のためには検電接地する必要があり、以前は係員が電力司令と連絡を取って停電、検電、接地をき電線に対して行っていた。 
 最近では駅舎工事の際にこの作業を動力式検電接地装置で手短に検電接地作業することが可能となっている。この田町駅に設置された装置が正常に働かず高抵抗地絡状態となり山手線、京浜東北線の近隣の変電所(田町、新橋)を落とした可能性もある。


朝日新聞 細沢礼輝2026年1月16日 11時52分投稿
以下部分引用
 JR関係者によると、15日の終電後、田町駅近くで夜間工事があり、付近の電気設備には感電事故防止のために送電をストップさせる装置が取り付けられていた。
 工事終了後の16日午前3時50分ごろ、送電を再開したところ、新橋―品川間で停電が発生。山手線、京浜東北線とも、始発から運転できなくなった。JR東は夜間作業の手順や装置の状況について詳しく調べている。
引用終わり

検電接地装置が怪しい

当たり Makoto⊿🍇 (東京ドーム①VIP・②)さん投稿X記事 15:30ごろ

検電接地装置の詳細と発生事案の推測は以下のブログ参照


田町変電所 Google Erathより引用 田町駅と田町変電所は離れている(約650m)

隣接変電所 停電時の運行フロー 
理由:検電接地装置が原因ならノッチ制限での運転はできない。田町変電所は健全だが、き電線での地絡だから

以下ノッチ制限で一つの変電所が落ちても運行可能なフローがあった。
変電所脱落時の2ノッチ制限運転区間

 今回の場合 東海道線が運行開始したことから2ノッチ制限で運転している可能性がある。
その後再び運行停止。

 JR東日本の発表だと京浜東北線は13:00ごろ運行再開となっている。情報が刻々と変化する。
10:00現在 宇都宮線、高崎線まで運行停止が広がっている。 まれにみる大障害



JR東日本のプレスリリースが出た。
山手線・京浜東北線 停電に伴う輸送障害について 2026年1月16日東日本旅客鉄道株式会社

一部引用
1 概況
昨晩から未明にかけて、田町駅の改良工事にて、架線設備への送電を停止した上で線路上空からのタワークレーンによる資機材の搬入作業をしておりました。
作業完了後(2026年1月16日(金)3時50 分頃)、送電を開始する際に、何らかの不具合により山手線及び京浜東北線が停電した状態となり運転見合わせとなりました。
その後、設備点検及び復旧作業を実施し送電を開始、始発から運転を見合わせていた山手線は 13 時08 分に、京浜東北線は12時45分に、それぞれ全線で運転を再開しました。
本事象により、体調を崩されたお客さまが現時点で15名いらっしゃることを確認しております。
2 時系列
1 月16日(金)
3:20 頃
作業が完了し送電を開始する手続きを実施
3:50 頃 送電が開始できず山手線及び京浜東北線が停電状態となり山手線内外回り、京浜東北線南行北行線で運転見合わせ
13:08頃山手線内外回り、京浜東北線南行北行線における設備点検及び復旧作業の完了に伴い
運転再開
中略
4 輸送影響
約673,000 人
5 原因
作業終了後の送電を開始する際に、何らかの不具合が発生したためです。
不具合が発生した原因については、現在詳細調査中です。
別紙で検電接地装置について言及あり

引用終わり

JR東日本の時系列データを基に記事をUp この記事との重複部分があります。


参考資料
岡健一郎ら;首都圏直流電化区間の変電所異常時の運転再開方法の見直し:鉄道と電気技術Vol.30,No.4,pp.35-41,2019

2026/2/9 宇都宮線輸送障害 過去記事を間違えて検索するひとが多いため、記事を起こした

1546. JR東日本 宇都宮線 輸送障害 2026/2/9事案の解説 なぜ4㎞の損傷区間ができたか

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