飯田町変電所諸元
発煙している場所は、ちょうど帰線が線路上に戻る場所
帰線が過熱して発煙している可能性 大 もしくは其のわきの6.6㎸高配収容ダクト付近
帰線ダクトから発火しているX投稿が見つかったので帰線が燃えているのは確実
四ツ谷駅の例 |
帰線が繋がるインピーダンスボンド 線路に対して4本が帰線として利用される。 中央快速線上下で8本 総武緩行線上下で8本 合計16本がダクトに収容され 4本で2,000A定格 合計8,000Aの瞬間電流に耐えられるはず |
帰線といえども2路線が関係しているので電圧は低いが4,000Aくらいは流れている。ケーブルが何本も束ねられてこの帰線電流を流しているので部分的に過熱する場合もある。特に狭い空間にケーブルを集約させると熱が籠る。
飯田町変電所 帰線引出部 拡大 4本で1組 合計16本 |
どうやら帰線ケーブルが切れていたようだ。残った帰線ケーブルに電流が集中し過熱したことは明らか。
以下産経新聞Web引用
線路と変電所結ぶケーブルが断線し出火か 26日のJR中央線トラブル 2024/6/28 17:42
線路と隣接する変電所を結ぶケーブルの一部が断線したことで発熱し、出火したとみられると発表した。経年劣化によって切れた可能性がある。JR東によると、出火したケーブルは1999年に設置され、今月3日の検査では異常はなかった。同社は同様の設備がある約300カ所を7月末までに緊急点検する。
引用終わり
JR東日本の在来線変電所は交流直流合わせて307ヵ所その内32ヵ所が交流変電所 残りは275ヵ所となるはず。
帰線なので変電所を切り離してスルー化で対応可能もしくは、消火してそのまま使用し夜間交換とはいかず昼間にケーブル張替を行うようだ。
ケーブルが燃えて裸線になった場合 ケーブルを覆っているダクトが金属製のようなので帰線ケーブルとダクト間が接触。電車運行に伴う帰線電流がダクトを伝わって地面に流れる可能性があり、一旦運行解除になったがケーブル交換のため再度の運転休止になったようだ。
線路わきのダクトから発煙と発火が見られる以下参照
変電所内から帰線と高配配線(6.6kV)が下りて来ている場所 付近から発煙
右隅のダクトは高配(6.6㎸)収容 このさらに右のダクト上部から発煙と発火 |
この帰線収容ダクトの上部線路面のところが燃えている。
JR東日本から報告がUpされた。
内容は、見立てと同じ帰線火災
さて 変電所が落ちた場合 2ノッチ制御で運転が再開させるスキームが出来上がっている。
ノッチを2ノッチ制限運転で運転再開の運用が見直されて2017年から運用している
飯田町変電所が脱落した場合 四ツ谷変電所-神田交直変電所(総武線緩行線・中央快速線)がその任を担う。総武線に神田交直変電所が寄与していることはあまり知られていない。
但し今回の場合、運転再開フローの適応線区に四ツ谷変電所を除くと記載されているので
信濃町変電所-神田交直変電所が担うのであろう。ちょっと変電所区間距離が長い。
残念ながら運転再開フローの適応除外になったようだ。(四谷変電所を除くのため)
帰線劣化の検出手段
引用
直流変電所火災などのトラブル拡大原因のひとつとして、接地装置の誤接続がある。このため、接地装置の健全性を確認できる装置の開発ニーズが高まってきている。接地装置のメンテナンスは、通常、接地抵抗の測定値で良否を判定していたが、誤接続していないかという健全性までは確認できなかった。また、直流帰線ケーブルの絶縁劣化については、劣化傾向を把握する手段がなかった。
引用終わり
参考資料
岡健一郎ら;首都圏直流電化区間の変電所異常時の運転再開方法の見直し:鉄道と電気技術Vol.30,No.4,pp.35-41,2019