市が尾変電所
受電:地中送電線受電 66kV2回線 別の変電所から1系統づつ引き込んでいる。
TEPCO市ヶ尾線からではない。常用、予備で受電切替は停電作業を伴う。田奈変電所
への送電を担っているので同じ回線のループ受電は避けた模様。
この辺の範疇は荏田変電所系が受け持っている。(地中送電線)、違う系統は恩田
変電所からの引込が考えられる。
最初は東急市が尾変電所へ送電するため出来た送電線からの受電だったが途中から変
更
昔 田園都市線の市が尾変電所建設時 近くに東電の送電線が無いために溝の口付近
昔 田園都市線の市が尾変電所建設時 近くに東電の送電線が無いために溝の口付近
の送電線(向ヶ丘線と言われている)から分岐して鉄道線路上約7.5㎞に渡り主にガン
トリー鉄塔で66kV2回線を市が尾変電所に引き込んでいた。東急専用線とも言える。
将来的には隣のTEPCO変電所への供給。また輸送力増強時の高津ー市ヶ尾間に新設
を予定している東急電鉄の変電所にも供給するような構成をしていた。その後、この
を予定している東急電鉄の変電所にも供給するような構成をしていた。その後、この
間には市ヶ尾線を利用して鷲沼変電所と宮崎台変電所ができた。しかしガントリー鉄
塔は、TEPCO、東急側での保守点検に手間が掛かるため拠点変電所以外のTEPCO市ヶ
尾線は分断されており撤去される運命にある。
現に東急電鉄宮崎台変電所は、旧TEPCO市ヶ尾線(現東急宮崎台線)から受電。鷺
塔は、TEPCO、東急側での保守点検に手間が掛かるため拠点変電所以外のTEPCO市ヶ
尾線は分断されており撤去される運命にある。
現に東急電鉄宮崎台変電所は、旧TEPCO市ヶ尾線(現東急宮崎台線)から受電。鷺
沼変電所は、旧TEPCO市ヶ尾線(現東急鷺沼線)から受電されている。
(東急は市が尾表示、TEPCOは市ヶ尾表示)
現調時 東急電鉄 市が尾変電所 右の鉄塔が市ヶ尾線No.60鉄塔 |
2018年3月 市ヶ尾線No.60鉄塔から2回線66kV引き下ろし Google Street View |
2018年9月 市ヶ尾線No.60鉄塔から接続解除 別系統から受電開始 左奥の建屋に66kV受電部とGISが収容されていると推測 わずか6ヶ月で変更工事終了 Google Street View |
給電:東急田奈変電所に22kV1回線を地中送電線で送電。66kV降圧22kV 変圧器1台
き電:シリコン整流器4,500kW×2 72D方式 常用と予備の2台構成と言われている。
東急電鉄の設備計画では市が尾変電所にバッテリーシステムを2025年度に導入予定
2024年度の設備投資計画 pdf 東急の資料
以下引用
大規模災害時のBCP強化、鉄道電力の効率的な活用、電力系統安定化への寄与を目的に、2025年度に田園都市線に電力を供給する市が尾変電所に大規模蓄電システム(出力:2.1MW、容量:10MWh、以下「本システム」)を関東大手民鉄で初めて設置します。
本システムの導入により、大規模災害による広域停電時に、駅間に停止した列車に電力を供給し最寄り駅まで移動させることが可能になり、お客さまの避難方法の拡充が期待されます。また、駅構内のエレベーターや照明などへの電力供給も可能となる為、災害などの際に一時待機場所として、より安心してご利用いただける駅を目指します。
さらに、平常時は鉄道の電力需要が高い朝・夕ラッシュ時間帯に蓄電池から放電し、時間帯によって増減する電力消費量の平準化、電力コストの低減を図ります。また、一般的に変動再エネ由来の発電量が過大になると電力系統の安定化のため出力抑制が必要になりますが、本システムの今後のさらなる活用方法として、太陽光や風力の発電量が増える昼間に電気を貯めることで、国が掲げる再エネの主力電源化と電力系統の安定化への貢献を目指します。
引用終わり
10MWhの電力貯蔵量は1日あたり一般家庭で10kWh/日使用するとして
10MWh ÷ 10kWh/日 = 1,000日分の電力を供給できる
1,000日 ÷ 365日/年 ≈ 2.7年分
き電用電力として
10MWhの蓄電設備から最低限運行に必要な1500kWの電力を常に引き出し続けると、約6.67時間持続する。
東急電鉄 市が尾変電所向けに大規模蓄電システムを受注
~鉄道事業者のBCP強化と脱炭素化に貢献~ 明電舎発表2024年05月21日
以下引用
母線電圧は6.6kVであることは確かだ。 |
資料から引用別紙
別紙を見た限りでは6.6kVで運用するようだ。
さすがに整流用変圧器6.6kV用に66kV降圧6.6kVはやらないだろう。この場合整流用変圧器6.6kV降圧1200Vが新たに必要となる
|
市が尾変電所の現在の構成を見た場合66kV降圧6.6kV
の配変がある。しかし3,000kVA程度の小型のもの。そしてき電用の66kV降圧6.6kVの変圧器は無い。これはあくまでイメージ。また市が尾変電所から田奈変電所までの22kV送電は行わないようだ。(き電範囲が長津田までのため)ちょうど市が尾変電所から両側に約4.7㎞が災害時電力供給区間になる。
この災害時運用の場合 上下一括き電の延長き電で田奈変電所はスルー化されると推定する。
私見では、66kV降圧6.6kVの大きな降圧変圧器を導入し6.6kVバスラインから整流用変圧器への降圧でき電は行える。(この場合配変の使用は無くなる)新大橋、桜新町、二子玉川第二変電所が整流用変圧器を6.6kVで運用している。 どんな構成で運用されるかこれからが楽しみだ。
大規模蓄電システム守備範囲 市が尾変電所を中心に両端に各約4.7㎞の範囲 |
東急は市が尾、TEPCOは市ヶ尾 |
シリコン整流器とバスダクトで繋がった整流用変圧器 2組 シリコン整流器はS種 150%2時間 ヒートパイプ冷却式 12相パルス整流器 |
シリコン整流器の左横の装置は進相コンデンサ |
定格S種 4,780kVAなのでシリコン整流器はS種 4,500kWで確定 |
ゴムとう管の66kVケーブルヘッドは珍しい仮設では良く見かける。 Sg Trは高配用変圧器 |
奥にあるのが66kV降圧22kV 東急電鉄田奈変電所用降圧変圧器 手前のキュービクル5盤は多分22kV用 |
この建屋が66kVGISが収容されていると思う |
上からみるとケーブルトラフが高配用変圧器と整流用変圧器、22kV降圧変圧器に伸びている
66kV
特高受電盤2盤、VCT盤、VCTバイパス盤、バス盤、SR1-Tr,SR2-Tr,SgTr,22kVTr各盤でこの大きさが妥当か それなりの空き地はある。
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き電線立ち上がり部 πき電上下一括き電 72D方式で間違いない |
反対側からの画像 |
鷺沼方デッドセクション入口 左奥にエアーセクションの架線強化部が見える |
田奈側のデッドセクション入口とエアーセクション部 |
赤で囲んだ部分が鷺沼や宮崎台変電所にあったキュービクル(7盤)と思われる。 架台の上に固定され線路際のき電線立ち上がり部のところからのダクトが収容されている |
市が尾変電所内 単結線図 資料の図を引用改変
VCT交換時停電を避けるバイパス回路がある(89B-2)
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市が尾変電所のキュービクルの単配線図とトロリ線接続図 変電所の54Fと72Dがキュービクル内に繋がりキュービクルからき電線に繋がる 鷺沼変電所キュービクルの図を引用改変 |
変電所キュービクルの図を引用改変
その他 TEPCO市ヶ尾変電所
Google Street View 2023年10月 TEPCO市ヶ尾変電所 「電気設備の引替を行なっています」との表示 変電所前の人孔に工事が行われているのでこの時期に地中送電線受電に受電変更された |
市ヶ尾線はTEPCO市ヶ尾変電所に繋がっていない ポリマ碍子ケーブルヘッドからの供給 |
市ヶ尾線はTEPCO市ヶ尾変電所に繋がっていない ポリマ碍子ケーブルヘッドからの供給 |
市ヶ尾線は途中No.51鉄塔で鴨志田線、荏田線と交差接続する。荏田線は近傍にある荏田変電所で275kV降圧66kVされ引き出されている。荏田変電所では66kV GISで地中送電線に多く分岐しているので、ここからの地中送電線が東急市が尾変電所に繋がっているかもしれない。その後の調査で市ヶ尾線No.50鉄塔でもジャンパ線が繋がってないことが判明。No.50からNo.34は、どこの変電所にも繋がっていない。また市ヶ尾線は途中No.34鉄塔で地中送電されるがジャンパ線が繋がっていない。
つまり、No.51鉄塔で荏田変電所から送電されても使用する需要家が居ない送電線となっている。これは撤去予定であるためと思われる。
市ヶ尾線No.34鉄塔 2024年6月 Google Street View ケーブルヘッドにジャンパ線が繋がってない 過去に遡ると2014年から繋がっていない。 しかしNo.50の鉄塔を見ると2015年3月までは繋がっていたが2016年5月繋がっていない |
参考資料(順不同)
斎藤昌訓;東京急行電鉄ー田園都市線 溝の口ー長津田間の電気施設の概要について:電気鉄道Vol.20,No.6,pp.2-4,1966
金澤克美;特集:東京急行電鉄 電気設備の概要:鉄道ピクトリアル:Vol.57,No.749,pp63-65,2004
松原優平;鉄道事業者の変電設備(17):鉄道と電気技術Vol.35,No.2,pp.82-85,2024
木暮隆雄;直流き電回路の現状と今後の課題(19)直流き電回路の電圧降下対策と省エネ:鉄道と電気技術Vol.22,No.3,pp.51-61,2011