2023年8月15日

1316. 東急電鉄 目黒線・新横浜線 日吉開閉所

 日吉駅 大倉山方面端 上り線側に設備されている。

 東急電鉄 地上部は上下一括き電を行っている。地下部は防災面から上下線別き電を行うのが常である。

 中目黒駅から渋谷駅間、反町駅から横浜駅間は上下線別き電を行っている。今回日吉駅のインピーダンスボンドを調査した際に、日吉開閉所があったので調査を行った。新横浜線は上下方面別き電、目黒線は上下一括き電なので き電分離の観点から開閉所が設けられている。

ホーム端にある日吉開閉所入口

日吉開閉所 全景 目黒線上下線(上下一括き電・タイき電)のき電線が引入れられている

目黒線上下線 タイき電 2回線引入れ 引き入れ箇所でタイボンド

インピーダンスボンド中性点に開閉所の64P接地線が繋がっている(1本の細いケーブル)

新横浜線下り目黒線 き電線トンネル上部で引き止め 手前最終き電分岐装置部有



1段目のエア―セクション ここから 直流デッドセクション部(一列車長)に入る
架線はカテナリー ここまで目黒線 元住吉SSき電

直流デッドセクション部(一列車長)架線はカテナリー


直流デッドセクション部へのき電線 き電線分岐装置 架線上部


綱島トンネル カテナリーから剛体架線のエア―セクション


直流デッドセクション部終了 シンプルカテナリーから剛体架線のエア―セクション


直流デッドセクション部を抜ける 電車線区分標に「出」表示
新横浜SS方下り線 き電線区間


新横浜線 最大勾配上り切り部分
新横浜駅方及び直流デッドセクション部の上下線のき電線が収容された軽量プラスチック
トラフが右側を手前側にある日吉区分所まで伸びる(上り線方に敷設)

新横浜駅方、直流デッドセクション部の上下線のき電線が収容された軽量プラスチックトラフが右側を手前側にある日吉区分所まで伸びる(上り線方)トラフには高電圧注意の表示


発煙を起こした渡り線の下を潜り、左側にある開閉所まで軽量プラスチックトラフが伸びる

直流区間のデッドセクションについては以下で解説している

487. 直流電化区間のデッドセクションとエアーセクション

 直流電化区間のでのデッドセクションは、FRPインシュレーターが連なっている訳ではなく電車長の架線両端に、エアーセクションを設け、そのエアーセクション間をデッドセクションと呼んでいる。

 東京急行電鉄では72D方式、東武鉄道では、Zセクション方式もしくは中間セクション方式、小田急電鉄ではW方式と呼ばれている。

このエアーセクションが2段重ね対策は、セクションオバーを防止するため設定されている

セクションオーバーの定義(日本鉄道電気技術協会編:直流高速度遮断器より引用)
地絡事故で停電あるいは、停電工事を施工している区間に電車がエアーセクションを通過し
たため故障区間と健全区間のトロリ線を一瞬短絡した場合
出合い頭の事故として
1.地絡箇所に再度地絡電流が流れて事故被害拡大
2.電線に触れていた人が感電
3.パンタグラフを介して流れた電流が原因で、トロリ線やすり板を損傷

JR東日本では、数々の変電所を巡ったが、この方式は巡り会わなかった。

直流接触器(72F)を利用した方法 こちらが一般的
平常時すべて「入」の状態 54F3部分で地絡発生
54F3停電とともに72F0も開放
 停電区間に54F1区間から電車が侵入したとき72F0と54F3のエアセクションをパンタが短絡しても事故電流が流れない
「鉄道に関する技術基準(電気編)」の記載の方式
平常時54Fすべて「入」の状態
54F3地絡発生時 54F3開放 54F0も開放
停電区間に54F1区間から電車が侵入いたとき54FF0と54F3のエアセクションをパンタが短絡しても事故電流が流れない



上記 説明と同じ 但し直流接触器がここでは高速度遮断器54Fに変更されている



日吉開閉所 単結線図 直流高速度遮断器は4台設置
 上下一括き電、上下線別方面別き電のき電分離が行われているので新横浜変電所からここまで片送りと思われる。また回生インバーダーが新横浜SSに設けられているので上下一括き電との並列き電は、効率的にも行われていないと思われる。回生インバーターは新横浜線内の急こう配対応が主目的であるとの見解が妥当だろう。新横浜変電所が落ちた場合並列き電となるだろう。



















参考資料 日本鉄道電気技術協会編:直流高速度遮断器 pp.30図4.6.2、pp.31図4.6.3 引用 日本鉄道電気技術協会編:き電変電シリーズ、変電所一般 pp.34図1 引用

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1394. JR四国 本四備讃線(瀬戸大橋)で架線切断で立ち往生 2024/11/10 随時記載

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