八代変電所
アプローチ:新八代駅
受電:九州電力 八代-宮原線No.12分岐 需要家線 途中九電の開閉所を挟む
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左上 △がJR九州 八代変電所 途中〇に×の開閉所を挟む
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き電:複電圧スコット結線変圧器(3次巻き線6.6kV付) AT-BTの境界の変電所
変電所内にATは無く、約4㎞離れた場所に第一ATがある。
八代変電所の位置関係
松橋き電区分所(BT)-八代変電所(AT-BT)-出水き電区分所(AT)-川西変電所(AT)-伊集院き電区分所-西鹿児島変電所(AT-BT境界)
八代変電所-西鹿児島変電所が初めての60HzAT電化区間となる
1970年9月 鹿児島本線 八代ー西鹿児島間でATき電が商用電源周波数60Hzで世界で初めて実用化された。営業運転開始は10月1日 この辺の経緯については以下に纏めてある。
110kV 受電から66kV受電に切替工事中の画像 Google Street View 2013年
折尾変電所に置かれていたM座、T座別置きの移動式複電圧スコット結線変圧器が置かれていることが判る
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由緒がある八代変電所だが AT電化記念碑もない 当初は110kV受電だった。力率改善用設備は無い。 |
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変電所全体はこじんまりした形
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九州電力八代-宮原線No.12分岐 需要家線 途中九電の開閉所を挟む これが開閉所 2回線受電を1回線にして送電 そのためJR九州の変電所は1回線受電となる
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断路器、遮断器、MOF、避雷器、複電圧スコット結線変圧器(3次巻き線6.6kV付) JR九州の交流変電所はこの形式が多い
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別角度 |
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右から断路器、遮断器、MOF
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MOFの後は避雷器がスコット結線変圧器に直結
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左から66kV 変圧器の横から出ているのが3次巻き線6.6kV 右 20,40kVき電側
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複電圧スコット結線変圧器(三次巻き線6.6kV付)
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三次巻き線6.6kV付 複電圧スコット結線変圧器 一次、二次側とも絶縁等級60号の碍子を使用 M座22kV
ou,u u側がPF、ou側がNF T座44kV v,ov v側がAF、ov側がTF 三次巻き線6.6kV
はスター結線 中性点nがでている
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ここのATき電T座ではTF側に直列コンデンサを入れている 佐賀変電所ではAF側M座に直列コンデンサを入れていた |
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別角度 ATき電 スコット結線変圧器の一番外側 v側が直列コンデンサをスルーしている 後ろのBTき電ではou側が直列コンデンサに入る |
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BTき電ではou側が直列コンデンサに入る u側は直列コンデンサをスルー |
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別角度 |
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手前 ATき電側 AF,TF側断路器 ATき電側は単線となるため1回線 奥 新八代駅側はBTき電で複線対応なので2分され上下線(212,211)の断路器を経由 BTき電側は単極VCB(遮断器)を経る。ATき電側は双極VCB(遮断器)を経る |
BT側 |
BT側は上下線とも変流器(電流計)を経由して遮断器へ |
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BT側NFはGP装置を経て断路器を経由してNFとして線路側に |
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BT側全体像 遮断器を経由してVTを通り断路器を経由して架線に繋がる 211下り線側、212上り線側 |
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211,212き電線はタイき電用断路器(開路)を通過して線路側に |
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BTき電側は変電所直下で架線に繋がる |
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BTき電側は変電所直下で架線に繋がる
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AT側肥後オレンジ鉄道は、貨物の運行がないのでJR貨物だけの変電所となる。JR九州の特別仕立ての特急が走ることもある。
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左 断路器を経由したAF,TFき電線はAF,TF間の電圧を計るVTを経由する |
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その後AFは変流器を経由 再び電圧計を経由して第一AT方(左に)き電線が延びる GP装置があるが第一ATからの貧弱なPWが繋がっている。 |
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ATき電側にAT(単巻変圧器)が置かれていない 遮断器、断路器を経由したAF、TFは避雷器(中央)を経由AFは変流器(電流計)を通過 AF,TF間の電圧測定のVT(右端)を経由 |
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AF,TFき電線は、八代駅(BTき電)を通過し3.6㎞先の第一AT(単巻変圧器)まで延びる |
これから第一ATまで約4㎞を歩く
このように第一ATまで距離がある例がJR東日本で多く見られた。
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肥後線の信号機は生きている 線路は不通 ここはBT区間 |
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八代変電所からのAF,TFき電線 対地44kV |
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八代変電所からのAF,TFき電線 対地44kV PWは碍子保持ではない |
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異電源注意 BT区間中にAF,TFき電線が平行に張られている |
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肥後線踏切から奥 デッドセクションを望む |
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デッドセクション部 |
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デッドセクション部拡大 |
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AF、TFき電線がデッドセクション横を通過する 奥BTき電区間 手前ATき電区間 |
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デッドセクションを過ぎた部分でTFき電線がトロリ線に繋がる AFき電線は向きを変える |
このように第一ATまでTFき電線が延びないで途中でトロリ線に繋がり、再度トロリ線から引き出されてAT(単巻変圧器)に繋がる例は、秋田変電所であった。秋田変電所も第一ATが変電所内になく、離れた場所にある。またトロリ線(秋田新幹線側)が途中トロリ線に繋がり再度引き出されてAT(単巻変圧器)に繋がっている
909. 東北巡検その四 JR東日本 秋田変電所 秋田駅構内き電区分(ATき電) |
同部分 踏切から まだAT(単巻変圧器)は先にある
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第一AT(単巻変圧器)にAFき電線が繋がる。TF側からトロリ線に繋がる。各き電線は避雷器を経由 |
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PWは架線柱に沿って引き下ろされている |
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PW(保護線)は碍子保持ではない AT(単巻変圧器)のNW(中性線)にPWが繋がる |
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AT建屋からNW(中性線)が引き出される |
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インピーダンスボンド 中性線にAT(単巻変圧器)のNW(中性線)が繋がる |
その他
新八代駅 フリーゲージトレイン廃線跡 架線・デッドセクションが残されているかと思ったが撤去されている。
過去にGoogle Street Viewで記事にした。
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フリーゲージトレイン 試験線 架線設備がすべて撤去 |
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フリーゲージトレイン 試験線 架線設備がすべて撤去 |
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フリーゲージトレイン 試験線 架線設備がすべて撤去 |
奥に架線設備が見えるのは九州新幹線用 |
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新八代駅乗り入れ部 架線撤去 |
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三条軌道の跡が残っている |
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保線用の留置線 |
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この標石がJR九州との責任分界点? 柵扉がある |
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それとも単なる柵扉の押さえ? |
参考資料
稲留 勝智ら;JR九州八代変電所の始まりと変遷:鉄道と電気技術,Vol.24,No.8,pp.43-46,2013