変電所内の単結線図(推測)に不明な点多し
二子玉川第二変電所の位置は、ひょんなことから判明した
昔の二子玉川開閉所 用賀7号架線柱部分に断路器があるのが判る。坑門からはケーブルで断路器まで配線 エアーセクション部は架線柱6~7号間にある。今の二子玉川駅寄りの部分と同じ位置 用賀17号柱でケーブル化されて開閉所に引き込まれる。 |
新玉川線時代の駅内部 開閉所と明記されている この開閉所が新玉川線時代の二子玉川開閉所
現在の田園調布線の二子玉川駅とは違い新玉川線(田園都市線)が中線になっていてアプローチ線が入れ替わっている。
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さて二子玉川第二変電所の位置だが場所としては開閉所の位置が妥当な場所だろう。二子玉川駅周辺を観察したが別棟での変電所棟は見当たらない。ホーム架線からの引込ケーブルも階下の場所に両側から引き込まれている。ここにあることは確かなのだが確証が得られない。
松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024によると6.6kV受電の変電所となっている。付近のTEPCO電柱を調べてもそれらしき引込が無い。
橋本達彦;東急電鉄 下神明変電所機器更新工事について:鉄道と電気技術Vol.31,No.8,pp.45-49,2020を読むと大井町線に二子玉川第一変電所があることが判明した。
Google Street Viewで二子玉川駅周辺を調べると大井町線に変電所の鉄構があることが判明したので現調。二子玉川第一変電所発見。き電線立ち上がりラックのケーブル名称を見ると6.6kV500㎟のCV-Tケーブルに二子玉川第二変電所の名を見つけた。大井町線の二子玉川第一変電所から二子玉川第二変電所へ6.6kVで給電している。二子玉川玉川第一変電所は66kV受電で6.6kVへの降圧変圧器(整流用と高配用を兼ねる)があるので、その母線から二子玉川第二変電所へ給電していることになる。ちなみに東急100年史によると2007年玉川第一変電所が運開している。
以下二子玉川玉川第一変電所について
二子玉川第一変電所~二子玉川第二変電所 CVT500㎟の550mケーブル 2024年ケーブル張替 最大850A流せる 9740kVA≒9740kW 3,000kWシリコン整流器2台は置ける(力率0.8) |
2009年の二子玉川第一変電所ケーブルラック 第二変電所への6.6kVCV-T500㎟はまだ敷設されてない。 Google Street Viewから |
2013年の二子玉川第一変電所ケーブルラック 新しく第二変電所への太い6.6kVCV-T500㎟が敷設されている。 Google Street Viewから |
2009年当時の二子玉川開閉所へのケーブル引き込み部分 左に四角の開口部がある。 Google Street Viewから |
2017年当時 二子玉第二変電所への6.6kVのケーブル引き込みが行われている 二子玉川第二変電所は2009年から2013年の間に運開したようだ。 Google Street Viewから |
二子玉川第二変電所へ引き込まれる6.6kVCV-T500㎟ケーブル 駅 田園都市線上り方 |
用賀開閉所のき電線配置図(簡略化している) 二子玉川第二変電所方は記入していない |
246号国道側から玉川第二変電所への引込場所。左右にケーブルが分かれる 左 用賀13号架線柱からの12本ケーブルと駅構内上下一括からの3本一組と 右 大井町線の4本(2本一組)が引き込まれている |
上り線側 駅構内から同じ場所 右方向のケーブルはラックに固定され用賀開閉所方に伸びる 4回線 そのうち3回線(12本)は用賀13号架線柱のケーブル立ち上がりに繋がる 残り1回線(3本一組)は右部分で上下一括き電線に繋がる (これは逆に玉川第二変電所へ引き込まれている) 左方向のケーブルは2回線(2本一組)で大井町線用 |
別角度 |
上り線側 この場所でダクト収容12本分 |
引き下ろされたケーブルはダクトに収容される(12本) |
上り線側 ダクトは用賀開閉所方へ伸びる(3本一組×2、3本一組、3本一組) |
上り線側 用賀13号架線柱でダクトから立ち上がり架空ケーブル化される 上下一括き電線に立ち上がったケーブルがT分岐している 1回線(3本一組) |
用賀13号架線柱 上り線側
ケーブル化された下り起点1回線(6本一組で3本一組×2となる)、下りデッド1回線分(3本一組)さらに上下一括き電からT分岐された1回線(3本一組)が二子玉川第二変電所へ引き込まれている。
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246号国道と反対側の引き下ろし箇所 右は上下一括き電線からT分岐する3本一組のき電線 左は、大井町線デッドセクションに繋がる2本一組のき電線が二組 |
下り線側 左 上下一括き電線から3本1組のき電線がT分岐 ラックに固定され引き下ろされる |
下り線側 2本のダクト収容の き電線2本1組が左へ 変電所引き下ろし箇所までラック固定で伸びる |
下り線側 右が先ほどのダクト収容のケーブル2本1組 大井町線 下りデッドセクションにき電 左に伸びるのは246号国道側の2本1組のダクト収容き電線 上りデッドセクションにき電 |
別角度 下り線側 同位置 右方向にダクト二本が見える。 同様に 左方向にもダクト二本がある。 一番下に高津変電所に繋がる大井町線の上下一括き電のき電線が通過している |
別角度 上下線デッドセクションへき電するき電線 |
同部分を反対側から見たところ 上り線側 左方向に2本別のき電線とそれに繋がるケーブルが見える。 この2本のき電線は実は先で1本にまとまる その下のき電線(大井町線 高津変電所方の上下一括き電線)から2本一組のケーブルが246号国道側のダクトに入り先に述べた変電所に引き下ろされている |
左 二本のき電線が一本に纏まる部分 |
大井町線の上野毛方 この先に二子玉川第一変電所がある 先ほどのき電線二本が変電所まで伸びる 各き電線からき電線分岐装置でトロリ線にき電 |
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大井町線 デッドセクション部 セクションインシュレーター どうやら方向性があるようだ 奥 下り線アークホーンが入口側についている 左 高津変電所方 手前 上り線側も入口側についている 二子玉川第二変電所方 |
このデッドセクション部には上下渡り線がある。 もちろん上下デッドセクション部は別き電なのでセクションインシュレータ付いている |
ここのセクションインシュレーターは FRPの絶縁体本体にパンタグラフのすり板がほとんど接触しない構造 |
更に先に進むと田園都市線方に渡り線がある。 大井町線デッドセクション部から田園都市線上下線に分岐 左に電車線区分用が見える |
大井町線からの渡り線にセクションインシュレーターがある |
ここの渡り線のセクションインシュレーターはアークホーンが無いタイプ |
更に先に再びセクションインシュレーターがある デッドセクションから上下一括き電に切り替わる このセクションインシュレーターは、方向性がある。入口側にアークホーン |
別角度 電車線区分標がこのセクション用と 田園都市線・大井町線の渡り線用のセクション用の電車線区分標がある |
赤丸 玉川第二変電所から出てきた上下デッドセクション用き電線はこの架線柱で引き止められる 緑四角 先のセクションインシュレーターで大井町線は上下一括き電となるので一本のき電線からき電線分岐装置で上下線にき電されている。 |
再掲 新玉川線時代の駅内部 開閉所と明記されている この開閉所が新玉川線時代の二子玉川開閉所 |
変電所への引込部
当初は中二階は無かった。補強はされているが重量物は設置できない。 機器搬入用の大きなドアがある この奥に区分開閉器盤(断路器収容)のキュービクルがあり変電所内と区分している。 |
隙間を拡大して画像処理するとケーブルが左の元開閉所に引き込まれているが、その後ろにケーブルが垂下しているのが見えるので、この部分が開閉所となり建屋内が第二変電所になったものと思われる。変電所は防火構造が必要なためこのような建屋内の開放系には設置できない。
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このき電系統図から二子玉川第二変電所がどのような単結線で繋がっているかを推測する |
現状の大井町線デッドセクション部抜き出し 緑丸のき電線分岐装置
このき電線の配置だと二子玉川第一変電所の下り線側と上り線側のき電線がトロリ線を通じて連絡してしまい駅構内でわざわざ2つに分けた理由がなくなる。
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緑丸部分のき電線分岐装置を逆側のき電線に変更 このように変更するとデッドセクション両端のき電が別になる |
大井町線 下り方き電線から上下線にき電分岐装置でき電(黄色の保護管がある方) 高津変電所からのき電線はそのまま通過 |
別角度 大井町線 下り方き電線から上下線にき電分岐装置でき電(黄色の保護管がある方) 高津変電所からのき電線はそのまま通過 本来の形では? |
現状の赤丸のき電線分岐装置 上り線側に上下一括き電線の高津変電所方がつながる これを緑側のき電線からのき電線分岐装置にする |
現状の赤丸のき電線分岐装置 上り線側に上下一括き電線の高津変電所方がつながる |
旧新玉川線時代の二子玉川開閉所の単結線図を解かり易く書き直したもの |
上反町・下反町変電所の単結線図を田園調布線の現場に合わせて鏡像化したもの 実際は、左が上下一括き電、右が上下線別き電となる |
二子玉川第二変電所内部 単結線図 断路器省略 |
二子玉川第二変電所内部 単結線図 断路器省略 大井町線のデッドセクションを仮定で72D方式とした場合 |
二子玉川第二変電所