2014年12月1日

149. 独立行政法人 理化学研究所特高受電所(交流)番外

理化学研究所特高受電所

もちろん特高配電所の場所は、グーグルマップでは表示されない。
この記事は、理研の公開日に取材した。
理化学研究所 和光本所には、原子核研究用の巨大な加速器がある。さぞかし大電力の受電を行っていると思ったら66kV 2回線の受電であった。当初は154kV受電を考えていたが、CGS(コジェネ)を導入したため、66kV 2回線で間に合うようになった
東電66kV 2回線受電 気中接続部 真ん中の1回線は、多分理研以外への分岐点
上記 Google map中心上の部分
 
GIS受電設備 三相一括母線方式 一番右が加速器用専用線2回線
グーグルの航空写真でも左部分に2回線分のケーブル接続部が見える。

 一番左が仁科加速器センター行 66kV 地中2回線のガス接続CH(ケーブルヘッド)
三相一括母線のバスパイプ 左円筒形の装置は、多分GICT(ガス絶縁CT)だろう

C-GIS設備
道路にある特高ケーブル埋設標

仁科加速器センター屋上の第二特高受電所 右上の長方形のC-GIS設備が該当
その下の小さな円筒形の物体が載ったものが25MVA 66kV/6.6kV 二重定格変圧器(LTC付)
CGS(コジェネレーションシステム・自家発電装置)もこの部分にある。
左の円筒形の部分は、LiqHeおよびLiqN2のリザーバータンク群
理研Webよりコジェネレーションシステム引用
RIファクトリーからリニアックへの電源ケーブル
RIビームファクトリー コジェネシステム
機材搬入用ガントリークレーン 黄色のシートは開口部の覆い
放射線管理区の表示 加速器は、装置自体が放射化していなければ
電源をOFFにしている限り、放射線は発生しない。
但し、粒子線を当てるターゲット付近は、放射化されて放射能を持つ。
ハンドフットモニター
台秤のような台に乗り両手を装置の中に差し込むと
自動的に放射線を計測する。
放射線管理区内の入退出では、必ず行わなくてはならず、異常が発見されれば
原因究明を行い。緊急除染を行うため、シャワー室があるはず。
但し 装置が運転してなければ必要ないが、ターゲット室を利用した場合は
必ず放射線計測を行う。
両腕を差し込む穴が装置にある。(ハンドフットモニター)
加速器の屋外にある放射線モニター 中性子線とγ線をモニター
放射線管理区域の排気用ダクト 常にモニターされてフィルターろ過され、大気に放出される。
放射線 遮蔽扉
先ほどのガントリークレーン下の開口部がここに繋がる。
リングサイクロトロン入口の放射線遮蔽扉。
運転中は、閉じる。
超伝導リングサイクロトロン 緑の部分が本体を固定するヨーク
紫の部分シールドを兼ねる点検口で左右に開く
左右に開いた状態 内部が判る。
銅色のパイプが導波管で高周波アンプからの電波を装置内に
送り込む。
高周波を発生させるアンプ 銅色のパイプが導波管
高周波アンプの電源は、せいぜい20kV以下で
最近のソリッドステート方式だともっと電圧が低い。
ターゲットに向かうビームライン
超伝導クライオスタット上部のLiqHe導入部と緑は電磁石用母線
ビームライン スプリッタ―
トリムコイル用電源
水冷式高周波アンプ
架台の下には、オイル式真空ポンプ
高周波導入部と共振器
 装置左 油圧式 真空ゲートバルブ
出入り口の放射線遮蔽扉
放射線モニター
高いところでも9.8×E-1μSv/h=0.98μSv/h
キーが全部挿入されないと装置が動かないセーフティーロック
放射線モニター 警報機 音とLEDライトで知らせる。
赤40μSv/h以上 退避 黄色 20~40μSv/h 退避 緑 20μSv/h 安全
左 中性子線用検出器 右 γ線用ディテクター 電離箱形式
γ線ディテクターは、昔分解したことがあるが、グラファイト製の中心電極に微少電流増幅用の
NECのμPC152Aがテフロンのスタンドオフ端子と高抵抗で繋がったI-V変換OPAmpであった覚えがある。
赤 遮蔽扉操作盤
放射線発生時 Beam On 点灯
ビームラインの放射線量
部分的なビームライン ターゲット部で7mSv/hを示す部分がある。
IRCとの接続部で3mSv/h
 
電磁石用電源 定電圧 低リップル 低ノイズ
粒子測定器
粒子測定器
警報盤 クエンチした場合 安全弁からLiqHeが噴き出す場合もあり
その場合は酸素濃度が低下する。
超伝導四重極磁石
計測器 VMEクレートに収まる各種計測モジュール
昔はCAMACであった。
アライドのGS916Mを使用
放射線防御壁
電磁石は水冷式各パイプにバイメタルセンサーが付着
四重極電磁石用高安定直流電源
光電子増倍管が並んだ検出プレート
上下に光電子増倍管、真中に検出用センサー
光電子増倍管からのパルスのタイミングを合わせる遅延同軸ケーブル
光電子増倍管からのパルスのタイミングを合わせる遅延同軸ケーブル
VMEとかVXIの計測器モジュールが収まったクレート
放射線防護ブロック
検出用センサー(緑の部分)

安定化電源
加速器管制室 データ処理器コントロール用PC
お馴染み牛さんHUB。その下は、無停電電源分配Box
管制室全景
奥が加速器コントロール管制卓
VMEとかVXIの計測器モジュールが収まったクレートラック
 
クレートラック裏側 
管制卓 ターゲット画像
右下に加速器全体のステータスをモニターする画面

安定化無停電電源装置
なぜだかキーが刺さったまま
加速器センター全体の状態を示すモニター
赤の部分が動作中
リニアック イオン源動作中(ECRイオン源)
AFV可変周波数サイクロトロン イオン源動作中(ECR, 偏極イオン源)
 

理研の加速器センターは、狭い敷地を有効活用するようにビームラインが折曲がり
色々な粒子測定器に電磁石で導かれている。
隣は、アメリカのAFN Tokyoラジオ放送用送信アンテナが2本立つ広場であり、これを理研が手に入れれば、今のような狭隘な敷地にクネクネまがったビームラインを引かなくても済む。

参考文献(Web)で見られる

藤縄 雅:超大型加速施設の交流電源の設計と建設
日本大学生産工学部研究報告A,2008,Dec,Vol.41,No.2,pp.91-97
超大型加速器施設の交流電源の設計と建設 pdf文献 リンク

Tadashi Fujinawa et al:
DESING INSTARATION OF ELECTRICAL POWER SUPPLY FOR RI BEAMI FACTORY
Proceedings of the 5th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and the 33rd
Linear Accelerator Meeting in Japan(August 6-8,2008) pp.180-182
DESIGN, INSTALLATION, OPERATION AND MAINTENANCE OF ELECTRICAL pdf文献 リンク

藤縄 雅:理研仁科加速器研究センター RIビームファクトリーの電力供給方法
日本大学生産工学部第43回学術講演会、2010-12-4、pp.13-16

 
藤縄 雅:理研RI ビームファクトリーにおける電熱併給設備
日本大学生産工学部第39回学術講演会

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