上尾変電所
参考文献より引用(一部 付記している)
上尾き電区分所からの昇格
この時期は、桶川変電所から架空66kV送電線で東北線蓮田・久喜変電所に送電していた。
1975年 昭和50年当時上野・新潟間特急「とき」の編成長を現行6M4Tから8M4Tにすることになり高崎線大宮・桶川間のき電電圧の降下が相当大きくなることが予想され、中間にある上尾き電区分所を変電所に昇格させた。
変電所増強の要素と対応策
(1)電車線の電圧降下が規定値を割る場合(柏、取手、東大宮、熊谷が該当した)
(2)変電所の主器容量が不足する場合
(1)の場合高速度・高密度区間では最低電圧1,100Vを確保することが望まれる
したがってこれを割る場合は、中間点にき電区分所を設けるか、すでに設置されている場合は変電所する必要がある。
(2)の主器容量が不足する場合列車ダイヤに従って変電所負荷の分析を行い、瞬間最大出力と1時間最大出力を考慮することになる。
大宮・桶川間の電圧降下の現状き電圧降下試算
大宮SS・桶川SS間12.6kmのほぼ中間に上尾き電区分所が設置されている。
大宮SS6.6km上尾き電区分所6.0km桶川SS 列車密度15両編成6分ヘッド1日上下各156本
桶川SSは、岡部系の電源を使用しているが、ラッシュ時には大宮経由武蔵境系を導入しても1,020Vを割ることが予想された。そこで種々の計算を行った結果6,000kVAの変成装置を設置すればよいことになった。(この時点で宮原開閉所は、まだ設置されていない。大体の直流変電所の変成設備は、6,000kW単位で増設されており、これがJR東日本としての変成設備の規格単位となっている)現在の上尾変電所は6,000kW×2台に変成設備が増強されている。
引用終わり
上尾と言えば上尾事件を思い受かべるが、この上尾事件の遠因としては、上尾付近電車が滞留して き電電圧を割り込み走行不能になったことも考えられる。
アプローチ:上尾駅 容易 受電:桶川変電所からの66kV地中1回線、宮原開閉所からの66kV1回線に繋がる2回線 給電:高崎線 大宮SS-6.6Km-上尾SS-6.0km-桶川SS-5.2km-北本SS SSはSubstationの略
オーソドックスなき電線 接続方式 |
道路を横切る帰線 |
インピーダンスボンド中性点に繋がれた帰線 |
直列リアクトル SL |
配電用変圧器66kVから6.6kVへ降圧 防音建屋はパネル工法 |
桶川線66kV受電盤 |
整流用変圧器 66kVから1,200Vへ降圧 防音建屋はパネル工法 |
直流高速度遮断器が収められたアルミパッケージユニット 建築確認申請がいらない |
アルミパッケージユニットから出ているき線部 |
陽極 負極の直線母線断路器 CTが繋がる |
シリコン整流器は6,000kWが2台 |
岡部高喜:変電所負荷分析の一手法
電気鉄道;1975,Vol.29,No3,pp.18-22
野崎幸雄ら:東京100km圏変電所更新・増強工事におけるコストダウンの取組
鉄道と電気技術;2000,Vol.11,No.3,pp.15-19